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2012年12月 4日 (火)

笹子の安全神話

 かつて、「飛行機?、あんなカネでできた重てえものが落ちてこねえわけがねえ」というのを枕に使った落語家がいた。笹子トンネルで天井板崩落という痛ましい事故が起きた。塾頭は土木・建築のことなど一切勉強したことはない。素人なりに感じた大きな疑問は、トンネル上部のコンクリートにアンカーボルトを打ち込んで重い天井板を吊り下げていたという構造だ。

 アンカーとは碇のことである。アンカーボルトは、コンクリートの基礎や床に柱とか機械などが動いたり倒れたりしないようにするための金具である。つまり船の「いかり」と同様な機能を持たせたもので、ナットを噛ませるために刻んであるギザギザだけで重量物を吊り下げるという使い方は、どうみても不自然だ。

 自然の摂理から見ても抜け落ちる危険性を考えるのが素人だ。設計施工をしたプロは構造力学や品質管理面から「抜け落ちることは想定外」だったのかも知れない。それを車に乗ったままの目視だとか、ハンマーなよる打音が頼りだというのでは危なくて仕方がない。このような構造を持つトンネルは誰もが納得できる構造に改めるべきだ。

 福島原発事故の時も、全電源喪失をプロは考えなかった。原発再稼働にあたり、「素人にはわからないので、原子力規制委員会のチェックに合格したものを――」といった政治家の責任逃れ発言をよく聞くが、これは間違っている。もちろんプロの説明や意見に耳を傾け、納得できるまで疑問点を追求しなければならない。

 その上で素人である政治家が判断するのが筋である。原発事故や戦争となると、トンネル事故とはけた違いの災禍をこうむる。こういった意味から、原発も「文民統制の原則」が適用されて当然なのではないか。

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コメント

現在は釣り天井方式よりも、より安全性もあり経費も安いターボファン形式が主流なのですが、第二東名にも一箇所だけは、なぜか今回と同じ釣天井方式があるそうです。
アンカーボルトの経年劣化が言われているが、110メートルにわたって崩壊落下しているのですから、その言い分は通じないでしょう。
天井板は1m幅なのですから、一つが劣化で崩壊して落下したら、原発と同じで次々と負の連鎖反応を起こして、止められないのですよ。
原発事故の怖いところは、他の種類の事故なら諦めて放置すれば必ず収まるのに、原発では放置すればますます状態が悪化して被害が拡大することでしょう。
小さなアクシデントが放置するとマイナス方向に連鎖反応を起こして、どんどん損害が大きくなるような装置は、そもそも設置するべきではありません。

投稿: 宗純 | 2012年12月 4日 (火) 16時41分

宗純 さま
コメントありがとうございました。

職人さんというのは頑固でないとつとまりませんよね。その頑固さは蓄積された経験と勘で成り立っている。

原子力村では、そんな職人はだしの学者を排除し易きにつく村の掟をつくってしまったのですね。近代化、効率化を急ぐあまりこういった傾向はまだ続きそうです。

投稿: ましま | 2012年12月 4日 (火) 20時02分

最低でも、吊り具は一か所につきV字型になるように2本は使ってほしい構造ですね

投稿: 玉井人ひろた | 2012年12月 5日 (水) 19時49分

本質的に見れば、中曽根大震災と変わり無いところはあるし、中国で起きた高速鉄道事故とも変わり無いことを思うと、もう余りにも悲しい限りとしか言い様がありませんよね。
アメリカで、このような事故が起きたら、幾らでも責任追及されるのは当然のことだし、単なる事故原因だけでなく、事故が発生に至った根本原因というものを究明して、はじめて再発防止に繋がることになる分けだし、これを教訓として、今後の事故防止に向けての教訓として大いに活かして行くことで、幾らでも改善して行くことで、良いお手本として示してあげるようにすれば、それだけでも大いに誇りとすれば良いだけのことですよね。
ただ、こうした真実を明らかにすることで、当事者としては、物凄い痛みや苦しみを味わうことになるのは避けては通れないことだし、それを嫌がって、真実から目を背けるようなことをすれば、構造的アノミー現象と言われる空洞化を齎して、一億総懺悔の愚かな過ちを繰り返すなんてことに繋がるのでは無いかと思うと、もう日本人として、此れ程恥ずかしいことは無い反面で、此れ程悲しいことはございませんよね。

投稿: asa | 2012年12月 5日 (水) 22時16分

皆さんはしろうと?だと信じますがこれほどアイディアがでるということは、やはり「安全神話」が至る所にあるという証左ですね。

V字型にすれば、強度がたしかに上がりますね。ついでに上の壁を貫通しその外でつなげれば完璧だった。今回は、はっきり専門家と称するプロと作ってしまえば終わりとする管理責任者の敗北です。

投稿: ましま | 2012年12月 6日 (木) 17時50分

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