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2013年3月 8日 (金)

安倍首相の自虐史観

 「改憲派の陰謀?」いやいや安倍首相はそんな悪知恵の働く人ではない。党の公約というが、起案した人はともかく、承認した人はその程度の「歴史認識」しか持っていなかったし、ただ子どものようにそれに従っただけだろう。

 サンフランシスコ講和条約発効の日に、独立を祝う政府主催の記念式典開催をするという案のことである。7日に開催した予算委員会で、野田毅委員の質問に対し首相は次のように答えた。

 1952年、4月28日にサンフランシスコ平和条約が発効致しました。7年にわたる長い占領期間を終えて、我が国は主権を完全に回復を致しました。つまり独立を手に入れたわけでございます。既に60年を経ているわけですね。

 むしろ若い方々の中には我々はかつて主権を失っていた、7年という長い占領期間があったんだということも、知らない人立ちも増えているわけでございまして、そんな中で、ご存知のように憲法、あるいは教育基本法といっった、日本をかたちづくるそうしたものも、その期間に出来たわけでございますが、この、いわば4月28日、60年前の4月28日に独立をした。

 首相たちはなぜ60年前の当日、そして60年間の間独立を祝う記念日がなかったのかを分析し考えても見なかったのだろうか。その理由はおおきくいってふたつある。それは、占領中も独立国民としての誇りを持っていたことと、ソ連の入らない不完全な講和で、日米安保によりいわゆるサンフランシスコ体制で占領軍を残すことになったからである。

 そのようなことは、安倍さんの祖父・岸さんがよく承知している。歴史修正主義者ならいざ知らず、占領期間中は「独立国でなかった」などという暴論を平気で国会答弁する神経は、まさに戦後の日本再建を果たした先輩を愚弄する「自虐史観」そのものではないか。

 この間にできた憲法をはじめ、あらゆる法律が独立国でないので無効だといいたいのだろう。戦後になってはじて女性も参加し、年齢に達していれば誰でも立候補できる民主的な選挙で選ばれた議員からなる国会や地方議会ができた。

 そして象徴天皇、国民主権、基本的人権、三権分立を定めた憲法のもとで、破壊・貧困の中から復興に努力し、占領軍と渡り合ってきた先輩日本人は、現在以上にプライドの高い日本国民だった。

 さらにもう一つある。沖縄と奄美大島をアメリカの委任統治下におくということで、この日に日本からもぎ取られたことだ。沖縄決戦を戦った沖縄県民にすれば、琉球処分に次ぐ屈辱の日以外のなにものでもないのだ。沖縄を切り放した「独立を祝う日」を主催する政府のために、辺野古埋め立ての承認判を押せという神経は、とても正常な大人のものとはいえない。

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