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2013年2月

2013年2月28日 (木)

マッチ箱

 Dscf3778 かつては家庭内で存在感の大きかったマッチ箱、今では「近藤真彦の箱?」などと言われかねない。わが家は古く、仏壇もあるのでかき集めたらこれだけあった。

 明治末まで活躍したランプ、台所の煮炊き、暖房のためのこたつ・ストーブ、風呂釜などあらゆるエネルギーのもとはマッチ、漢字で書くと燐寸だった。そして最後まで残ったのが、仏壇や誕生祝いのケーキのローソク用というところか。

 お徳用マッチといって、10㌢四方で高さ4~5㌢(正確ではない)の大箱も各家庭にあった。携帯用でも、写真にある箱の3倍は入るのがマッチ箱だ。「マッチ箱のような家」といえば、小さく凹凸のない安価なつくりを指した。

 その箱は、今のような紙製ではなく、経木(木を薄く割いたもの)が使われていたように記憶している。経木でまた別のことを思い出した。「つけ木」という。

 終戦前後、配給のマッチは火付きが悪く、擦っても白いかすかな煙がでるだけで役に立たない。2,3本まとめてやっと火が付くといったありさまだった。そこで活躍したのが「つけ木」だ。

 10㌢ほどの細い経木の先に硫黄が塗ってある。それをすでに火がついている炭火にあてると、青白い炎になるというわけだ。そうして貴重品マッチを節約した。

 マッチ箱も、洗濯板、タン壺同様いずれ絶滅品種になるかもしれない。

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2013年2月26日 (火)

中国軍幹部のツイッター

 中国が一枚板でないことは、このブログでたびたび触れてきた。しかしよくわからない。下記に引用した中国の好戦的過激発言を繰り返す軍人は、ツイッターで「親愛なる祖国、党、軍隊、人民のために我々は戦わなければならない」と言ったそうだ。

 解放軍の伝統からすれば「親愛なる人民、党、軍隊、祖国」となるべきところ順序を変えて、祖国を真っ先に持ち出した。対外的に国家を代表する外務省には、火器管制レーダー使用も教えずに「祖国」もあったものではない。あえて「祖国」を先に持ってきたのは、ナショナリズム目当ての国内向け宣伝ということだろう。

 日本では、中将クラスの田母神元航空幕僚長が、政府をさしおいて先走った論文を書いたため、責任を取らされた。つまりそのようなことは、きつく戒められているということだ。ツイッターというのは個人発言の場としてフリーゾーンのような気がするが、中国ではどうなのだろう。

 もっと上級幹部の許可のもとで発言しているのでなければ、文民統制も危機的な状況にあることになり、他の先進国では考えられない事態にあるということになる。中国の暗部は、そういったネットや、香港筋情報などで次第に明るみに出てきたようだが、一枚板でないところが最も危険なのである。

毎日新聞 2013年02月26日 東京朝刊

 【上海・隅俊之】尖閣諸島をめぐる問題で日本への強硬発言が目立つ中国人民解放軍の羅援(らえん)少将(中国戦略文化促進会常務副会長)が、中国版ツイッター「微博」のアカウントを開設した。既に23万人以上がフォローしているが、好戦的なタカ派発言には中国人フォロワーから逆にいさめる意見も書き込まれている。

 「親愛なる祖国、党、軍隊、人民のために我々は戦わなければならない」。羅氏は22日、第一声を発した。約3万8000人が転送し、約3万4000件のコメントが寄せられた。同調する意見もあるが、意外に目立つのは反戦的な意見だ。

 「軍人のこんな恐ろしい声を聞かされる人民はどれだけ不幸なことか」

 「人民の軍隊、国家の軍隊なら、まず政治に干渉するな、人民の声を聞け」

 羅氏は18日付の人民日報(海外版)で、東シナ海で日本の自衛艦艇が警告を無視して中国軍艦艇に接近すれば、「(射撃用の)火器管制レーダーを照射し、(さらに自衛艦艇が)危険な行動に出るなら断固自衛する。話し合いの余地はない」と警告するなど、対日強硬論を何度かメディアを通じて表明している。

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2013年2月24日 (日)

困惑する家父長的アメリカ

 アメリカがヨーロッパの植民地から戦争で独立を勝ち取り、西部開拓を推し進めて大陸を横断、さらに西欧列強と肩を並べる帝国主義国の仲間入りをするのは、19世紀後半である。そして1898年には米西戦争でグァム、フィリピンまで手に入れアジアに迫る。

 アメリカは、植民地政策で自由、平等、人民主権といった「価値観」を掲げ、征服地の被支配者たちが秩序ある社会を形成し、自立していけるよう助けること――、これを西崎文子成蹊大教授は、「アメリカの意志に従う政権を『民主的』なものとして樹立、保護をしていく『家父長的』な帝国主義支配」としたとする(『アメリカ外交とは何か』岩波新書)。

 安倍首相がオバマとの会談を終えたことをメディアは一斉に伝えた。会談の映像にテレビのコメンテーターの印象は、「互いに笑顔で……」とする一方、「どことなくぎこちない感じもする」というのもあった。塾頭も後者の見方に賛成する。

 しかし、ぎこちないのは安倍首相の方だけで、大統領の顔は「親の心子知らず」、人前で盛んに強がりをいう子供をもてあましているという感じだった。日本の新聞は、読売の恥ずかしくなるような安倍首相ヨイショ記事以外は、一歩引いた感じで論評している。

 オバマの態度に、前述の『家父長的』アメリカを思い出した。父親は絶対、家風に沿わない子どもは何が何でも従わせる。「威張った言い方」(久間元防衛庁長官)で迫ることも一再ではない。しかし反面、「切っても切れない親子の縁」といって安心もさせる。

 残念ながら安倍首相は、「価値観」の合言葉さえ唱えれば父親と意志疎通ができるという、幼い子供を演じたぎこちなさであった。安倍首相の「美しい日本」は、オバマの「美しい世界」とステージが違うということに気がついていないのだ。

 しかも、アメリカ外交の伝統的精神基盤であった「家父長的」進出は、ここにきて大幅に見直さなければならない時期を迎えている。家父長の成功例は、今や唯一日本を残すだけで、あとはすべて失敗といった様相を呈している。

 おひざ元の中南米がそうだ。家父長といっても軍、CIA、関税撤廃、資本進出などあらゆる粗暴な手段を用いたため父親の権威はどこにも残っていない。半世紀を経ずしてキューバ、ベネズエラをはじめ、ほとんどといっていいほど反米国家になってしまった。

 近くはイラク、アフガニスタンで親米的な政権が民主主義的手続きにより生まれたはずなのに、国民の反米感情は強く、アメリカは何の果実も得ることなく撤退せざるを得なかった。その余波はアラブの春として中東・アフリカ各国に及び、アメリカの盟友・イスラエルは、イスラム原理主義勢力の包囲網の中で孤立することになってしまった。

 オバマはそういったアメリカの将来を揺るがしかねない難問を内外に抱えている。そんな時、尖閣には支援を、北朝鮮に制裁を、集団的自衛権で、などといっても、アメリカおやじは「勝手にどうにかしろ」と言いたくなるだろう。ただ、唯一の家父長的成功例、日本まで失うようでは、アメリカのフロンティア魂が大きく傷つくことだけはたしかである。

 日本の外交が大人になる日はいつ来るのだろうか。

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2013年2月23日 (土)

頑張れ!元総理

 元総理のリサイクルといっては失礼だが、昨今の首相があまりにも頼りにならないので、ロシアでプーチンに再会した森喜朗や、民主党政権奪回時に「普天間はすくなくとも県外」や「アジア共同体」など、かつての悪評をふっきるように持ち出して動き始めた鳩山由紀夫を応援したい。

 森は、北方領土で2島プラス・アルファと、安価な天然ガス輸入にどれだけ目途をつけられるか、鳩山は、行き詰まった普天間移転先と近隣国融和米国にに風穴を開けられるかにかかっている。森も鳩山もマスコミから低次元のヤユの対象になりがちだが、場合によれば首相在任中の功績を上回る結果をもたらすかも知れない。

 鳩山については、その政治力を疑問視する向きが多いだろう。琉球新報によると、20日夜、宜野湾市民会館で開かれた「今語る!『県外移設』の真実」(実行委員会主催)の講演会で、当時の北沢防衛大臣が指示に従わなかったことなどに合わせ、東アジア共同体に関する研究所を3月にも設立し、沖縄に事務所を設置する考えも明らかにした。

 政府は、沖縄米軍基地で沖縄県民の切実な要求を踏みにじり、首相以下お百度を踏めば辺野古移転も何とかなるという県民を愚弄した差別意識から抜け切れない。「もうこうなったら琉球独立だ!」という悲痛な叫びも耳に入らないようだ。

 そんな時、本拠を北海道から移し(おそらく)骨を埋める覚悟で「鳩山」という援軍が現れたら県民はどう思うだろう。下世話な話だが多分遺産で資金に不安はない。こんな時、本当の「宇宙人」になったつもりで、外交の糸口をつくってほしいものた。

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2013年2月21日 (木)

知らなかった荒畑寒村

 荒畑寒村という名は、左翼活動家として名前はよく知っているが、かつて思想犯として何度も検挙され、仲間というか同志と離合集散を繰り返した、という程度のことしか知らない。明治末期、幸徳秋水や堺利彦らが発行する『平民新聞』の非戦論に共鳴したというのが最初だというから、社会主義運動の始祖のようなものだ。

 塾頭の書棚にある寒村の本は、彼がが翻訳した『石油帝国主義』1冊だけである。1974年に出た復刻版であるが、折からの石油ショックに際し勉強のため買った。寒村は、この本の「訳者あとがき」を書いており7年後の81年に94歳でなくなった。この時代の人としては珍しく長寿を全うしている。

 左翼が厳しい弾圧を受けていた時代、彼の思想信条の遍歴についてはものの本などで知ることができるが、戦後については社会党代議士になったことなどを含め、あまり脚光を浴びるようなことがなかったように思われる。

 そんな晩年について、菊池昌典『歴史と想像力』筑摩書房、で意外なことを知った。「意外な」というのは、塾頭が16日に書いた「安倍改憲に立ち向かうには」の所論、
http://hansenjuku.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-9ea8.html
となんとなく似通っているからである。

 もちろん寒村と塾頭では月とスッポン、学識や経験で到底比較対象にはならないが、その要点をご紹介しておこう。

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 寒村の「忍びざるの情」を核とした社会主義像は、単に個人の次元にとどまらず、国家の次元にまで普遍化されていった。
 昭和二十五年八月、「北鮮の侵略戦争反対」は、その典型である。寒村は、この反対の理由の一つに、たとえ南朝鮮人民が李承晩政府の圧政下に苦悶していたとしても、それは南朝鮮人民の自覚、創意、闘争によって、「自由な意志によって政府を選ぶの権利」に依らなければならず、北鮮の武力介入が「単に民族の統一・人民の解放のためには武力行使も是認されるべきであるとしたら、旧日本軍閥が東亜民族解放のために野蛮な戦争に訴えた暴挙を、誰が非難し得るであろうか」といい放っている。

 この考え方の中に、寒村の国家の独立の尊厳、内政不干渉の原則尊重がはっきり打ち出されている。そして、この考えは、国家の自衛権に連結していく。社会主義者が現在でも逡巡している自衛権について、寒村は早くも昭和二十六年春に、はっきりと、自衛権をうたい、次のようにいいきっている。

 われわれの自衛権とは、日本が他国から武力による侵略をうけた場合、独立と自由とを守るために武力に訴えて戦かう、自己保有の権利である。
 日本が現実的、具体的に他国の侵略を受けた場合には、国民の自発的な義勇兵部隊を編成する。そして日本が自由と独立を守って戦う上に、いかなる国の軍事的援助も拒まない(著作集第四巻)

 寒村の自衛権とは、アメリカの軍事的従属から脱し、国家の自主独立を獲得するためには、自衛力を具備しなければならぬ、そのことによってのみ国際的な戦争下に中立を維持しうる可能性があるとしていた。寒村の恐れたのは、観念的な非武装国家論が、「ブルジョアジーの反動的な旧体制再軍備の実現」や「口に平和を唱えて軍事行動の実を行う日本共産党」を援助することにあった。(中略)

 寒村は、北方領土がソ連に占領されている現実や、ソ連の対外拡張行動の歴史的事実を引用して、社会主義国の軍隊は不侵略の平和を守る軍隊、資本主義のそれは、帝国主義的侵略軍というカテゴリカルな、むしろ事実に反する教条的解釈にはげしく反駁した。
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 以上は、現在と時代も違うしそのままではあてはまらない。しかし、当時の社会主義者からは異端と見られ、顧みられなかったのであろう。当時の主流派がその後の社会主義運動をを主導したため、健全な社会主義(ヨーロッパに見られるような)が育たず、左派の衰退を招いたのではなかろうか。

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2013年2月19日 (火)

『北越雪譜』

Dscf3777  衰えを見せぬ寒波。連日のように伝えられる日本海側の大雪。TVが伝えてもそこに住む人の人情が伝わらないのは、天保の昔も今も変わらない。

 雪国の自然と経済的・文化的格差。現代版『北越雪譜』を鈴木牧之にかわって著述する人がいてもいいと思うのだが。

 凡(およそ)日本国中に於て第一雪の深き国は越後なりと古昔も今も人のいふ事なり。しかれども越後に於も最雪のふかきこと一丈二丈におよぶは我住魚沼郡なり。(中略)

 さて我塩沢は江戸を去ること僅かに五十五里なり。直道を量ばなほ近かるべし。雪なき時ならば健足の人は四日ならば江戸にいたるべし。其江戸の元日を聞けば(中略)初日影花やかにさし昇りたる、実に新玉の春とこそいふべけれ。

 其元日も此雪国の元日も同元日なれども大都会の繁華と辺鄙の雪中と光景の替りたること雲泥のちがひなり。

『校註北越雪譜』野島出版、より

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2013年2月18日 (月)

17年前の原発NO

 新聞の切り抜きということをしなくなってもう何年たつだろう。資料箱をすこし整理しなくては、と思ってファイルをパラパラとめくったら、「『ヤミ族』改名と原発建設」という毎日新聞・黒尾透記者のコラムが目についた。

 欄外には「1996年9月の日曜クラブ付録」とある。第一次橋本内閣の時代で17年前に当たる。塾頭が切り抜いた理由は”原発”の方でなく”ヤミ族”の方であり、次の記事冒頭部分である。

 台湾の少数民族「ヤミ族」の人と東京で会った。正確には「タオ族」という。タオとは現地の言葉で我々の意味という。(中略)タオ族が住む蘭嶼(らんゆ)島は台湾の南端から東へ約70㌔にある、面積45平方㌔の小島。

 塾頭は当時、「魏志倭人伝」など中国文献に現れる「倭(わ)」が、なぜそう呼ぶようになったのかを知りたかった。もしかして中国人に「君国は自らを何と称するや?」と問われて「即ち”わ(我・吾)”という」などと答えて「倭国」になったのではないかとも考えた。

 頭の片隅に、タオ族の話をどっかで見たような気がしたが、活字資料を持っているわけではない。そこで同記事のクリッピングにおよんだわけである。しかし、記事の主要部分を読み返してみて、改めて今日の朝刊に出してもおかしくない今日的テーマであることに気がついた。

 黒尾記者の警鐘を真剣に受け止めていれば、福島原発事故は起きなかった。塾頭が原発推進派であったことは一度もないが、深く気に留めず、別件でクリッピングしたということについてはいささか慚愧な思いがする。

 記事は、タオ族がヤミ族と変えさせられたのは、100年前の日本の植民地政策によるものであり、最近は漢民族により、島内に核廃棄物貯蔵施設を作らされてことを述べ、その反対運動に立ち上がった島民代表(王さん)から取材したことを記す。

 以下長くなるが、今日の状況に照らし、17年前から一歩も進歩していないことを示すため、その後半部分を引用させていただくことにする。

 王さんは「我々は常に他民族に支配されてきた。核廃棄物の貯蔵施設も漢民族が我々に押し付けた施設だ」と憤る。

 王さんらを日本に呼んだのは、青森県の六ヶ所村に建設が進む核燃料サイクル施設に反対するグループ。以前、六ヶ所村や原子力船「むつ」を取材していた関係で、知り合いになった。

 六ヶ所村ではかつて核燃施設の建設をめぐり、村民が建設賛成、反対に二分した。国の原子力施設の根幹を議論するだけに、六ヶ所村の村長選は全国ニュースの扱いだった。これに対し、建設推進派の土田浩村長は選挙の度に「国のエネルギー政策を1万人の村民の投票結果だけで決めるのはいかがなものか」と語っていたのを思い出す。

 アジアで反原子力活動を行っている市民団体「ノーニュークス・アジアフォーラム」の前野良代表は「フランスのムルロアや中国のロプノルなど、世界の核実験は先住民族の犠牲のもとに行われた」と話す。この話は台湾ではそのままタオ族のことに当てはまる話だ。

 原船「むつ」にしても、最初は横浜市に母港化を打診したが、断られたために青森のむつ市に持っていった船である。国は原子力施設を地方に押し付けたと言っても過言ではない。このつけが、8月に行われた新潟県巻町での原発建設の是非を問うた住民投票の結果に反映されたと思う。町民は原発建設にノーの意志を表明した。これを機会に、原子力依存のエネルギー計画を練り直してみてはどうだろう。

 原発がある地方では原子力についての議論は活発だが、首都圏の一般市民で原子力のことを真剣に考えている人がどれほどいるだろう。国の基本政策であるエネルギー開発を、日本人全体で考える時期がきている。特に電力消費が多い、首都圏での議論が必要だ。「東京に原発を」。今こそ東京湾にでも建設計画を示してみてはいかがか。

 きっとかんかんがくがくの議論が出てくるた゜ろう。

  もう一度いうが、これは17年前の新聞に載ったことである。地方軽視は沖縄米軍基地問題もそうだが、こんなことを何度繰り返しても、いずれ国策の中に埋没させてしまうのだ。日本人の感性はどこまで劣化していくのか。この茶色に変色した切り抜きが鋭く追及しているようにみえる。

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2013年2月16日 (土)

安倍改憲に立ち向かうには

 憲法9条を改正して軍創設を狙う安倍内閣の支持率が70%を超えるとか、大学生の改憲支持や核武装賛成が多数派になった話を聞くと、ここ数年で「反戦塾」の旗色は目に見えて悪くなったと感じる。

 どうしてそうなったのだろう。書き込みのなかには「そもそも右傾化は左翼の責任ではないか」という意見もある。塾頭もそう感じることがすくなくない。反戦=護憲=左翼という連想から、先入観でこのブログが読まれるのも困る。

 かといって「反戦塾」のタイトルを変えたり、左翼にあらずとことさら否定する気にもなれない。強いていえば「戦後焼跡派左翼」であり、そのあとの全共闘とか新左翼などというものに全く縁がない。右傾化が進んだ一因は、共産党・社民党をを含め、「革新」と称する最も保守的な教条主義がどこかに巣くって災いをしているのではないか。

 そのうえ、民主党や自民党のリベラル勢力というのも空中楼閣であることがわかった。右傾化する党を割ってでも信念を貫こうという気迫はない。こういったいわゆる「護憲勢力」が仲間内だけに閉じこもり、右翼陣営の主張や若者の疑問に答えてこなかったのが原因ではないか。

 もう一つの外的要因は、もともと内政問題であった侵略戦争への反省や首相の靖国参拝を国際問題に転化させてしまったことである。中国や韓国に対し、内政干渉とならないよう抗議すべきところ、それを怠った。中には、「内政干渉」とは思っていない左翼もすくなからずあったはずだ。その点、冷戦時代の発想をそのまま引きずっているといわれてもしかたない。右派論客が持つ欠陥と全く同じだ。

 日本国内でも中国人による凶悪事件や毒入り餃子の責任回避、そしてデモによる破壊行為などに端を発し、最近の東シナ海の軍事対立から大気汚染に至るまで中国のイメージが史上最悪といっていいほど悪化した。

 右翼のいう特亜(中国・南北朝鮮人)に対するレイシズム(人種差別)的機運は食い止めようがく、ネット右翼の恰好な餌食となり、いくつかの雑誌はこれを助長することで売り上げを伸ばした。これらは右翼指導層の総本山「日本会議」ですら、想定できなかった現象ではないか。

 それでは、護憲派はなにをすればいいか。それは一言でいって自民党以上に安全保障問題に深く頭を突っ込み知識のレベルを上げることである。平和は、誰でも望んでいることである。それに至る早道を示すことができなくては到底若い人を説得することができない。

 以下は、素人の思い付きを雑多にあげものだが、こういったことに本腰で取り組まなければ現状の変化は望めない。

①改憲に対し独自の改正案を用意すること。これは9条の精神をより強化・明確にする案をもてばいい。
②自衛隊の役割と任務を再確認し、装備や編成に深く関与すること。この中で中国・北朝鮮への危険回避策や武器輸出3原則、核開発や核技術の在り方を議論すればいい。

③日米安保と在日米軍基地の在り方を根本的に見直すこと。この中で、米軍の肩代わりを自衛隊が担うとすれば上記②の議論となる。
④国連との関連や外交戦略、情報管理、国際貢献の在り方の議論を深める。

⑤近隣諸国との恒久的平和戦略(共同体等の)の検討。
⑥護憲のメリットと改憲の戦前回帰の危険性の宣伝・キャンペーン、および内外に呼びかける平和憲法推進プログラム作成。

 ひとつだけ付記すると「集団的自衛権」容認は、現憲法を維持したままアメリカの軍事的属国になってしまう危険があるので、これとは別に断乎反対の態度をゆるめてはならない。

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2013年2月14日 (木)

愛着と愛情

塩原通緒訳、ダライ・ラマ14世『世界平和のために』ハルキ文庫、より。

私の西洋人の友人の中には、愛着をとても大事なものだと考えている人がいます。それがないと、人生が味気ないものになると思っているかのようです。愛着と愛情は区別されるべきでしょう。愛着より執着といったほうがいいかもしれませんが、これは悪い欲望であり、一方の愛情は、ほかの人の幸福を願う善い資質です。

 執着には偏見があります。これが私たちの意識を狭めてしまうので、状況の本当の姿が見えなくなり、しまいには不要な問題を起こしてしまいます。怒りや憎しみなどの否定的な感情と同様に、執着も有害なものです。

 私たちはもっと釣り合いのとれた意識を維持するように努めるべきでしょう。といっても、感情をもつなとか、なにごとにも無関心でいろというのではありません。私たちは、これは善くて、あれは悪いと認識することができます。それなら悪いものを退け、善いものを増やすように努めればいいのです。

 

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2013年2月13日 (水)

北朝鮮核実験で打つ手なし

 北朝鮮は3回目の核実験をやらかした。塾頭は去年のミサイル発射に「人工衛星打ちあげ成功オメデトウ」と言っておけばいいと皮肉ったが、今度はそうはいかない。自ら核兵器の技術開発に成功、と発表しているのだから平和利用の口実は一切通らない。

 中国も今度はあいまいにできないだろう。自国の軍隊を手なずけるのに精いっぱいなところへ、北まで面倒を見る余裕はない。今のところ両国の軍の微妙な関係から「制裁を科す」とまで言っていないが、いずれ「勝手な真似は許さない」ということになりそうだ。もともと両国は心底仲がいい間柄ではないのだ。

 アメリカにはもう一つ、イランに核開発問題がある。似てるようで全く違うのは、イランにはイスラエルというはっきりとした敵対国があり、イスラエルがそれを中止させるため空爆するという危険があるということと、同じようにドイツなどを含む6か国協議があって話し合いの場を残しているということだ。その点、北は全く世界で孤立する道を選んでしまった。孤立というのは決して安全を意味しない。

 アメリカに届くミサイルといってもアメリカ本土に打ち込む力はない。理論上可能であっても、ロシアとかアラスカ・カナダの上空を飛ばすことになる。日本には、アメリカに向けた弾道ミサイルも撃ち落とせないようでは困るから「集団的自衛権を」という議論があるが、これを称して「的外れ」という。

 ロシアは許さないだろうし、迎撃ミサイルならアラスカに設置する所はいくらでもある。それより前に、発射の前後に海軍を使ってミサイルを撃破することなど簡単だ。だから、アメリカが北朝鮮の脅しに屈服するようなことなどない。

 北朝鮮は「核抑止力を持つことができた」といい、「攻撃力」とは言っていない。北を侵略するとすれば韓国による武力統一しかない。「抑止力」が働くとすれば韓国に限られるはずだ。ということは即、同盟国で基地を置いている米軍を指すことになり、日本も埒外ではない。

 韓国は敏感にそれに反応している。まず毎日新聞の2月13日付け朝刊より。

 【ソウル西脇真一】3度目の核実験強行を受け、韓国では北朝鮮が李明博(イ・ミョンバク)大統領から朴槿恵(パク・クネ)氏への政権移行期を狙い追加挑発に出る可能性もあるとみて、韓米両軍などが厳重な警戒態勢をとっている。李大統領は核実験実施から約1時間後の12日午後1時、国家安全保障会議を緊急招集。その後、朴氏とも緊急会談し対応を協議した。

 国家安全保障会議終了後、青瓦台(大統領府)の千英宇(チョン・ヨンウ)外交安保首席秘書官が「政府声明」を発表。北朝鮮の核実験強行を非難すると同時に、「現在開発中の北朝鮮全土を射程圏に収めるミサイルを早期に配備するなど軍事的影響を拡充させる」と、北朝鮮を強くけん制した。

 このミサイルの射程距離は800Kmだという。北朝鮮には日本全土に達する中距離弾道弾ノドン、一説によれば280基がすでに配備されているという。この方がはるかに危険で、本塾でも過去再三指摘してきた。

 しかし、これに対する日本の姿勢は明確にされていない。安倍首相が今回国会で答弁したことは次のようなものである。(2月13日(水)1時32分配信 読売新聞

 安倍首相は12日に行われた衆院予算委員会の集中審議で、北朝鮮の弾道ミサイルに対処するための「敵基地攻撃能力」について、「国民の生命と財産を守るために何をすべきかという観点からは、様々な検討を行っていくべきだ」と述べ、検討の必要性に言及した。

 首相は「他に手段がないと認められるものに限り、敵の誘導弾などの基地を攻撃することは憲法が認める自衛の範囲内に含まれる」と従来の政府見解を踏襲。「敵基地攻撃能力を保有することは現時点では考えていないが、憲法上は許される」とも指摘した。

 「検討の必要性」とは、韓国に比べてなんとものんきな話だ。在日朝鮮人団体の役員再入国禁止が「制裁措置」強化だという。いずれもアメリカさまにすがっていればそれでよし、とする自主性のない態度だ。

 上の答弁も、憲法9条を変えて他国を侵略できる国にしようとする安倍自民党が言うから断乎反対なので、国是として9条の精神を維持しきるという政治のもとにあってこそ許されることがらであろう。

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2013年2月11日 (月)

木の花は

木の花は、濃きも薄きも、紅梅。
       (清少納言『枕草紙』)

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2013年2月 9日 (土)

レーダー口撃「撃ち方止め」

 前回のエントリ「中国も困っている」では、「習総書記・軍事委員会主席が選択できる方法は、大きく二つに分かれる。ひとつは、今回の事件が国際的に中国の威信・信用を大きくそいだということで、指揮した責任者を処罰する、もうひとつはことをあら立てず黙殺するということだ」と書いた。

 その後の中国当局の発言をみると「顔に泥を塗った」「事実と異なるねつ造」(外務省)、自衛隊と遭遇したことを認めながらも「火器管制レーダーは使用していない」(国防省)などに加え、日米同盟強化を狙った国際プロパガンダであるという主張になっている。

 しかも、日本側の指摘から3日も時間を空けている。これは、上述の二者択一のうち後者の「黙殺」を選んだものと思われ、例により口汚いののしりや攻撃的用語をちりばめているが合理的反論としては弱い。連日のようにあった尖閣周辺の水域での挑発行動が、事件後はストップしているというから、軍を中心にかなりのリアクションがあったと考えるのが至当である。

 マスコミや関係筋による「中国中枢部の意向を受けたものではなく、軍下層部の跳ね上がり行動」という推測もほぼ定着してきた。党による文民統制をいかに確立していくかが習首脳部にとって大きな課題となるが、そのためには、日米韓などの軍事的圧力の強化や、日本の右傾化(靖国参拝などの)などで中国国内が不安定化すること極力避けなければならない。

 つまり、反日デモなどで軍強硬派の発言力を強めてはならないのだ。前回も指摘したが、来月行われる全人代を控えて、中国指導部にとってはまさに正念場に差し掛かっている。このような時、小野寺五典防衛相は今日午前、読売テレビで海上自衛隊護衛艦への射撃管制用レーダー照射を全面否定したことについて、証拠データの開示を検討するという意向を表明した。

 これは、中国政府の「黙殺」方針を荒立てようとする行為に他ならない。中国は「顔に泥を塗るようなことはしないでくれ」、と「周章狼狽」から「哀願」調になってきていることを察しなければならない。

 中国は「それが本当なら証拠を見せろ」などとは決して言わない。万一どっかが言ってきても「それは自衛隊の軍事秘密もあるのでできない」と応ずるべきだ。小野寺氏も外務省の経験を持つ人だ。当然そんな配慮はあるだろうが、国内あるいは閣内の右寄りタカ派向けのポーズだと見る。

 前回、習総書記にも花を持たせるべきだ、と書いた。本件の果てしない「口撃」合戦は、「撃ち方止め!」の号令を安倍首相が今下か時に来ている。オバマへの「みやげ」は、一円のカネもかからずこれが一番だろう。

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2013年2月 7日 (木)

中国も困っている

 30日に起きた中国艦の自衛隊に向けたレーダー照射について、7日の19:30現在中国当局の最も新しい反応は次のようなものだ。

北京 7日 ロイター] 中国外務省の華春瑩報道官は7日の定例会見で、東シナ海の公海上で中国海軍の艦船が海上自衛隊の護衛艦にレーダー照射したとする日本側の指摘について調査していると述べた。

華報道官は「中国の関連当局が現在、真剣かつ厳粛な調査を実施している」と発言。また、「日本は最近、意図的に危機をあおり、緊張をつくり、中国のイメージをおとしめている。これは両国関係を改善しようとする努力と全く逆の行為だ」と述べた。

中国国防省は今のところ、日本側の指摘についてコメントしていない。

 中国外務省の昨日の会見は「事実を確認していない。報道で初めて知った。そのことは関係機関に聞いてくれ」だった。こういった中国の反応は極めて珍しい。意地悪い言い方をすると、「周章狼狽」といった感じになる。

 海外向けに強硬姿勢をばらまく「環球時報」は、早速社説なるものを載せているが、日本が尖閣海域で軍事行動を繰り返しており、今回もことさら際立てて内外に発表、緊張を高めている、といった例により問題の本質をはずし日本の責任にしている。日本側が照射されてることをキャッチした警報音を、敵対行動ととるお粗末さだ。

 これらを通してみると、今回の事件はどうやら習総書記など首脳部の意向ではなく、軍部または末端の勇み足である可能性が強い。だからといって安心できるかと言えば結論は逆だ。このさき首脳部はどう動くだろう。

 習総書記・軍事委員会主席が選択できる方法は、大きく二つに分かれる。ひとつは、今回の事件が国際的に中国の威信・信用を大きくそいだということで、指揮した責任者を処罰する、もうひとつはことをあら立てず黙殺するということだ。

 前者は、軍末端の志気を失わせ、解放軍の威信を傷つけるということで猛反発を受けるだろう。来月には全人代(全国人民代表者会議)が開かれ習氏の国家主席以下閣僚人事が決まる。習氏としては軍部を敵に回すことを避けたい時期だ。

 宣戦布告は国家主席の権限だが、戦闘行為は宣戦布告なしでもできる。習主席はなんとしても軍を把握して文民統制の実を上げなくてはならない。尖閣を巡って軍は何時でも開戦できる準備が整っている。末端はその時期を探って日々行動している状態だ。

 後者の黙殺戦術はどうだろう。末端は「あの程度のことではおとがめを受けることがない。それならばより過激なことをして、手柄にしよう」と思うだろう。これは習主席の文民統制をあやうくするだけではなく、国家の存亡にもかかわる。

 これを乗り切るためには、党内に確固不動の支持勢力を持ち、国民の不満を鬱積させない施策が必要だ。しかし、いずれも心もとないような気がする。もう一つの可能性として、軍部内の対立を巧みに利用するという方法がある。

 以上いずれを見ても、戦前の日本に似たような状況があったわけで、決して戦争を避けられるという確固とした条件下にあるとは言いかねるのだ。前胡錦濤主席の時代、酒の席で酔って主席にからんだ軍幹部がおり、その幹部は今も健在だという(毎日2/7)。軍規の乱れも相当なものらしい。

 ただひとつ言えるのは、敵がなければ戦争にならない。安倍政権としては、習氏に花を持たせることも考え、国際的な支持のもと中国好戦派の野心をどうそらすかにも注力してほしい。

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2013年2月 6日 (水)

昭和一ケタ世代

 昭和一ケタ世代に骨の髄まで沁みこんでいるのは国家の崩壊感覚である。大日本帝国の権威、権力の脆さ、はかなさ、そして何よりも、その無責任さを否応なくこの世代は心の底に灼きつけたのであった。

 その反動として、一ケタ世代のユートピア幻想はたえずふくれあがる。夢が現実によってくりかえし破壊されても、夢を追いつづけ、その夢で現実を打ち返す営為を戦後三十余年、休みなくつづけてきたのである。

 戦争中の精神の窒息状況に対する無限の自由への憧れ、いささかの管理をも生理的に嫌悪する体質、そして高度経済成長下にはぐくまれた傲慢な浪費の美徳称揚にたいする絶対否定、節倹称揚の精神などは、一ケタ世代に不思議ともいえる思想の共通性を与えている。

菊地昌典『歴史と想像力』筑摩書房(1988)、「第一部 戦争体験と文学、二、2 『生誕の時を求めて』」より。

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2013年2月 4日 (月)

美輪明宏連想

 去年の紅白に初出場した美輪明宏が、「よいとまけ」を歌って若者に爆発的人気を呼んでいるそうだ。こんな古いものでも若い人の共感を呼ぶものかなあ、と感心した。1950~60年代のいつ頃か、当時丸山明宏と名乗っていた彼の歌を聞きに行ったことがある。

 銀座通りの松坂屋側を東に入った小さなビルの地下1階、「銀パリ」というシャンソン喫茶だ。彼の女装はもっとあとのこと、男装で「メケメケ」などを歌っていた。ジャズ、シャンソンがはやりで、日劇地下あたりでロックンロールが芽生え始めた頃だ。

 シャンソンを軸に、バリ祭、モンマルトルなどを映像・音楽を通じて想像し、植民地だったアルジェには、狭い石畳の坂の先に光る地中海の海と歌謡「カスバの女」を重ね合わせた。そのイメージとは全く無関係な産油国・アルジェリアを仕事の関係で知る。

 アルジェリア原油は、良質なガソリンが得られる最も高い原油だ。主にヨーロッパ向けで、運賃のかさむ日本では買えない。逆に硫黄分が多いサウジやクエート産の中東原油は、積出し価格が安いため欧米にも行っていたが、スエズ動乱で運河が封鎖され、その影響を受けなくなったアルジェリア原油が未曾有の高値をつけた。

 今回、人質事件で日揮の社員が犠牲になった奥地の現場は、地中海沿岸とは全く別の国のような茫漠たる砂漠地帯だ。日本のマスコミの中には、アフガンやパキスタン北西部と同一視し「アルカイダの一派で、アメリカに協力する日本人が狙われた」とするものがあるが俗説だ。

 アルジェリアは豊かで賢い国だ。今回のような事件が再発することはあるまい。47年もの長い付き合いのある日揮は、落ち着いたところでまたアルジェリアとの友好協力関係を築いて活躍してほしい。美輪明宏からとんでもない方向へ飛び火してしまった。

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2013年2月 2日 (土)

米、安倍内閣にも「ひじ鉄」か

 やはり憂慮すべき(当塾にとっては歓迎すべき)機運が漂ってきた。当塾1月16日付の記事は「アメリカ、イギリスにひじ鉄」である。日本もこうなるのではないかということを予測したものだ。
http://hansenjuku.cocolog-nifty.com/blog/2013/01/post-06a2.html

 下記はそれを裏付けるような共同通信の報道で、安倍首相らの集団的自衛権解禁指向に冷水を浴びせる可能性がある。

 アメリカには、ブッシュ政権時代から対日本外交をを仕切ってきた「知日派(親日派ではない)」やネオコンまがいの有力者もすくなくないので、このとおりに事態が進展するとは限らないが、このところ沈黙し続けている日本のリベラル派政治家やジャーナリストなどは、オバマ支持の声を上げる絶好のチャンスだ。

2月2日(土)2時0分配信・共同通信

 2月に予定されている日米首脳会談に向けた事前調整で、米国が日本の集団的自衛権行使容認へのオバマ米大統領の支持表明は「中国を刺激する懸念がある」として難色を示していることが1日、分かった。複数の日米関係筋が明らかにした。会談で大統領の支持を得て、同盟強化を内外にアピールしたい安倍晋三首相が会談に向けた戦略練り直しを迫られるのは必至の情勢だ。

  関係筋によると、日本政府は同日までに、東京とワシントンの外交ルートを通じ、集団的自衛権の行使を可能とするため憲法解釈見直しを目指す首相の姿勢への理解と協力を米側に打診。

http://www.47news.jp/CN/201302/CN2013020101002316.html

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2013年2月 1日 (金)

反戦塾乗13/2/1

女子柔道界の暴力沙汰
 体罰については、先月1月13日に書いた、”「ビンタ」を深刻に考える”が先行するが、事件は全く別であるものの共通性を感じる。柔道の監督はオリンピック選手に対して「日の丸を背負って……」と声を励まし体罰を加えたという。

 言ったことではない、やはり旧日本軍の伝統ではないか。戦場で国旗・聯隊旗を無くした場合は死んでお詫びすることになっていた。さらにひとつ。TVの街頭取材で若い娘さんが「昔の人の常識かも知れないけど……」と言っていたことだ。

 これは違う。日本は敗戦で軍隊もなくなり新憲法を押し付けられた。しかし、軍のやり方を否定し、基本的人権が憲法で保障されたので、当然リンチのようなことは暴力団をのぞいて日本からなくなった。それがいつから変わったのか塾頭は知らない。多分安倍首相が嫌う「戦後レジーム」の期間が終わってそうなったのだろう。

 さらに重大問題になって来たことがある。日本人の欠点、国際感覚にうといことだ。ニュースが世界中に報道され、このまま東京オリンピック開催が可能だと思っていることだ。国際世論やIOC評価委員会から×印が下される前に、反省の意をこめて開催申請を取り下げ、次の次以降を狙うことしかない。それで国際世論が納得するかどうかは疑問もあるが、すくなくともそれが最低限必要なことであろう。

ナチュナル・ガス
 ナチュラル=自然・天然のガスといっても「自然エネルギー」には入れてもらえない。しかし、原子力エネルギーにとって代われる環境にやさしいエネルギーとしてますます有力になった。これは先月21日、「シェール革命がやってきた」で書いたことの追加である。

 ウクライナがシェール・ガス開発に乗り出すことになった。開発の担い手は、英・蘭資本のメジャー、日本でもおなじみのシェルである。もちろんアメリカでも仕事をしている。これで頭に来たのがロシアである。

 ウクライナは、天然ガスの国内需要の6割をロシアからパイプラインで購入する。価格はロシアの言いなりで抵抗するとガスを止められてしまう。今回も、シェールをやるなら100億ドルの違約金(罰金)を払え、と脅かされているらしい。

 しかし、そんなことが通用するはずはない。ロシアは日本・韓国に新たな市場を開拓するためニコニコ顔で言い寄ってくるだろう。原油相場にリンクする価格でLNG輸入するような電力会社には、決して買付をまかせられない。

 電力8社は30日、3月の電気料金を標準価格で3~36円値上げすると発表した。原油の輸入価額が上昇しているため。
 東京ガスは液化天然ガス(LNG)の下落を受けて標準家庭の料金を2月より3円引き下げて5369円とする。まるで逆じゃないか

(この項「毎日新聞1/31」を参照)

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