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2013年6月 9日 (日)

新世代憲法②

 当ブログを「護憲ブログ」と呼ぶ人がいます。塾頭は9条の会に入っていますが、ブログ標題が「反戦」なので、純正護憲派からは「好き勝手なことをいう」と敬遠されるのは承知の上です。しかしいかに清純を貫いても、自民党改憲案のようなものが主流になって改憲されれば元も子もありません。

 幸いにというか、自民党改憲案や日米安保条約は欠陥だらけで、国際的に見てもすでに周回遅れだということがだんだんはっきりしてきました。これからは安全保障問題を正面にかかげ、堂々と議論すべきです。第一次自民党改憲案をまとめた舛添要一氏が野党に下った自民党を抜け、新党改革を作ってみたものの今度は引退だそうです。なにか象徴的な感じがします。

 さて、前回自衛隊の存在は違憲ではないといいました。そのために自衛隊はどうなくてはならないのでしょうか。9条の規定に反することのないよう、日本の領土・領域以外の外国で公務員(自衛隊員は国家公務員)が武器を持ち込み武力行使してはならないという一項を③として加えればいいと思います。それでは、公海上のシーレーン防衛や国連のPKO活動などはどうするかについては、別に法律で定めることにしておけばいいのです。

 新設③項には深い意味があります。戦争というのは相手が降伏するか、相手国に兵員を送り込んで占領、実効支配しなければ勝ったことになりません。相手国に兵員が入り国権を犯すことを「侵略」というのです。

 安倍首相は「侵略」に定義がないなどと言っていますが、頼まれもしないのに兵員がその国に入りこんで退去を拒んでいれば「侵略だ」といわれても仕方がないでしょう。それとも自衛のためだから侵略ではないと言い張るのでしょうか。兵員さえ行かなければ侵略行為は起きないのです。

 列強による帝国主義的侵略は、第1次大戦前には公然と行われました。それが、不戦条約ができた頃から反省に向かうのですが、残念ながら日本は、これからだとばかり張り切ってししまいました。そういった歴史認識で世界に通ると思ったら大間違いです。日本が世界にさきがけて9条を持ち続けたというのは、占領軍に押し付けられたにしても誇るべきことなのです。

 自衛隊の任務は「専守防衛」です。そのための能力は、相手の兵力を上陸させないため、日本周辺の制海権・制空権に万全を期すことです。潜水艦哨戒能力は世界でも有数なものだそうですが、それだけでは不十分でしょう。米軍と足して100にするのではなく。自衛隊だけで100になるシステムを構築しなくてはなりません。

 そこで要求されるのは情報網構築と適正なミサイル配備です。日本は、核兵器や大陸間弾道弾、偵察衛星などを作る技術を持っています。また、中国や北朝鮮が持っている日本を射程においた中距離弾道弾が発射された場合の反撃の可否や、宇宙空間のミサイル防衛、無人機、ロボットによる相手国攻撃など検討課題はたくさんあります。

 しかしそれらを法的にしばるというのはあまり利口ではありません。9条の精神の中でケース・バイ・ケースの判断をしなければなりません。大量破壊兵器や、無差別殺人兵器などの禁止は当然なことで、憲法上は相手国を侵略・占領する目的の軍隊を持たないということだけで十分でしょう。

 以上、2回にわたる本題の結論はそのまえに書いた「憲法と国家ビジョン」に戻ることになります。すなわち、国家間対立を深めれば防衛費用は際限なくふくらみ、国家経済がそれによって確実に打撃を受けます。

 最強国アメリカでさえこの例から逃れることはできません。中国の軍事費が増大を続けていても、それとまともにおつきあいするメリットはなく、アメリカはすでに軍縮モードに入っています。日本も防衛力の効率化、適正配備を進める中で「次世代憲法」を旗印に、軍縮・環境立国に将来を託してほしいと願うばかりです。 

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