産経の世論調査
産経新聞の近藤真史編集長が今日付の紙面でこんなコラムを書いている。
「必要59.2%、必要でない27.9%」(産経・FNN)、「賛成30%、反対42%」(朝日)、「賛成29%、反対59%」(毎日)、「支持57.3%、支持しない27.6%」(日本テレビ系)。特定秘密保護法案をめぐる世論調査結果は各社で大きな差が出ました。
必要、賛成、支持といった言葉の違いだけが理由ではありません。産経・FNNは設問で、法案を「外交や安全保障に関わる国の機密情報を漏らした公務員らの罰則を強化する」と説明していますが、朝日は「一方、政府に都合の悪い情報が隠され、国民の知る権利が侵害される恐れがある」と加えています。法案に関する一連の設問の中で、賛否を最初に尋ねるか、最後に持ってくるかでも数字は違ってきます。
微妙なテーマほど設問の仕方には気を使います。世論調査で大切なのは、数字だけではありません。
同じ各紙の世論調査を毎日も今日付で記事にしている。直近の産経・FNNの調査結果をもとに、”世論調査8割慎重論--「成立させるべきだ」1割”、という見出しをたてている(正確には、「慎重に審議すべき」は、82.5%今国会で成立させるべきだ」が12.8%)。また、「必要」の59%も9月調査にから24ポイントも減っているのに上の産経コラムでは、そのことも伏せている。
最後の「数字だけではありません」の結論は、そのことを言ったいるに違いない。なぜならば、同紙は10月22日付で「秘密保護法案 報道の自由を踏まえ成立を」という社説を掲げており安倍内閣の旗振り役を演じたにもかかわらず、世論が厳しくすんなりと通りそうもないからだ。
設問の仕方に塾頭もケチをつけておこう。「公務員ら」の「ら」は、「公務員以外も」ということだ。回答者はその設問で対象は「公務員」、と受け取るだろう。その前段の秘密の内容などでも、この法案が「……その他の……」という規定があまりにも多く、拡大解釈可能の危険性満載であることに触れていないのではないか。
ただ、「世論調査で大切なのは、数字だけではありません」の21文字に限って言えば、塾頭も賛成である。
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