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2013年10月 9日 (水)

程遠い地位協定見直し

 日米安保の地位協定では、日本国内で犯罪を犯した米兵・軍属が公務中の場合は米側に裁判権があり、公務外でも米側が先に容疑者を拘束した場合、身柄は原則として起訴まで日本側に引き渡さない決まりだ。

 もちろん基地内に日本の捜査権は及ばない。つまり形を変えた治外法権が戦後ずっと続いていることになる。治外法権は、その国の国内であるにもかかわらず一定の地域・人に対して国の法律が及ばず主権を外国に一部侵されている状態をいう。

 欧米列強が競ってアジアに植民地を作り、中国・日本等には租借地などを要求し、治外法権のある条約を結ばせた。ペルーが砲艦外交により締結した「日米修好通商条約」がそれである。現実に米国人犯罪者の横行に手も足も出せず、裁判があっても被告人有利の結論しかでなかったのだ。

 他の英・仏・露などとも同様な方法で国交が開かれたが、日本政府は、この屈辱的不平等条約を解消を新政府最大の外交目標とした。それが達成できたのは、日清戦争直前の1894年7月、日英通商航海条約締結が最初である。

 このあと、数年でアメリカをはじめ各国とも治外法権の撤廃を実現させることができた。その間、36年から40年もかかったわけだが、米軍基地については、占領時代を入れなくてもすでに60年以上続いている。

 他にそんな例はあるのだろうか。このたび、米側の裁判結果や米当局の処分の有無、内容について月1回の割合で日本政府が知らせを受けるように運用を変えるという。これまで、最終判決の結果だけ知らされていたようだが、そこまで内緒にされているとは知らなかった。

 それにしても小出しでケチな譲歩である。1ヘクタールだけという沖縄南部の基地返還と同じである。基地の負担軽減などとには程遠く、見直しといっても、その程度のことならやってもらわなくてもいい、と言いたくなるのではないか。

 明治元勲のような気概と信念でことにあたるという姿勢を、今の政治家に求める方が無理なのであろうか。小手先でごまかすのも、もういいかげんにしてほしい。

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コメント

アメリカ人が王室や皇室の前にいくと縮こまってしまうように、白人を見ると縮こまってしまう日本政治家がまだまだ多いという証しです。

投稿: 玉井人ひろた | 2013年10月 9日 (水) 19時31分

若い年代の人がそじぁしょうがない。総じて社会経験の不足ですね。

投稿: ましま | 2013年10月 9日 (水) 19時52分

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