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2013年9月 3日 (火)

放射能汚染水の不思議

 福島第一原発の放射能汚染水を、急ごしらえのつぎはぎタンク群を作って、そこにため込んでいる。石油会社にいたことのある塾頭だが、ガソリンや灯油は、水より粘度が低いので、絶対洩れないようなタンクを使のが常識だ。

 重油やアスファルトは粘度が高いが、法的には危険物なので終始消防の監視のもとにおかれる。洩れたらまずいのは、はるかに、高放射能汚染水の方だ。どの範囲にどれだけの期間、健康被害を及ぼすか見当もつかない。

 これまで300tの汚染水漏れが発覚した。大型タンクローリー15台分、この一部が海に流れ出ている。東電も国も姑息な対処だけで、これをどこまで深刻に考えているのか、全く見えてこないない。これが第1の不思議。

 汚染水は毎日増え続けている。壊れた原子炉建屋に1日400tの地下水が流れ込む。ある事故調査委員会では、たしか「津波による電源喪失が事故の原因で地震からくる破壊はない」としていた。

 建屋の地下室は地震前から水浸しのわけがない。どこか地下の壁が壊れたのであろう。水素爆発で上屋が吹き飛ぶのは分かるがそれが地下におよぶとは考えられない。また津波の水圧でもない。これが不思議の第2。

 大型タンクローリー20台分の地下水が毎日建屋に注ぎ込まれるというのは、ちょっとした小川に匹敵する地下水脈が原子炉の下を流れているということである。

 これを建屋流入前に汲み上げて海に流すとか、縦や周辺の土を凍らせる工法を試みるというが、一時的な措置で世紀の無駄遣いになる恐れもある。上流で地下水の川筋を変えるようなことでもしない限り完璧を期せない。これが不思議の第3。

 大飯原発の下に破砕帯があり、活断層ではないという原子力規制員会の調査団の結論が出た。それも結構だが、原発の地下に大量の地下水脈が通っていないかどうかも調べる必要があるのではないか。これが最後の不思議。

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コメント

目先の対応に追われて手一杯。
恒久対策は、したくても、何も出来なかったのが真相でしょう。
象徴的なのが今年4月の地下貯水槽で、名前は大そう立派なのですが、実体は露天掘りのビニールプール。
こんなもの、漏れて当然。
現在問題の1000トンのタンクも耐久年数が3~5年程度しかないその場しのぎ。
これも漏れて当然な構造物です。
そもそも危険物を入れる代物ではないので、耐震性などはまったく考慮されていない。
最初から、漏れることを前提としていたとしか考えられないですね。
今のマスコミですが大混乱に陥っていて目も当てられない。
そもそも汚染水のタンクですが、この記事にある地下水由来ではありません。
あれは東電が毎日原発1基当たり毎時7トン給水している冷却水の高濃度汚染水ですよ。
マスコミですが、多分両者を意識的に混同していて、間違いに誘導しているのです。
地下水の汚染水の方は3・11事故以来2年半丸々垂れ流しです。
原発はメルトダウンして核燃料が何処にあるかは不明だが、毎日400トン圧力容器に注水しているのですが、溢れた分を毎日毎日給水した同量の400トンずつタンクに貯め続けていた。
二年半が経ち、現在は1日360トン程度に量を抑えているが、それでも破綻を先送りしていることには変わりが無い。
この厳しい現実の煙幕として登場したのが、今まで垂れ流していた地下水の汚染水ですね。
最大の問題点は地下水ではなく、東電が給水している冷却水ですよ。
これは止めたくても怖くて止めれない。
もう限界に来ているのは関係者なら誰もが知っているが、認めたく無いのです。

投稿: 宗純 | 2013年9月 3日 (火) 14時14分

循環冷却水と地下水の足し算引き算、そこらがはっきりしません。マスコミは双方が混合しているような書き方ですが、間違っているようなら訂正します。

東電もよくわかっていないのではないでしょうか?。石油会社の大型タンクはたいてい埋立地に存在しますが、安定地盤とするため何年もかけて地盤を養生します。

また、配管は、地震対策のエルポ返しなどを施し、漏れを発見しやすいよう原則として地上の高いところに通します。それらから見て大変お粗末に聞こえるのです。

投稿: ましま | 2013年9月 3日 (火) 19時59分

「つぶやき古道」さんからたちよりました。

みなさま、とても論理的に喝破してらして、
理論家のブログなんだなぁと
感心することしきり。

私はむずかしいことはわかりませぬが、
故郷へ帰れない人たちがどうしたら
一刻も早く帰れるのか、彼らの苦しみに
どうしたらよりそえるのか、悩んで
おりまする。

http://queue-pin.tea-nifty.com/

投稿: あね | 2013年9月 4日 (水) 00時24分

あね さま
……と書くと、終戦時磐越西線沿線におり、新潟県でも会津から陸前地方と方言に似た言葉が多いことことを思い出しました。

アコというとうちにも1台あります。ファの音がでません。歌声運動全盛のころ買ったもののものになりませんでした。

今後もよろしく。

投稿: ましま | 2013年9月 4日 (水) 09時40分

『原発の地下に大量の地下水脈が通っている』事実は、
2年半前の原発事故発生時から心配されていた。
小出助教は最初から地下ダム(遮水壁)の大事さを指摘していた。
日本政府も馬渕補佐官をトップにして事故から2ヵ月後には予算1000億円、工期2年の地下ダムを決定。発表する寸前で、なぜか延期になる。
これは東電の株主総会対策(破綻回避)だったといわれているが、
ところが管下ろしで、野田佳彦に首相が変わると直ぐさま10月には正式に造らないと決定されている。
ところが何故か今年になって、海側だけの遮水壁を東電が作り出した。
当たり前ですが、地下水位が急上昇。
遮水壁は海側にしか造らなかった理由を東電側は、
『建屋地下の汚染水は地下水位との微妙なバランスで管理している。不用意に陸側に壁を造ると、水位が下がりバランスを崩す恐れがあった。』と説明する。
ましまさん、不思議だと思いませんか。
誰が考えて山側に造れば水位が下がる。
海側なら、その逆になる。
どちらか一方だけを造るなら今回のような海側ではなくて、山側から流れ込む地下水を止める筈なのです。当然地下水の水位は下がる。
東電ですが、何故か、地下水位を下げたくなかたのです。
多分発表されていない、何か『別の理由』があるのです。

地下水の流れですが、これは自然現象であり事故とは無権系に1日1000トンが原発敷地内に入っていて、入ってくる量が1000トンなら同量が海に流れているのです。
流れ来る水と、流れ去る水は必ず同一。
違いがあっては駄目です。
今までは流れの障害となる遮水壁の類は、一切なかったのですよ。
1000トンの内400トンが毎日原発建屋地下に流れ込んでいると今回東電が発表している。
そして、原子炉の核燃料の冷却水として毎日東電は400トンも給水していたんですよ。
汚染水を浄化して再利用する東芝製のアルプスは少しも稼動していません。
それなら、誰が考えても毎日増える400トンの汚染水は100%冷却水です。
仰られているように『マスコミは双方が混合しているような書き方です』
読者を間違いに誘導しているのですよ。
新聞報道ですが、誰が読んでも冷却水と地下水とを混同するようにわざと書いているのですね。
関係者が今でも400トン近くの冷却水が原子炉に給水され続けている事実を、知らないなど、
これは絶対に有り得ないのです。
マスコミ全員で、福島第一原発の不都合を黙っているのですが、
これでは日本軍の敗北を隠していた、丸っきりの大本営発表なのです。

投稿: 宗純 | 2013年9月 4日 (水) 10時27分

宗純 さま
ありがとうございました。
だんだんわかりつつありますが、私の言うように地下水流を原発敷地を通らないよう変えてしまうと、東電はアルプス再稼働もできず、冷却水確保に困るということでしょうか。

そういう解説はありませんね。今のタンクは満員電車のようにくっつきすぎです。これでは保守や監視作業ができません。石油なら1基ごとに保安距離が定められています。

投稿: ましま | 2013年9月 4日 (水) 14時49分

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