« 雪↓・野菜↑ | トップページ | 右傾化するイスラエルと日本 »

2013年1月16日 (水)

アメリカ、イギリスにひじ鉄

 安倍首相は今日16日午前、東南アジア歴訪に旅立った。狙いは「価値観外交」の売り込みである。それをいけないとは言わないが、あまり中国との対立を際立たせない方がいい。民主党内閣で失った日米関係の信頼を回復をうたい、早期実現を期待した首脳会談の日程がまだ決まらないのだ。

 アメリカのオバマ大統領は、国防長官に野党・共和党のチャック・ヘーゲル元上院議員を指名した。ブッシュ前政権時代にイラク戦争を批判し、核兵器廃絶への現実的道筋を追求してきた氏の実績からも、オバマ第2期のハト派指向を鮮明にするものという印象を持ったことは、先週の「粗雑な安倍流集団的自衛権」という記事に書いた。

 また、クリントン国務長官の後任には、ジョン・フォーブズ・ケリー氏を指名した。彼はベトナム歴戦の勇士で数多くの勲章を持つが、それを返納や放棄して反戦運動の先頭に立つといった経歴を持つ。日本の自民党などでは考えられない人選だ。

 アメリカの後ろ盾さえあれば、東アジアで孤立しても強がりが言える、というのは国益と実利優先のアメリカにとって、内心迷惑なのではないか。それとやや似たことがイギリスにもあるようだ。イギリスはECに加盟しているがユーローを使わずポンドを維持している。

 そのため、債務危機を機にユーロ圏諸国が統合を深める一方、英国など非ユーロ圏諸国が置き去りにされているとの危機感がこのところ深まっている。EUに反対または「対EU関係の変更」を主張する意見は、保守層を中心に以前からあった。
 
 そういったイギリスの反EU派は、EU離脱後、米国との「特別な関係」で生き残ろうと考えているが、当の米国は冷淡だ。ゴードン米国務次官補(欧州担当)は9日、「英国がEUの内部で影響力を持つことを望む」と述べ、「EUが内向きな議論に力を入れるほど、統合が難しくなる」と異例の警告を発した。

 毎日新聞は、これを「ひじ鉄を食らわされた格好だ」と表現している。安倍首相には「ひじ鉄を食わされない」だけの賢明さがあってほしいが、前記事の結論と同じで「彼にとってはかなり無理な注文」ということになりかねない。

|

« 雪↓・野菜↑ | トップページ | 右傾化するイスラエルと日本 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/468248/48782015

この記事へのトラックバック一覧です: アメリカ、イギリスにひじ鉄:

» ジョセフ・ナイ教授の心配事 [逝きし世の面影]
『日本の弱点をもっとも知り尽くしている男』 今日1月17日は史上初めての震度7を記録した阪神大震災の18周年である。直下型地震発生で信頼感が高かった新幹線や高速道路やビルが倒壊し人口で福島県に匹敵する大都市がほぼ壊滅している。 3・11東日本大震災発...... [続きを読む]

受信: 2013年1月17日 (木) 09時00分

« 雪↓・野菜↑ | トップページ | 右傾化するイスラエルと日本 »