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2013年10月 3日 (木)

汚染水タンク貯蔵は素人芸

 前にもちょっと書いたが、塾頭は福島第一原発の汚染水貯蔵タンク群を見て愕然とした。雑な構造のタンクが頭を突き合わせるようにビッシリ詰まっている。これでは、漏れや破損などを簡単に目視できないし、補修など緊急措置をするためのスペースもない。

 石油タンクなら到底許可にならない。石油産業の所管は経産省だが、タンク貯蔵施設の設置基準は総務省(旧自治省消防庁)が取り締まる。石油で事故があれば汚染は同様だし、火災の危険もある。

 しかし、厳しい規制により事故が起きても外部におよぶことはほとんどないし、放射能のように広範囲に半永久的な被害をもたらすということもない。放射能汚染水か石油貯蔵より雑でいいわけは決してない。経産省や環境省ではなく、総務省が監督した方がよさそう。

 ここに直近のニュースと、膨大な消防法規のほんの一端をかかげておく。

NHKニュース・10月3日 18時32分より抜粋

東京電力福島第一原子力発電所で、2日夜、山側にあるタンクから新たに高濃度の汚染水が漏れた問題は、傾斜がある場所のタンクに水を入れ過ぎたのが原因でしたが、どの程度の水が入るかの事前の検討が不十分だったことが分かりました。
福島第一原発では、汚染水への対応が複雑になるなかミスが相次いでいて、早急な再発防止と管理の徹底が求められています。

福島第一原発では、2日夜、山側の汚染水をためるタンクから水が漏れ、その下のせきの水からベータ線と呼ばれる種類の放射線を出す放射性物質が1リットル当たり20万ベクレルという高い濃度で検出されました。
汚染水はタンクの天板と側面の板の隙間から漏れ、およそ430リットルがせきの外に出て、海につながる排水溝から原発の港の外の海に流出したとみられます。
問題のタンクは、山側から海側に向けて傾斜している場所に5つ並んで設置されたタンクのうち、最も低くなっている海側のタンクでした。(中略)

水の移送は、この評価に基づいて2日の午前8時半から断続的に午後0時半すぎまで行われましたが、移送を止めたときにはすでに汚染水は漏れ始めていた可能性があり、東京電力は事前の検討が不十分だったとしています。(中略)

福島第一原発では、ことし8月、別のタンクから汚染水が漏れ一部が海に流出したおそれが明らかになり、1日には、東京電力と協力会社との間の連絡のミスでタンクから汚染水が漏れるトラブルがありました。
増え続ける汚染水をためるタンクの増設を急ぎながら、雨水などの複雑な移送作業も行わなければならないなか、ミスやトラブルが相次いでいて、早急な再発防止と管理の徹底が求められています。

危険物の規制に関する政令(以下は塾頭注)

第11条
基準一の二 
(前略)引火点七十度以上(*重油=粘度も高く規制は弱い) 当該タンクの直径(*福島原発は9m)等の数値(当該数値がタンクの高さの数値より小さい場合には、当該高さの数値*福島原発は8m)に等しい距離以上 (*隣接保有距離、福島原発現状はは1.8m弱)

基準四
(前略)厚さ三・二ミリメートル以上の鋼板で、特定屋外貯蔵タンク及び準特定屋外貯蔵タンクにあつては、総務省令で定めるところにより、総務省令で定める規格に適合する鋼板その他の材料又はこれらと同等以上の機械的性質及び溶接性を有する鋼板その他の材料で気密に造るとともに、圧力タンクを除くタンクにあつては水張試験において、圧力タンクにあつては最大常用圧力の一・五倍の圧力で十分間行う水圧試験(高圧ガス保安法第二十条第一項 若しくは第三項 の規定の適用を受ける高圧ガスの製造のための施設、労働安全衛生法 (昭和四十七年法律第五十七号)別表第二第二号若しくは第四号に掲げる機械等又は労働安全衛生法施行令 (昭和四十七年政令第三百十八号)第十二条第一項第二号 に掲げる機械等である圧力タンクにあつては、総務省令で定めるところにより行う水圧試験)において、それぞれ漏れ、又は変形しないものであること。ただし、固体の危険物の屋外貯蔵タンクにあつては、この限りでない。

四の二  特定屋外貯蔵タンクの溶接部は、総務省令で定めるところにより行う放射線透過試験、真空試験等の試験において、総務省令で定める基準に適合するものであること。

危険物の規制に関する規則(昭和三十四年九月二十九日総理府令第五十五号) 「第二十二条第二項第一号」

(防油堤)
第二十二条  令第十一条第一項第十五号(同条第二項においてその例による場合を含む。)の規定により、液体の危険物(二硫化炭素を除く。)の屋外貯蔵タンクの周囲には、防油堤を設けなければならない。
2  前項の防油堤(引火点を有する液体の危険物以外の液体の危険物の屋外貯蔵タンクの周囲に設けるものを除く。)の基準は、次のとおりとする。
一  一の屋外貯蔵タンクの周囲に設ける防油堤の容量(告示で定めるところにより算定した容量をいう。以下同じ。)は、当該タンクの容量の百十パーセント以上とし、二以上の屋外貯蔵タンクの周囲に設ける防油堤の容量は、当該タンクのうち、その容量が最大であるタンクの容量の百十パーセント以上とすること。
二  防油堤の高さは、〇・五メートル以上(*福島原発は0.3m)であること。

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コメント

数年しか耐久性が無い東電の汚染水タンクの謎ですが、普通に考えれば最低でも数十年、最悪なら数十万年の保管が必要なのです。
タンクですが、その場しのぎにしても手抜きが酷すぎて、不思議すぎるのですよ。
気象庁は『外洋に1日600億ベクレル放出 』とIAEAの科学フォーラムに報告していた。(2013年 09月18日 ウィーン)
これに対応するように2013/09/21 共同通信『安倍首相「0・3平方キロはどこ?」/現地視察の際、東電幹部に/範囲知らず発言か』で、
放出量は1日16万8千トンも休止している5・6号基のポンプをフル稼働して外洋に投棄している事実を報じているのです。
今から汚染水を海洋に投棄する話で無くて、
今まで1日に16万8千トンも汚染水を投棄しているなら丈夫な汚染水タンクなど最初から必要無かったのです。
どれ程不思議に見える手品でも、ネタが分かって仕舞うと子供騙しな馬鹿馬鹿しい、だましですね。


投稿: 宗純 | 2013年10月 5日 (土) 16時32分

宗純 さま

もともと海水は冷却水として使っていたわけですよね。その時の放出海水は放射能はほとんどゼロだったのか、基準値以下だからいいということだったのか、それによって貯留分をアルプスなどを使ってセシウム濃度が下がったところで、過去の実績をたてに海に放出しようという魂胆でしょうかね。

そのアルプスもまたまた故障したようです。

投稿: ましま | 2013年10月 5日 (土) 21時26分

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