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2013年3月12日 (火)

ばかげた記念行事

 政府は今日12日午前の閣議で、1952年にサンフランシスコ講和条約が発効した「主権回復の日」に当たるとして、4月28日に政府主催の式典を開くことを決定した。戦没者慰霊行事同様、天皇、皇后両陛下も出席するようだ。

 塾頭が予測した通り、沖縄から苦情がでたほかは、各政党、マスコミその他さしたる横やりもでないまま実現するのだろう。塾頭が前々回の「安倍首相の自虐史観」で示唆したように、これを改憲の下ごしらえとして利用しようという魂胆が見え隠れするのである。

 ある高名の歴史学者が、戦争を知らない世代の歴史観は、終戦が時代の切れ目であり、明治維新から戦前までの近代化・躍進のめざましい時代、戦後占領期は屈辱欠史の時代、そして戦後の高度成長といった区分で見がちである、といっていた。

 したがって、戦中・戦後がすっぽり抜けており、講和発効が「日本が独立した日」などという短絡的発想が出てくる。全部とは言わないが、安倍・石破といった右派政治家でなくても、社会全体の中で、塾頭のような戦前からの4時代を知る者が少数派になった。それにともない、戦争への反省が極めて軽易に扱われ、どうかすると歴史から抹消されかねないという危機感に襲われる。

 講和発効の日の頃をもう一度証言しよう。朝鮮戦争は停戦状態だかまだ継続中で、米軍基地は依然として日本に残り、後方支援の意味合いから日本に要求された警察予備隊は「保安隊」と名を変えて、軍隊に一歩近づいた。

 国論は、米国中心の単独講和かソ連圏も入れた全面講和かで2分していた。塾頭は再び戦争に巻き込まれ、兵隊にとられるのが嫌で「徴兵制度反対」の署名活動をしたくらいだ。講和条約は結局ソ連欠席、中国代表は台湾という半端なもので、奄美・沖縄の施政権は放棄した。

 講和と同時に旧安保条約が結ばれ、実質なにも変わっていない。お義理で「おめでたい」と言った人がいたかどうかは全く記憶にないが、講和後が独立国なら講和前も独立国だ。61年目に突然この日を記念日にするというのは、現憲法が不当なものとする意図以外に何があるのか。また、4時代を生きてきた者の歴史を抹殺するような歴史改ざんは、決して容認できない。

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戦中・戦後」カテゴリの記事

コメント

60年前の4月28日が日本の独立した日だとの右翼の妄言ですが、これはこれで何とも愉快です。
それならそれ以前は、日本は植民地(自治領?)だったとの話になりますね。
普通なら、悲願の独立を果たしたなら国を挙げての大祝賀会なり大パレードなりの歓喜の大騒ぎとなります。
ところが、当時は何もなかった。
当時だけでなく今までの60年間も何も無し。
我が日本国だけは、世界の例とは反対に誰にも知れれずこっそりと独立していたのですから大笑いですね。
『なぜ、今まで60年間も祝わなかったのか』との普通の大人なら当然浮かんでくる疑問が安倍晋三には少しも無いのですから不思議な話です。

投稿: 宗純 | 2013年3月13日 (水) 08時53分

宗純 さま
コメントありがとうございました。

マスコミは沖縄県紙をのぞいて無視、無関心が主流で、国会も同様のようです。(ようやく今日付・東京新聞と産経新聞ににのりました。見事な対極ですね。産経の主張で政府の意図がかえって鮮明になりました)

2度にわたりこの奇行を取り上げたのですが、はじめて共感をもったコメントをいただきました。

「歴史を直視しない」というのは、中国がよく使う言葉ですが最近は、中国にそのままお返ししたいようなことも多々あります。

中国の歴史の切れ目は辛亥革命だそうですが、日本同様戦後生まれや80族という歴史を知らない層が世間を引っ張っているようです。

日本は、総理がそのレベルにあるというのが危機の最たるものです。 

投稿: ましま | 2013年3月13日 (水) 09時28分

前の記事にもコメントしようとは思ったのですが、ブログへの汚い落書きの多さに中止したのですが、
私のような厚かましいものでも遠慮するのですから、他の良識ある人はもっと嫌がるでしょう。
特にこの話は余計に影響する。
中国の歴史云々発言ですが、カイロ宣言とかポツダム宣言のことを指しているのですよ。
それなら、丸っきり今回のこの記事の主題と、意味が重なります。
中国の態度がこの問題で超強気な原因ですが、これは自分のバックにアメリカが付いている思っているからで、厚かましいし態度がでかい。
日本も日米同盟で自動的にアメリカが後ろ盾だと思っているのですが、日中どちらか一方が正しくて、もう一方が勘違いしているのですね。
中国の勘違いなら法螺話程度でそれほど問題ではないが、日本の勘違いなら日本国にとっては大問題ですよ。

投稿: 宗純 | 2013年3月13日 (水) 10時23分

コメントの件、「塾」としての自由もやはり限度がありますね。改めて「了解」です。

中国の習発言を聞いて、ヤルタ、ポツダムの雰囲気は分かるのですが、どう見ても日清戦争講和条約開始直前に日本が「掠め取った」という理論構成は成り立ちません。

政権がどう変わっても「歴史の改ざん」だけは受け入れられません。

投稿: ましま | 2013年3月13日 (水) 13時50分

この記念日が閣議で話し合われた8日、閣議後の閣僚懇談会で菅義偉官房長官から、沖縄が返還されなかった経緯を踏まえて次のような記念日決定に向けて指摘コメントが出されました

「沖縄の苦難の歴史を忘れてはならない。沖縄の基地負担の軽減に取り組むとともに、沖縄を含めたわが国の未来を切り開いていく決意を新たにすることが重要だ」

閣僚内にも少し疑念があるようですが、決定してしまいましたことは安倍総理が少し暴走の兆しが出ているのかもしれません。
こういうふうになってきたとき、今までのほとんどの場合に内閣を揺るがすスキャンダルが出る前兆だったと記憶しています。

今回も、それかもしれないと思っている私です

それと、わたしも関連記事をほんじつアップしようと思ったのですが黄砂の話題にしてしまいました。明日以降にしたいと思います。

投稿: 玉井人ひろた | 2013年3月13日 (水) 19時27分

沖縄県民の皆様からすれば「屈辱の日」でしか無いことは当然のことだし、まともな日本国民からすれば、2020年に東京五輪開催をしよう等という姑息な動きと同じものでしか無いというのも、一つの真実に近いと見れば、聞いて呆れるばかりでしかございませんよね。
ならば、沖縄県民の皆様には、それこそ中国と共に、そっと静かに、幾らでも騙されたふりをして、安倍総理を馬鹿にして下さい、とでも言ってあげれば良いのだし、沖縄県民以外の、右翼を除くまともな日本国民からすれば、それこそアメリカや韓国の他、全人類とともに、騙されたふりをすれば、それこそ「負け犬の遠吠えの日」とでも称して、そっと静かに、腹の底で嘲笑いながら、安倍総理を幾らでも馬鹿にしてやりながらも、祝いたければ、どうぞご勝手に、ということで、これを祝いたい右翼の皆様だけを突き放して、幾らでも喜んで式典だけは開催させてあげると共に、全人類と共に、幾らでも白い目で見てやることで、大いに複雑な思いをさせて、天皇陛下と切り離して、「訣別の日」にでもしてあげると言うのは如何でしょうか。
こうした右翼連中こそが、全人類にとっての大敵に過ぎないと同時に、日本国民全体にとっての大敵に過ぎないということもまた、一つの真実では無いかと向き合えば、この根本原因というものを探れば、行き着く先には、日本人の構造的欠陥というものに衝突し、これに向き合うことになれば、その衝撃による痛みや悲しみだけは、幾らでも共に分かち合うことで、これを克服して行くことだけは避けては通れない道であることは言うまでもありませんよね。
だが、こうした右翼の皆様に対して、これに向き合うことも出来ず、この真実に向き合おうとすれば、それこそ主観的合理主義によって、踏みにじられてしまい、子供の喧嘩になってしまうばかりでは、当然のことながら、何も言いたくは無いし、議論なんかしたくも無いし、下手に関われば、こちらも同じ穴の狢だと見られるばかりでは、一切関わりたくも無いし、それこそ中国を見習って、幾らでも騙されたふりをして、揺さぶるようなことまではしなくても、「どうぞご勝手に」ということで、幾らでも突き放してしまうことで、それこそ「馬鹿は死ななければ治らない」という諺ではありませんが、全人類から、幾らでも馬鹿にされ叩き潰されることになっても構わないし、それで初めて気づいていただくことが出来るのなら、死ぬよりも辛い苦しみに耐え切れぬなら、どうぞ幾らでもそっと静かに自殺でもして、そのまま滅びて下さい、としか言い様がありませんが、そうでなければ、敢えて、日本からとっとと出て行け、とまでは申し上げませんが、それこそ、中国や韓国の反日活動家の皆様と共に、全人類から邪魔されない様に、何処か人目のつかないところで、そっと静かに、仲良く幸せに暮らして下さい、とでも言ってあげることにして、次第に雲散無消して行くしか無いのは、これもまた一つの運命でしか無いと冷徹に割り切って、これを乗り越えて行く様にすることで、日本が対米従属からそっと静かに離れて、世界の中で、ただひっそりと自立して行くことで、成熟した大人の国、へと生まれ変わることが出来れば、それが何よりのことでは無いかと、つくづく感じますが如何でしょうか。

投稿: asa | 2013年3月15日 (金) 18時02分

玉井人ひろた さま

派閥がなくなった自民党って不気味ですね。いつのまにかヒトラーもいいね……なんていう気分になるのではないか心配です。

橋下さんの方がまだましかも知れません。

asa さま

成熟した大人の国、あるとすれば、スイス?、ノルウェイ?、ブータン?、ドイツ?、案外キューバなんかも?。

投稿: ましま | 2013年3月15日 (金) 19時57分

ヨーロッパで言えば、何といってもスウェーデンやノルウェイ、デンマーク等の北欧諸国をお手本にするのが理想では無いでしょうか。
ただアジアの中では、ブータンというのも一つのお手本にはなるし、平和憲法というものを大切にするなら、コスタリカも、大いにお手本にしても良いのでは無いでしょうか。
ただ外交的には、韓国や中国をドイツやフランスの立場に置き換えれば、日本は英国の立場に立ってあげることで、韓流の歴史ドラマにあった清国との間抜け話を、今度は日本が中国の身代わりになってあげることで、うまく騙されたふりをして、アメリカやロシアと共に教訓に活かして行くことが出来れば、それこそ、脱ニッポン型思考のすすめではありませんが、アメリカに対する日本の国益の半分は中国と韓国、ロシアにゆずってあげると同時に、中国に対する日本の国益の半分は、アメリカとロシア、韓国に譲ってあげて、ロシアに対する日本の国益の半分は、アメリカと中国、韓国に譲ってあげるような外交をして行くことが出来れば、それが何よりのことでは無いでしょうか。
これをヨーロッパで、英国が、ドイツやフランスを中心とするEUを中国に置き換えて、これと同じことをするなら、今度は日本が中国を見習って、騙されたふりをして、対米従属からそっと静かに離れて行く代わりに、新たな日英同盟というものを復活させていくことが出来れば、行き着く先には、かつては日英同盟により、中国が帝国主義の餌食にされてきたのを、今度は日英同盟により、その代償として中国を助けてあげることに繋がるばかりでなく、アメリカ経済も支え、全人類の救世主にも繋がる尊い存在になれば、それが何よりのことでは無いでしょうか。
韓国にしてみれば、あの間抜け話をそのまま教訓にして大いに活かして行けば、日本に対しては、従軍慰安婦問題の代償ということを予て、例えば老人介護福祉分野で貢献を求めてくるなら、喜んで応じてあげる様にすれば良いのだし、これなら、北朝鮮やロシア、モンゴルやベトナムをはじめASEAN諸国等にも良いお手本に繋がるし、他の途上国にとっても良いお手本にも繋がって、グローバルコリアとして、尊い存在として高く評価されてくることになるのなら、此れ程喜ばしいことは無いし、中国に対しては、日本が喜んで反面教師になってあげるようにすれば、これもまた、良いお手本に繋がって行くことが出来れば、世界的に見れば、全人類が共に支え合い、助け合い、分かち合いながら、共に幸せに暮らすことが出来る様になれば、此れ程素晴らしいことは無いのでは無いでしょうか。

投稿: asa | 2013年3月15日 (金) 21時04分

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