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2013年5月16日 (木)

反原発へ転向宣言

 福島原発事故後、塾頭の考えは「いずれ原発はゼロにするものの、それまでは節電とともに代替エネルギー開発に全力を注ぎ、より厳格なチェックで安全が保障された原発は地元の同意を得ることを条件に運転を認める」というものだった。

 しかし、ここにきて「ちょっと無理な注文かな」と思うようになってきた。上述のうち、前段の代替エネルギー開発は条件さえ整えば予想以上に進展しそうなことと、節約効果も期待を上回る結果が出ているという明るい面がある一方、再開にともなうマイナス面が大きく出てきたことだ。

 そのマイナス要素とは、地震活動が活発期に入っており、注目されなかった活断や震源の連動などで、大地震の危険性が全国的にひろがっているという研究が進んだこと、また原発再稼働を支持する保守政治家の思惑が、アメリカと協業関係にある原発輸出や、経団連を中心とする財界の短期的・限定的利益に応えようとしていること、さらには、核兵器開発を可能とする「機微技術」を温存することが抑止力であるという考え方がわかってきたことである。

 機微技術については、かつて核軍縮や核拡散防止・核廃絶などに役立つ限り維持することに反対ではないと書いたことがあるが、そのような平和志向の発想には程遠く、保守政治家は逆の方向で考えていると見るべきで、当塾の趣旨とは真っ向から対立する。

 さらに致命的なことは、使用済み核燃料処理やその他放射能廃棄物処理方法やその技術が一歩も進まず、垂れ流しマンションの状態が事故前より改善するどころか、見通しも立たずむしろ後退していることである。

 そこへ今回ショッキングなニュースが入ってきた。原発事業者経営者のなりふりかまわぬ保身姿勢・体質が、事故前ほとんど変わらず、これからの安全確保を絶望的にしているという点である。

 これでは、考えを変えなくてはならないと思うのは当然で、塾頭は「脱原発から反原発へ」転向宣言をすることにした。そのニュースとは、16日付の毎日新聞(東京・朝刊)による原発事業者と原子力規制委員会(以下「規制委」)との激しいバトルである。

 ターゲットは日本原子力開発機構(以下「機構」という)の高速増殖炉「もんじゅ」と、日本原子力発電(株)(以下「機構」としう)の敦賀原発で、双方とも敦賀市にあるが、前者の問題点は事業者の無責任管理体制で後者は活断層である。以下、記事のつまみ食いになるので全文は下記でご確認願いたい。
http://mainichi.jp/opinion/news/20130516ddm003040153000c.html
http://mainichi.jp/select/news/20130516ddm002040105000c.html

【機構関連】
規制委の田中俊一委員長は「安全への基本認識が欠けている」と記者会見で機構を批判し、抜本的な組織改革を促した。委員5人からは機構のずさんな姿勢への厳しい意見が相次ぎ、試験運転再開へのハードルは高そうだ。
 機構は約1万個の機器の点検漏れに加え、その後の規制委の検査でも非常用発電機など重要機器13個の点検漏れが見つかるなどミスを繰り返した。過去にもさまざまなトラブルで組織に根差した問題への「根本原因分析」を繰り返してきたが、いっこうに改善されていないことが露呈した形だ。田中委員長は会見で「何度も同じことを繰り返している。今回こそ繰り返さないでいただきたい。かなり深刻だ」と強調した。規制委は16日、機構の鈴木篤之理事長を呼んで23日までに弁明するよう言い渡し、月内にも措置命令する。

 方針を決めたこの日の定例会では、島崎邦彦委員長代理が「(報告書を)作文してその場しのぎをしている。こういう組織の存続を許していること自体が問題だ」と厳しく批判した。大島賢三委員は「機構の病は深い。安全が徹底しなければ、原発事故から教訓を学んだことにならない」と訴えた。

 規制委は今回、機構について安全を最優先と考える体制を取らず「安全文化が劣化している」として組織的な問題に言及。規制委が聞き取り調査をした結果、現場職員が「数千の機器点検を1人で担当していて破綻する」と業務分担の見直しを求めたが、経営陣がこの声をくみ取らないなど、組織内の意思疎通不足も明らかになった。

【原電関係】
規制委内部には、原電が今夏の参院選を見据え、審議の延長戦を狙っているのではないかとの懸念もある。

 参院選で自民党が勝てば「再稼働圧力」が高まる可能性があるためだ。敦賀に関する3月の自民党会合では、原発立地の地元議員から「原電の反論に耳を貸さないのはどうか」など批判が相次いだ。

 「いろいろ圧力があった。ネガティブキャンペーン(誹謗(ひぼう)中傷)もあり、こういう役職を受ける人はいなくなるのではないか」。調査団の宮内崇裕・千葉大大学院教授は会合でこう語り、「圧力」の排除が今後の調査のカギになるとの見解を示した。

 機構がこれほど激しい言葉で繰り返し指弾されるようでは、話半分としても今後運営を任すわけにはいかない。原電に関しては「いろいろな圧力」とか「ネガティブキャンペーン(誹謗(ひぼう)中傷)」の存在である。

 大飯原発再開の時も、滋賀県知事などが言っていたが、マスコミはその正体を国民の前に曝す必要があり、規制委を支える力になるよう追及の手をゆるめないでほしい。また、それが義務であることを決して忘れてはならない。

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