« 中・韓反日の構図 | トップページ | 「国」を発明した人 »

2013年8月23日 (金)

武寧王と閔妃のこと

 以下は前回の記事にいただいたコメントに対するレスポンスですが、やや長くなったので本文とさせてください。

----------------------
ちどり さま
 コメントありがとうございました。おっしゃるとおりだと思います。私が韓国に行ったのは盧泰愚さんの頃ですから相当前です。案内してくれた女性は滞日経験もあり相当親日家と思いましたが、歴史の話で2つのことが印象に残っています。

 ひとつは百済の武寧王についてですが、日本では九州に近い島で生まれたので「嶋王」と名付けられたと伝えられている、と話したら、「そんなことはない。新羅という国名からきてるはずだ」とえらい剣幕でした。

 また、ソウルの宮殿跡に行った時、閔妃暗殺の遺構はないか聞きました。彼女はそれに答えようとしませんでした。日本人に不愉快な思いをさせないようにとの心遣いか、李朝末期の朝鮮人にとって思い出したくない混迷ぶりに触れたくなかったのか、どちらか分かりません。

 ただ一つ言っておきたいことは、中国や韓国の状況が日本の戦前と似ているように思えることです。歴史書によく出てくるように、一般国民が5.15事件のテロに走った将校の助命嘆願をしたとか、戦争突入を歓迎したとか、すくなくとも私の両親、親戚、近所の井戸端会議などフツーの国民には、そんなムードがなかったと思います。

 しかし、軍や国策に迎合するマスコミは違います(若い歴史家が当時の印刷物などを史料にして「世論」とするとまちがえる)。国民はそういったことに反することを言うときは、声を潜めるという癖がありました。いくら多くの国民が望んでいないことでも、麻生さんのナチス発言ではないが一部はねあがり分子の声を利用して舵がまげられてしまうことがあるのです。
 
 もちろん、時代も違うし中国・韓国や日本にそういう危険が迫っているとは言えません。ただ、このところの推移は警戒心を研ぎ澄ましておくにこしたことはないようです。
---------------------------

|

« 中・韓反日の構図 | トップページ | 「国」を発明した人 »

歴史」カテゴリの記事

コメント

毎度ながら言葉足らずな投稿にも関わらず、引き続き懇切に御回答いただき感謝申し上げます。

「時代も違うし中国・韓国や日本にそういう危険が迫っているとは言えません」という点は賛同です。韓国に関していえば、昨今の状況が戦前の日本と似ているとは到底思えませんね。昨晩も申し上げたとおり、虚実とりまぜての「反日キャンペーン」は別に今に始まったことではありません。日本国内で最近盛んに妙なフレームアップをされるだけのことで、長い目で見ればむしろ徐々に大人しくなっているとさえ思います。ともかく厄介な対立事項は多々ありますが、とりあえず「村山談話」撤回のようなドラスティックな転換を日本から打ち出すのは下の下策でしょう。今までの基本線を守りながら、粘り強く個別事項ごとに是々非々で交渉、対話を重ねていくまでのことだと思います。

昨今しばしば語られる、歴史問題を足がかりにした中韓「反日同盟」なども、随分現実離れした脅威論だな、と感じます。当たり前のことですが韓国は日本と同様、アメリカの至って片務的な軍事同盟体制にがっちり組み込まれた国で、今も昔も圧倒的な脅威は「北」ですね。それを差し置いて軍事的に中国と結んだり日本と敵対するなど、現状ありえません(どだいそうなったとして、韓国軍など日本の自衛隊の敵ではなく、将来軍事バランスを挽回してくる余地も恐らく皆無でしょうけれど)。

投稿: ちどり | 2013年8月24日 (土) 00時45分

ちどり様の見解の方が妥当と思います。私の体験ですが、受験に合格した知り合いの「帝大」生の書棚を見たら、本人には何の利害のない反韓本が数冊発見したり、韓国進出している日本企業マンの同級生が、話の脈絡もなく「あの(韓国)企業の製品を買ってはいけない」などと放言するのを眺めて、いかれているのはむしろ日本の知識人エリートの方でしょう。原発汚染水問題は一級の政治的課題なのに拘らず、現政権は東北復興が重要課題と言いながら、真剣に取り組まないどころか知らぬ存ぜぬ、です。そして、日本の知識人エリートは腰抜けです。どうかしているのは日本人の方です。念のために申し上げますが、私は貧乏な日本人です(笑)。ましま様は、知識がおありになる半面、感情に捉われすぎるかと思います。国なんてどうでもいいのです。

投稿: 張三李四 | 2013年8月24日 (土) 22時16分

コメントありがとうございました。

 「反日」とは、史実に基づかない、あるいは歴史を無視した主張や運動だとしましょう。根拠のあるものは「抗日」です。日本にある「敗戦否定論」なども「反日」と同類です。塾頭はこれらを「劣情」と称したことがありますが、これが「感情に捉われすぎ」の理由でしょうか。

 世の中は、理性だけで動いているわけではありません。特に戦争は半分以上「感情」から始まっています。感情は「反戦」の主要テーマのひとつです(笑)。「国なんてどうでもいいのです」については、本文を見てください。

投稿: ましま | 2013年8月26日 (月) 09時04分

私自身も時折便宜的に使ってしまいますが、「反日」という用語自体に引っかかりを感じますね。中韓からの日本批判を一切合切「史実に基づかない、あるいは歴史を無視した主張や運動」と切り捨てられるとは思えないのですが、「反日」とレッテルを貼れば「絶対悪」「討つべき敵」に早変わりですね。実体概念というより、「テロリスト」などと同様の罵倒用語と感じます。

投稿: ちどり | 2013年8月27日 (火) 23時58分

今日の産経によると、中国の李保東次官は、記者会見で「日本が会談の場を設けたいのならば、減らず口をたたかず、歩き出さねばならない」と発言しているようです。

減らず口、中国語でなんというのか?。尖閣を盗むとか妄言とか、日本語にするといかにも感情的・挑発的ですよね。嫌いな安倍内閣だがそんな言い方はしてない。日本の方がレベルが上だと感ずるのはそんなとこにもあります。

投稿: ましま | 2013年8月28日 (水) 07時39分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/468248/52996427

この記事へのトラックバック一覧です: 武寧王と閔妃のこと:

» カネボウ美白化粧品や放射能汚染水漏洩の猫騙し [逝きし世の面影]
『カネボウ美白化粧品以外でも「白斑」が多発していた』 『「まだらに白く」他社製品も相談50件余』 カネボウ化粧品の利用者に、肌がまだらに白くなる症状が出る問題が明らかになっていますが、各地の消費生活センターには、ほかの会社の製品で症状が出たという相談...... [続きを読む]

受信: 2013年8月25日 (日) 10時23分

« 中・韓反日の構図 | トップページ | 「国」を発明した人 »