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2013年2月18日 (月)

17年前の原発NO

 新聞の切り抜きということをしなくなってもう何年たつだろう。資料箱をすこし整理しなくては、と思ってファイルをパラパラとめくったら、「『ヤミ族』改名と原発建設」という毎日新聞・黒尾透記者のコラムが目についた。

 欄外には「1996年9月の日曜クラブ付録」とある。第一次橋本内閣の時代で17年前に当たる。塾頭が切り抜いた理由は”原発”の方でなく”ヤミ族”の方であり、次の記事冒頭部分である。

 台湾の少数民族「ヤミ族」の人と東京で会った。正確には「タオ族」という。タオとは現地の言葉で我々の意味という。(中略)タオ族が住む蘭嶼(らんゆ)島は台湾の南端から東へ約70㌔にある、面積45平方㌔の小島。

 塾頭は当時、「魏志倭人伝」など中国文献に現れる「倭(わ)」が、なぜそう呼ぶようになったのかを知りたかった。もしかして中国人に「君国は自らを何と称するや?」と問われて「即ち”わ(我・吾)”という」などと答えて「倭国」になったのではないかとも考えた。

 頭の片隅に、タオ族の話をどっかで見たような気がしたが、活字資料を持っているわけではない。そこで同記事のクリッピングにおよんだわけである。しかし、記事の主要部分を読み返してみて、改めて今日の朝刊に出してもおかしくない今日的テーマであることに気がついた。

 黒尾記者の警鐘を真剣に受け止めていれば、福島原発事故は起きなかった。塾頭が原発推進派であったことは一度もないが、深く気に留めず、別件でクリッピングしたということについてはいささか慚愧な思いがする。

 記事は、タオ族がヤミ族と変えさせられたのは、100年前の日本の植民地政策によるものであり、最近は漢民族により、島内に核廃棄物貯蔵施設を作らされてことを述べ、その反対運動に立ち上がった島民代表(王さん)から取材したことを記す。

 以下長くなるが、今日の状況に照らし、17年前から一歩も進歩していないことを示すため、その後半部分を引用させていただくことにする。

 王さんは「我々は常に他民族に支配されてきた。核廃棄物の貯蔵施設も漢民族が我々に押し付けた施設だ」と憤る。

 王さんらを日本に呼んだのは、青森県の六ヶ所村に建設が進む核燃料サイクル施設に反対するグループ。以前、六ヶ所村や原子力船「むつ」を取材していた関係で、知り合いになった。

 六ヶ所村ではかつて核燃施設の建設をめぐり、村民が建設賛成、反対に二分した。国の原子力施設の根幹を議論するだけに、六ヶ所村の村長選は全国ニュースの扱いだった。これに対し、建設推進派の土田浩村長は選挙の度に「国のエネルギー政策を1万人の村民の投票結果だけで決めるのはいかがなものか」と語っていたのを思い出す。

 アジアで反原子力活動を行っている市民団体「ノーニュークス・アジアフォーラム」の前野良代表は「フランスのムルロアや中国のロプノルなど、世界の核実験は先住民族の犠牲のもとに行われた」と話す。この話は台湾ではそのままタオ族のことに当てはまる話だ。

 原船「むつ」にしても、最初は横浜市に母港化を打診したが、断られたために青森のむつ市に持っていった船である。国は原子力施設を地方に押し付けたと言っても過言ではない。このつけが、8月に行われた新潟県巻町での原発建設の是非を問うた住民投票の結果に反映されたと思う。町民は原発建設にノーの意志を表明した。これを機会に、原子力依存のエネルギー計画を練り直してみてはどうだろう。

 原発がある地方では原子力についての議論は活発だが、首都圏の一般市民で原子力のことを真剣に考えている人がどれほどいるだろう。国の基本政策であるエネルギー開発を、日本人全体で考える時期がきている。特に電力消費が多い、首都圏での議論が必要だ。「東京に原発を」。今こそ東京湾にでも建設計画を示してみてはいかがか。

 きっとかんかんがくがくの議論が出てくるた゜ろう。

  もう一度いうが、これは17年前の新聞に載ったことである。地方軽視は沖縄米軍基地問題もそうだが、こんなことを何度繰り返しても、いずれ国策の中に埋没させてしまうのだ。日本人の感性はどこまで劣化していくのか。この茶色に変色した切り抜きが鋭く追及しているようにみえる。

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