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2013年8月13日 (火)

自衛隊の誇りや士気について

 改憲論者や集団的自衛権解禁論者は、よく「自衛隊員の士気とか誇り」云々を口にする。現状の自衛隊のありかたから見て塾頭にも理解できる。それは、アメリカ・ブッシュ大統領親子の時代に顕著となった米軍支援の強要により、解釈改憲をじりじり進めてきたことに原因の一端があるのではないか。これで違憲すれすれの日陰者という意識がより強まったはずだ。

 平和憲法をぎりぎりの線でやっと支えていたのが「集団的自衛権は保持するが行使はできない」とする、歴代内閣の法解釈であった。その最後の砦を安倍内閣は法制局長官をとりかえ、議会に特別委員会を新設して来年にでも一挙に突き崩そうとしている。

(参照)
http://hansenjuku.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/post-a78e.html

 湾岸戦争当時は、アメリカに「カネで解決しようというのは駄目だ」とおどされ、事後に掃海艇を派遣した。この際、マイケル・アマコスト駐日大使などは「日本が国際的に孤立するのではないかという不安を持っている。これを利用すべきだ」と大統領に進言したという。

 その後も「一国平和主義」とか「小切手外交」など、日本国憲法をそしるような言説が国内ではばをきかした。そしてカンボジアをはじめとする自衛隊のPKO派遣、インド洋での洋上給油作戦、さらにイラクでの復興支援、バグダッドへの空輸作戦など、中には裁判所から違憲と指摘されるようなことまでしてアメリカに協力した。

 イラク戦争の場合は、逆にアメリカが孤立しかねない状況があり、「ショウ・ザ・フラッグ」などと、いら立ちもあらわに日本を脅迫した。小泉首相が議会で「戦闘地域であるかどうかそんなことをわたしにきかれてもわかるわけない」などの詭弁を弄し、アメリカに行ってブッシュに愛嬌をふりまいたことなどは記憶に新しい。

 また、北朝鮮がはじめての核実験や弾道弾ミサイル発射を行った際、日本中が騒然となった。これをとらえて、「日本をアメリカに協力させるいい機会だ」という米側秘密文書などが存在することなどを、11日のNHK集団自衛権関連の特番が明らかにした。

 そして現在はどうか、アメリカの一極支配の構図は明らかに過去のものとなった。米軍再編で世界戦略は大きく変わりつつある。変わらないのは日本の保守・改憲勢力だ。自衛隊の編成・装備は米軍との共同作戦とか一体化という名のもとに、専守防衛といっても不完全な立場はそのままだ。
 
 これが沖縄の米軍基地返還などをしばり続け、憲法解釈を不安定なものにしている元凶である。つまり自衛隊は、米軍なしでは形をなさなくなるのだ。これを最も恐れているのが日本政府である。集団的自衛権行使の壁を取り除き、米軍・自衛隊が一体化すれば核の傘と共に周辺国に対する抑止力として働くという計算だ。

 中国は尖閣で連日のように挑発を繰り返している。これに対してアメリカは、「日本に軍事協力を迫るいい機会だ」などというだろうか。むしろ逆である。双方の対立を際立てるようなことはやめてくれといっている。普通の国は「価値観」より「国益」の方が大切なのだ。

 自衛隊と米軍の一体化は何を意味するだろうか。前述したように自衛隊は独り立ちできない。従って米軍に首の根っ子を押さえられたような作戦計画を立てなくてはならない。アメリカには平和憲法がない。「日本がやれる範囲を決めればあとは自分がやる」というというのが最近のアメリカの姿勢だ。

 敵地に対する先制攻撃も急襲作戦も思いのまま、というのがこれまでのアメリカ流だった。集団的自衛権の名のもとに日本が戦争に巻き込まれる可能性は飛躍的に増大する。たとえば公海上で米軍のイージス艦が第3国から攻撃を受ける。これを日本の護衛艦が迎撃すればどうなるか。

 第3国から見て日本は明らかな敵になる。自衛隊や在日米軍基地は中・長距離弾道ミサイルの攻撃目標になり、市街地も被弾しかねない。アメリカはこんな危険かつ中途半端で限定つきの集団的自衛権行使など望んでいるだろうか。

 自衛隊員は、決して危険を避けたり命を惜しんでいるわけではないと思う。日本の国土と国民の安全を守る、世界の平和に貢献するということで誇りを持ち、士気を高めることができるのだ。アメリカが敵にした国で人を殺したり殺されたりする仕事、いわば「傭兵」のような立場に自衛隊員を追いやってしまう。

 こんなことを、あなたは許すことができますか?。

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