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2013年1月11日 (金)

中国の新聞スト

 広東省の地元紙、「南方週末」の言論弾圧事件がいろいろ報道されている。憲法に規定された人身の自由など人権問題を掲げた論説で、タイトルは「中国の夢、憲政の夢」という、穏健だがやや皮肉を込めた意図が広東省共産党宣伝部長の逆鱗に触れたのだろう。

 記事は強引に差し替えさせられた。これを暴挙と見なした記者たちは、ストで答えた。北京の「炎黄春秋」という雑誌でも、同様な言論干渉が問題になった。党は、事件の拡大を抑えるため地元の党委員会書記(地元・トップ)などが宣伝部長更迭を含む大幅な妥協案を示し、沈静化に成功したようだ。

 この件は、日本の各紙に経過が報じられているが、上述の党幹部の実名や政治的内情など、中国報道にしては克明な描き方になっている。毎日新聞の10日付コラム「木語」(金子秀敏専門編集委員)では、次のように踏み込んだ。 

香港メディアは、言論弾圧の黒幕は党中央にいると書いている。政治局常務委員の一人で、党中央書記局を握る劉雲山(りゅううんざん)・常務書記(副総書記に相当)のことだろう。前は中央宣伝部長だった。党宣伝部は言論や思想の統制が仕事だ。

 情報の隠匿や操作に限界が生じつつある中国の実態がうかがえるが、金子編集委員は党内権力闘争の一環ととらえている。さて、日本ではどうか。大手中央紙のなかに、自己規制、内部検閲が働いていないと言い切れるかどうか。「中国より閉鎖的」とならないよう願いたいものだ。

 次の年表(『20世紀年表』小学館より)は、新聞記者の戦後の意気込みを示すもので、この傾向はほぼ1年近く続いた。「反GHQ」ではないことをお断りしておく。参考までに。

・1945年9月10日 GHQ、「言論及び新聞の自由に関する覚書」公布、占領軍などに関し報道制限。
・10月9日 GHQ、東京の5大新聞の事前検閲開始。
・10月23日 読売新聞社従業員大会、社内の戦争責任者の退陣と社内民主化を決議して争議(第一次読売争議。生産管理戦術採用)。

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