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2013年7月

2013年7月29日 (月)

反戦塾改憲案

  「押し付けられた憲法」だから改正する――という改憲論者の主張が当を得ていないということを、戦中・戦後を体験してきた塾頭はこれまで何度も繰り返し書き続けてきた。

 一時は、コメント欄で激しい応酬を繰り返したこともあったが、押し付けられたとする発信元は、新憲法成立当時存在した旧・戦争指導層であり当時「保守反動」と称された人々で、一部の小説家や評論家がこれに乗じたものであることがわかってきた。

 終戦の翌年、GHQから発せられた公職追放令により、戦犯はもとより戦時中に所属していた団体役員、学校の校長、軍需産業経営者などが職を失い、その数20万人に達するという。(Wikipedia)

 そのほか、農地解放で広大な山林・田畑を手放さなければならなかった地主階層があり、占領政策に恨み骨髄の人々がいる。この人たちが新憲法を押し付けられたと感ずるのはある意味で当然だろう。

 しかし、戦争で身内を失った人、家を焼かれた人、軍部の横暴で権利や自由を奪われた人など圧倒的多数の国民は、そうは思わなかった。新憲法は多くの国民の犠牲のもとで勝ち取れた主権在民の権利だと思っていた。

 最近、新聞の投書欄で80歳前後の人のこういう意見が増えてきて、一時のような「押し付け憲法論」は下火になってきたように思う。しかし、安倍首相のような何としてでも改憲を実現しようと執念を燃やす政治家の力を無視できない。

 塾頭は、これに対抗するため護憲陣営も自民党案に対する改憲案を持ってその優劣を争う世論喚起がどうしても必要であると考える。そこで、現時点での反戦塾改憲案を下に掲げる。それ以外の改定は原則として必要ない。

 現行9条の2項を改め、3項を追加する。

 
②前項の目的を達するため、外国の領土・領域における武力行使を目的とする軍隊は、これを保持しない。国の交戦権はこれを認めない。

③自衛隊・海上保安隊・警察隊・消防隊その他名称の如何を問わず、公務員が外国の領土・領域内で平和維持その他の国際協力を行う場合の手続きならびに装備等は、法律によりこれを定める。

[参考エントリー]
http://hansenjuku.cocolog-nifty.com/blog/2013/07/post-8fce.html

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2013年7月28日 (日)

消えた「恥」の文化

 ひとつは、イスラム圏に行って日本からのおみやげを酒にしたというふざけた話。これは26日共同配信により複数のメディアで目にした。ところが昨日になってネットで検索したがどこにも見当たらない。ようやく下記ブログに書き起こしたものがあったので転載させていただく。
http://ameblo.jp/heiwabokenosanbutsu/entry-11580510816.html

【コタキナバル=共同】マレーシア東部コタキナバルで行われた環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉会合で、初参加の日本政府が二十四日夜に主催したレセプションで、「土産」として各国の参加者に日本酒が配られ議長国マレーシアなどのイスラム教徒の出席者が持ち帰れずに困惑する場面があった。

 日本政府によると、配られたのは東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県や福島県の酒。鶴岡公二首席交渉官の発案といい「概ね好評で、ほとんどの方に持ち帰ってもらった」(政府関係者)という。ただ、交渉参加十二カ国のうちマレーシアとブルネイ国民の大半がイスラム教徒。マレーシアの交渉官の一人は「イスラム教徒は飲酒を禁じられているから、これは受け取れない」と困った様子だった。

 素人でも侵さないような大失態である。日本の外交当局のレベルは、この程度なのだろうか。丁寧におわびをして取り換えさせていただくのが礼儀である。「概ね好評で、ほとんどの方に持ち帰ってもらった」という政府関係者は、受けとらない方が悪いのだといわんばかりだ。

 安倍首相の歴訪を成功と見せたいためか、マスコミも「なかったことにしよう」という意向が働くのか逃げ腰優先。比較的日本には好意的といわれるイスラム圏諸国からどう見られるかの配慮が、全く欠けている。

 もうひとつは、辞意撤回の見え透いた猿芝居と「引っこめ」という声を無視した醜い地位延命劇である。もちろん橋下維新共同代表と海江田民主党代表のことだ。いずれも参院選の結果を受けたものだが、トップの責任と世間の目を軽く見ている点で共通している。

  「恥の文化」より「ゴーマニズム」が幅を利かすようになった日本。しかしその先は、観客が一人去り二人去り、気がついたら、社民党の福島党首や生活の小沢代表のように、誰からも相手にされなくなるようなみじめなことにならなか、よくよく気をつけてほしいものだ。

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2013年7月26日 (金)

公明党加憲案の危うさ

 読売新聞は、「憲法改正 実現への布石を周到に打て」という社説を7月25日に掲げている。改憲そのものは同社の社是であり、安定多数を獲得し基盤を固めた安倍政権の方向性と100%一致する。その中で次のような議論を進めるための提案をしている。

公明党は、参院選公約に「加憲」論議の対象として環境権や地方自治拡充、自衛隊の存在の明記、国際貢献の在り方を挙げている。

 党内で検討を重ね、具体的な条文を作成してはどうか。自民党などとの共通点、相違点が明確になり、議論が深まろう。

 
 石原慎太郎発言のように「現憲法を破棄する」というクーデターなみの無茶をしない限り、96条の議員の3分の2の壁が立ちはだかっており、それを無視して前へ進めることはできない。自民の圧勝で安定多数の道が開けたとはいえ、改憲の中味を熟成させ改憲の機運を高めるという遠回り作戦で3分の2確保を目指すしかない。

 自民は、評判の悪い第2次改憲案を引っこめ第3次案を模索する方針のようだ。同じ改憲志向の維新などを加えただけでは到底3分の2に達せず、どうしても公明の力を借りなくてはならない。そこで、その手順として読売のような意見が示されたということだろう。

 自民が狙う「国防軍」創設に公明が反対しており、時間をかけたにしてもそう簡単に共同案ができるとも思えないが、上述の公明党参院選公約の「自衛隊の存在の明記、国際貢献の在り方」を手掛かりに、9条改正の一里塚にしようという考えが出てくることは想像にかたくない。

 これに対する野党の対抗策は何か。自民党のような復古調憲法ではなく、現憲法の精神を擁護するためには、やはり不具合のところを修正補強する改正案を掲げて与党案と比較できるようにしておく必要がある。これを主導できる政党は、現在のところ存在しない。政治家有志連合などが憲法学者などを加えて立案するのも一方法だろう。

 改正案の焦点は、やはり公明党が指摘する「自衛隊の存在の明記と国際貢献の在り方」である。現9条2項では「陸海空軍」を持たないとしているが、この表現だけで自衛隊がそれに相当しないと解釈することはかなり苦しい。

 そこで、伝統的護憲論者にあったような、「自衛隊段階的縮小案」とか「自衛隊違憲論」がでてくる。しかし、激甚災害時の機動的な出動実績や、昨今の国際環境や国土防衛を米軍に全面的に依存することに疑問があることを考えれば、もはや自衛隊不要論で国民を引きつけることはできない。

 だからといって「自衛隊の存在の明記」するというのは安直に過ぎる。国民の生命・財産を守るため命がけの仕事をしている警察・消防・海上保安などの存在は、これまでも憲法に触れられていない。自衛隊だけを取り上げるというのは、警察などとは違って、他国に向けた武力行使を可能とする特別の任務と法的地位を有する、つまり「軍隊」と同じ意味を持たせることになるのだ。

 さらに「国際貢献の在り方」についてもそうだ。自衛隊を念頭に置いているのだろうが、国際貢献は自衛隊に限らない。消防隊が中国に渡った前例もあるし、医療、環境保全など民間による数知れない実績がすでに高い評価を得ている。自衛隊の任務は、基本法にゆだねればいい。国際情勢のめまぐるしい変化に対応するためにも憲法で規定するよりいいはずだ。

 公明党は、このような陥穽(落とし穴)をどれだけ避けて通れるか。党の存亡にかかわる問題として重視してほしい。もうひとつあげておこう。自民党案には、戦争放棄に対して「自衛権の発動を妨げるものではない」という一項がある。

 国連憲章に「自衛権」「集団的自衛権」の記載があるから、日本の憲法に自衛権を明記し、その行使を正当付けるのは当然、というロジックだ。これほどひどい勘違いはない。当初の国連憲章草案にはなかった文言をアメリカの要求により取り入れられたものが両自衛権である。その文言は、自衛権を口実とする武力行使に、大きな制限を設けるために追加挿入されたものである。

 その、国連憲章の精神を踏みにじってきたのがアメリカとソ連である。しかし、中東紛争などの結末から、現在は大きな反省期に入っている。国連憲章の理想を先取りした日本国憲法が、今活き還る絶好のチャンスであることを銘記しなければならない。

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2013年7月24日 (水)

反戦塾乗13/7/24

 反戦塾は、夏季休暇を終え、今日から新学期です。

 夏休み期間、実は結腸ガン摘出手術を受けるため入院、昨日退院しました。最初からそう言おうと思ってはみたが、「ガン宣言」をするほど大物ではないので……(*^-^)。

 その間に参院選は終わってしまいました。結果は予想していたものとほとんど違わない。本塾が休暇中でなくとも書く事柄に苦労したと思います。それでも多くの方に見に来ていただき、感謝感激です。

  あえて角度を変えた感想を……

①生活の党のゼロ敗――、小沢一郎さんの政治生命が尽きたように思います。その原因のひとつは、前に書いたことがありますが検挙されていた元秘書のうち石川智裕氏を除く2氏が控訴を断念し、有罪が確定したことです。「関係ない」では済まされません。筋論ですが、これが政党代表や総理をねらう政治家にとって無視できない瑕疵となるでしょう。

②民主党の東京選挙区ゼロ敗――選挙民の民主党ばなれといいますが、そんなものではありません。むしろ「憎悪」と言っていいほどです。全国で17議席というが拾い物当選といって過言ではないでしょう。

 前項の小沢さんも、その憎悪の対象です。鳩山さんに引導をわたし、菅さんを射落とし、野田さんに反旗を翻して党分裂の先頭に立ち、結果として民主党凋落の原因を作った張本人です。

 細野幹事長が責任をとって8月いっぱいで辞任するそうですが、当然でしょう。海江田代表はそのまま、というのでは「憎悪」が増すばかりです。9月に代表選という可能性は高まりました。

 菅元総理を党規違反で処分を決めるともいっています。菅さんにとってはすでに計算済み。民主党の地殻変動が誘発されるかどうか、目が離せません。

③自民党躍進の真因は――民主党憎悪の怨念がそうさせたのでアベノミクスが受けたわけではありません。むしろ、TPP、消費税像、福祉切り捨て、そういったことを「良薬は口ににがし」、「寄らば大樹の陰」で、国民は受け入れようという気になったのでしょう。それしか手がないということです。

 

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2013年7月 9日 (火)

夏季休暇

 本塾は10日より約2週間、やや早い夏季休暇に入ります。この間、更新が途切れること、悪しからずご了承願います。

                       塾頭

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2013年7月 6日 (土)

「国防軍」なら戦争に勝てるか

 毎日新聞顧問の岩見隆夫は、毎日OBには珍しい再軍備改憲論者で、発表意見に対し当塾でも複数回反論を試みてきた。

http://hansenjuku.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/post-60e0.html
http://hansenjuku.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/post-a4c9.html

 7月6日付の毎日東京朝刊「近聞遠見」では、”「国破れて憲法残る」では”という再軍備論を載せて安倍内閣の後方支援を買って出ている。

 同じ毎日新聞によく掲載される野坂昭如や大江健三郎の意見に対し、「野坂、大江らは、かつての戦争末期を知り、敗戦体験を持つほぼ同世代の著名な有識者だが、<国を守る>とは何か、をつきつめて考えたことがあったのだろうか」と冒頭部分で書き出す。

 塾頭は、同じ疑問を全く逆の立場で石原慎太郎や江藤淳らに感じていた。そして、新憲法を占領軍の押しつけで屈辱的なものという論調を、大部分の庶民はこれを喜んで受け入れ、屈辱感に打ちひしがれたのは、「戦犯や戦争協力でパージされた指導者、農地改革で土地を失った地主かそれらの係累に違いない」と、当時を知る者として証言した。

 ところが岩見のは違う。戦争が始まったのが就学前、敗戦を迎えたのは、満州の大連で小3か小4の頃だろう。帰ってこれたのは終戦から1年半たった後で、幼い彼の心に刻まれたのは「不幸にして侵略されたり戦争に巻き込まれたりした場合、絶対に負けてはならないこと、敗北は民族の大悲惨である」ということである。

 彼の体験からくるこの気持ちはわかる。攻め込んできた中国共産軍をパーロ(正式には「八路軍」)やソ連軍をロスケと呼んだということを紹介しているが、これまで使用人だった中国人や朝鮮人が戦勝国民として急に威張り出し、立場が逆になったこと、ソ連軍が野蛮に振舞い多くの犠牲者がでたこと、脱出引き揚げのための言語に尽くせない辛酸、これは私の身内から聞いているし、捕虜として強制労働させられた先輩の証言も多くある。

 「戦争は勝たなければならない」。この執念は、マッカーサー指令部のもと民主化・自由化が進んだ国内とは違う。負けたため他民族から受けた侮辱・不条理が強烈に作用する。「ロスケ」などの蔑称に言及したことからもわかる。「負けさえしなければ」という愚痴は、親からも繰り返し聞かされていたはずだ。

 ここで、岩見の口調を借りて反問してみたい。「<どうして負けるような戦争を始めたのか>、をつきつめて考えたことがあったのだろうか」と。また、「外国から追われるような屈辱の逃避行をしなければならなかったのか」を。

 そして、このようにもいう。「独立国として、また<不敗>の備えとして精強な軍隊を持つのは初歩であり、軍事大国とか軍国主義とは無縁のものだ。9条擁護論者はそれに反対している」。彼の論理は、ここで急短絡する。

 不敗のための 「精強な軍隊」とはどういう状態を指すのか。中国の軍事大国化に対処できる「精強な軍隊」なら、果てしない軍拡競争を招く。世界一の「精強な軍隊」でもベトナムで負け、イラク・アフガンでも負けといっていいではないか。

 彼のために極言しておこう。どんな「精強な軍隊」を持っても中国には勝てない。国土が広く人口の多い方が最終的には勝つのだ。ただし、国民の国防への意識、平和への強い情熱と行動、これならば対等に戦っていける。

 わが国の領土・領域への寸土の侵略も許さない自衛隊。他国の領土・領域での武力行使をせず、世界平和構築に意を注ぐ誇り高い自衛隊があればよい。現憲法の解釈では不自然だというなら、その線に沿って憲法を補強することだ。

 岩見は、護憲論者が「国防をどうすればいいのか、何も触れていない」と説くが、塾頭が変わって答える。「上記の方法で国を守り、憲法の理想主義を実現させる」、これが戦争を知らない世代への最大の贈り物ではないかと。

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2013年7月 4日 (木)

民主党に活断層?

 「あれは活断層か地すべりの跡か、今後いつ活動するかどうか断言できない」これは原発のことだが、民主党にもそんな兆しが出てきた。

 2、3日前、塾頭の地元選出民主党代議士・生方幸夫から封書が届いた。多分、今度の参院選で千葉選挙区(定員3)から出馬する唯一の民主党候補・長浜博行の推薦だろうとしか思わなかった。

 それなら即、紙くず箱ゆきだ。十数年昔のことだが、山田宏(現・維新)や長浜の主唱で、憲法九条改正、首相公選制、道州制など11項目の政策をかかげ、新党結成のための秘密結社をつくった。

 志士の会と名付け結束を誓う「血判状」を交わした。参加メンバーは野田佳彦、中田宏(現・維新)など松下政経塾出身者が中心で河村たかし(現・名古屋市長)も加わった(井出康博『松下政経塾とは何か』)。

 会の目論見は実現しなかったが、顔ぶれといい、血判状の発想といい塾頭が投票する対象としては、あまりにもかけ離れている。試みに「毎日えらぼーと」で一致度を調べるとこうなる。

1位・太田和美(生活)90.6
2位・寺尾 賢(共産)84.3
……
……
8位・松島弘典(幸福)8.4
9位・長浜博行(民主)2.5

 長浜は、「回答せず」が多いせいもあるが、有権者軽視の姿勢からも結論は同じだろう。

 さて、話は戻るが、生方の手紙はワープロながら、これまでに経験したことのない内容を含んでいる。民主党・比例区候補神本みえ子を紹介するもので「神本さんは平和憲法を世界に広め、原発をゼロにしようという私と共有の考え」を持っており、「党内にリベラルな考えを持つ人が増えることが民主党にとっていま、もっとも必要だと私は考えています」と続けている。

 マスコミが伝える民主党の選挙戦略は「挙党一致」である。生方の手紙がこれに反しているとはいえないが、リベラル勢力を増やしたいということを選挙民に訴えるというのは、やはり異例ではなかろうか。

 もうひとつ、菅直人元首相のブログが表れた。

東京選挙区民主党候補の一本化で、大河原雅子さんの公認が取り消されることになった。私はこれまでも「原発ゼロ」を鮮明にしてきた大河原さんを支援してきたが、民主党の公認がなくても大河原候補を全力で応援する。

 というのがその趣旨である。そして比例区ではツルネン・マルテイさん、相原さん、神本さん、樽井君などの脱原発を鮮明にしている候補をあげているが、東京の場合民主党ではなく無所属候補を応援するのは、明らかに党規違反であろう。

 民主党は明らかに求心力を失っている。当塾も前政権時代から日本の右傾化を防ぐためリベラルの結集を心待ちにしていた。しかし、政治家として政権奪回のためにはこれ以上の党分裂を招くようなことはしたくない、という気持ちもわからないではない。

 生方は党内で最初に「リベラルの会」を立ち上げた。その後落選中に山口県出身の平岡秀夫にリーダーが変わったが、政変の軸になるようなことはなかった。しかし現今の民主党は当時と大きく変わっている。

 原発、憲法をめぐって国民の意思を体現してくれる有力政党が見当たらなくなったのだ。そのことは、政治家も気がついているはずだ。都議選の共産党躍進も刺激材料になっている。

 参院選の結果によって民主党の地下断層が動くかどうか、社民党や、生活の党もそれを注意深く見守っている。昔のような55年体制復活はないだろうし、またそれを望むわけでもない。

 リベラルのいなくなった自民党の独壇場を許さない、世界に通用するまた世界をリードできる、そんな新しい日本の姿をえがける政党・政治家が現れることを切願している、それだけだ。

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2013年7月 2日 (火)

下種の勘繰(げすのかんぐり)

 下種の勘繰、最近あまり聞かなくなった言葉だ。

お上(政府)の高札曰く・「かくかくしかじかの次第、決して心得違いの無いようしかと申し付ける」

八っぁん・「そんなことはねえだろ。理屈があわねえ。そりゃあお上だけの都合だって、長屋じゃあ評判だぜ。大家さん」

大家・「お上のいうことに間違いはない。瓦版でさえそんな噂はないな。お前たちの考えは『下種の勘繰り』というものだ」

 前々回のエントリー”「鳩」が生きてる”の中で「在沖縄海兵隊 米西海岸へ」という米人研究者の発言を紹介した。今日(7/2)は同じ毎日新聞のオピニオン・面に、同海兵隊の誘致に飛び回っている米ハワイ州知事をめぐった吉富裕倫記者の取材記事が載っている。

 前回同様、ネットでは見れないがほぼ全面を使った記事なので転載はできない。▼は、前後を省略したつまみ食い引用になるが、ご容赦願いたい。

 ▼米海兵隊のグアム移転は、遅々として進まない。ついに米ハワイ州のニール・アバクロンビー知事が、同州への感兵隊移転を先行させようと声を上げ、実際に米政府への働きかけに動き出した。

 ▼「決定権のあるすべての当局でキーパーソンに会ってきた。これからさらに多くの会合や討議が必要になるので、誰に会い、何を話したかは、今はまだ明かせないが、検討してみるということだった。私の所期の目的は達したと思う」。6月中旬に首都ワシントンで国防総省と連邦議会を訪問し、地元に戻ったばかりのアバクロンビー知事は、記者のインタビューに応じ満足げに語った。

 ▼アバクロンビー知事によると、ハワイはグアムに比べてインフラが整い、訓練施設もあるので、新たに膨大な投資は必要ない。すでにハワイで実績のある官民ベンチャー方式で住宅を建設すれば、数十億ドル(数千億円)の予算を節約できるという。

 ハワイの地元住民は、この計画をおおむね歓迎しているようで、牧師のシャーリー・ウジモリさん(52)から「ハワイにいた兵士たちは世界中に散ってしまった。沖縄からでもどこからでも、ハワイに戻ってくるのは雇用や経済にいいと思う」と聞かされ、記者は、「やはり自国軍隊への親近感は、沖縄の反米軍感情と正反対らしい」と総括した。

 また、関連解説として「双眼鏡」という囲み欄で、次のように述べている。

 ▼日本の防衛省は取材に対し、米国で明らかにされたグアム4800人▽ハワイ2700人▽オーストラリア2500人などの海兵隊移転計画案につてい「知らない、分からない」と答え、グアム移転が財政的、政治的な困難に直面していることも国内で説明しようともしない。日本国内の問題にもかかわらず、沖縄への基地集中を解決しようとする姿勢がハワイ州知事より消極的な印象を受けた。

 以上を見てくると、沖縄の普天間飛行場辺野古移転やオスプレーの訓練場所八尾空港利用など、沖縄・国内にこだわっているのは日本の自公や民主・維新などの勢力だけで、アメリカ側は、①日本滞在費用や移転費用の大部分を日本が負担してくれるはず②家族などを含め居心地がいい③パートナーが持つこだわりと核の傘など秘めた要望を、をむげに切りすてられない。ということか。

 一方日本の勢力は、①安保条約があり、価値観を共有する同盟国・アメリカは、日本を守ってくれるはず。そのためには、集団的自衛権容認で袖にされないようにする。②日本国内に米軍や家族がいなくなれば、日本を本気で守ってもらえない。③先輩が築き上げてきた安保・同盟体制を変更するのは面倒くさい。④米軍がいないと自衛隊がもたない。

 そのほか、産軍共同体論などもあるだろうれど、それは別に置いておこう。以上が「下種の勘繰り」であることきちんと証明してくれる大家さんが、どこからかでてこないものか。そうすれば、下種のひとりとして改めて清聴したいものだ。

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