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2013年12月19日 (木)

愛国心教育と積極的平和主義の接点は?

 安倍首相が設置した「安全保障と防衛力に関する懇談会」(座長・北岡伸一国際大学学長)が、発表した「国家安全保障戦略」には「積極的平和主義」という中味不明の新語がある。もうひとつそれとどういう関係があるのかわからないが、国内基盤の強化策として「わが国と郷土を愛する心を養う」という一項が加えられた。

 もっとも「愛国心昂揚」が国防の基本方針でうたわれたのは、安倍首相の祖父、岸信介が首相になって間もない1957年にさかのぼる。しかし岸氏が描く戦前復帰の野望は遠のき、事実上から証文に終わったので、改めて孫が、ということなのだろう。

 そもそも「愛国心」というのはどういったことを指すのかさっぱり分からない。すくなくとも、戦後生まれの安倍首相や北岡座長より、本格的愛国教育を受け、日本書紀を繰り返し通読した経験を持つ塾頭の愛国心の方が劣っているとは思わない。

 最初は「愛国心論考」を記事にしようと思ったが、首相などがねらう愛国心が分からないことと、塾頭の手に負えそうもないことからやめにした。そのかわり、今でも口に出る「愛国行進曲」の歌詞を題材にしてみる。

 この歌は、昭和12年(1937年)8月に閣議決定された国民精神総動員の方針のもと、「国民が永遠に愛唱すべき国民歌」として同年に組織された内閣情報部によって歌詞が公募されたもので、占領下の東南アジアや南洋各地の現地人にも普及させた(3番略)。

1番
見よ東海の空明けて
旭日(きょくじつ)高く輝けば
天地の正気溌溂(せいきはつらつ)と
希望は踊る大八洲(おおやしま)
おお晴朗の朝雲に
聳(そび)ゆる富士の姿こそ
金甌(きんおう)無欠揺るぎなき
わが日本の誇りなれ

2番
起て一系の大君(おおきみ)を
光と永久(とわ)に頂きて
臣民我等皆共に
御稜威(みいつ)に副(そ)はむ大使命
往け八紘(はっこう)を宇(いえ)となし
四海の人を導きて
正しき平和打ち立てむ
理想は花と咲き薫(かお)る

 1番は自然環境、観光資源のアイデンティティーを誇るもので、お国自慢の域を出ない。国の安全にかかわる愛国心は無関係だ。問題は2番の「大使命」である。万世一系の天皇のもとで海外(四海の人)も含め、一軒の家(八紘一宇)のようになるよう指導していくという使命感を愛国心に位置付けている。

 さらにこれが、日本の優越性を誇示する国粋主義 独善的な排他主義であることを覆い隠すように、「正しき平和」を導く理想であると歌い上げた。「平和」をキーワードにした点は、安倍内閣の「積極的平和主義」と一致している。

 しかし彼らは反論するだろう。「そんな戦前の軍国主義にはならない。天皇ではなく、ましては、アメリカの言いなりでもない。国連の旗の下で強力な平和構築に邁進するのだ」と。

 それならば、愛国心教育の必要はない。国境や人種・民族を超えたグローバリズムや、2度の世界大戦を教訓に生まれた国連精神教育をした方がいいに決まっている。何で日本の安全保障に、むしろ逆効果さえありそうな「愛国心教育」を持ってこなければならないのだろう。

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» 「国家安全保障戦略」を本気でやれば日本は再び滅ぶだろう [飯大蔵の言いたい事]
 「国家安全保障戦略」について書こうとして、躊躇していた。今日愛国心教育と積極的平和主義の接点は?(反戦塾)を見、やはり書いておこうと考えた。 [続きを読む]

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