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2013年9月16日 (月)

米露協調時代は来るか

  シリアの化学兵器使用問題で、アメリカがオバマの言うとおりに軍事行動を起こすかどうを当塾が占なったところ、当たってしまった。
http://hansenjuku.cocolog-nifty.com/blog/2013/09/post-cd5e.html
http://hansenjuku.cocolog-nifty.com/blog/2013/09/post-b891.html

 本来なら、アメリカ国民の厭戦気分を先取りしたものとして同国内で歓迎されるかと思ったらどうやらそうでもないらしい。状況の変化を見て右往左往し、決められなかったとか、ロシアに主導権をとられ、結局アサドを助けることになったなどの不満があるらしい。

 塾頭は、オバマの肩を持つわけではないが、結果を見通せなかったのはマスコミの敗北以外のなにものでもないと思っている。イギリス議会の反対決議が意外だったこと以外は、オバマが本腰を入れていないことや内外世論の盛り上がりに勢いがなかったことなどから、想像してもいいことだった。

 真偽のほどは分からないが、ロシア外交筋によると、こういった化学兵器への対応について去年のG20の際、すでに米露の接触があったことを明らかにしている。安保理の米欧対中ソの対立という構図、つまり冷戦意識からぬけだせないのは、日本の政治家だけでなく日米の国民、マスコミの中にさえあるのではないかという感じがする。

 読売、日経などは、国連決議にしろアサド退陣まで持っていくような結論を目指すべきだと社説に書いている。シリア国民の総意が結集してそうなるのなら塾頭も賛成だが、多国籍軍の軍事的圧力や制裁決議でそれを強要するというのは、筋が違うのではないかと思う。

 アメリカにとっての国益は、パレスチナ問題の円満解決であり、石油利権の確保などではない。ロシアにとっても、武器輸出先として、政権が安定していればともかくイスラム過激派に武器が流れるようなことはしたくない。ここで張り合うことのマイナスより米露協調のプラスの方が勝っているのだ。

 つまり、化学兵器撤去という人道的解決が図れればいいので、双方にとってこの地域の軍事的・経済的主導権を確保するという、いかにも冷戦思考をそのまま持ってきたような発想は消滅していると思う。そのような発想で、双方ともアフガンやイラクで手痛い失敗をしているからである。

 オバマ、プーチンともに2期目で、内政、特に財政に問題をかかえ、できれば大幅な軍縮をはかりたいところだ。 プーチンはEUの東方拡張政策が気になっていたが、このところ以前のような勢いがない。さらに言うと、両国には世界一の国や、巨大ソビエト連邦に郷愁を持つ民衆が少なくないので大国意識は持ち続けておく必要がある。

 米ロが連携して国連活動を活性化し、これまで滞っていた世界の諸問題を解決し、自国の利益を図れればこれにこしたことはない。経済発展にも大きく貢献するだろう。塾頭は、オバマの「高等数学」と書いたが、考えてみれば冷戦思考にとらわれないという簡単なことなのである。
Dscf3954
台風一過

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