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2012年11月29日 (木)

「維新」でなく「いざなぎ」政局か

 先週「アメリカからの発信」という記事を書きました。その中で「パソコンを持っていったので日本のニュースもリアルタイムで……」、というふうなレポートをしたのですが、やはりそうはいかない、ということを帰ってきてさとりました。

 滋賀県の嘉田由紀子知事が、「卒原発」を旗印に新党結成へ、などというニュースがあることは知っていました。その中身については、帰国して新聞を見てはじめてを知り、びっくり仰天。アメリカからの帰路に10数時間を要したため、その空間にできた時差ボケ現象かも知れません。

 さすがは新聞。1面に記事があれば2面以降に既存政党との違い、背景、選挙への影響、他党の反応などが解説記事として続きます。電波もこれに負けじと追っかけていますが、どうやら結論を出しかねているということでしょうか。

 なにしろ、琵琶湖の嘉田小魚が大海にすむ小沢鯨を飲みこんだような話です。国民の生活が第一や減税日本・反TPP・脱原発を実現する党の議員ら70人以上が合流し、嘉田・未来の党が日本維新を抜き去りました。

 首長が居座ったままで中央政界を動かしたり、橋下大ぼらが石原太陽を飲みこんだ話に似ているところもありますが、第三極造りは、未来の党のあと出しジャンケンにより、日本維新が早くも新鮮さがない古い存在に見えてきました。

 当塾では、民主党が安倍自民党を押さえるためには、憲法、防衛、原発、TPPで明確な対抗軸を立てて比較第一党を獲得するか、これが不可能で自民の軍門に降り連合の道をさぐるようであれば、リベラル系を糾合した第2次分裂で反自民の核をつくる道を示唆してきました。

 しかし、嘉田新党は国民にとって全く想像を超えた意表をつくものだったと言わねばなりません。場合によれば「維新」どころか「国生みいざなぎ神話」(末記)になるかも知れないし、また一抹の泡と消える運命をたどるかも知れません。

 読売新聞などにとっては面白くない動きらしく、盛んに「裏に小沢一郎の陰」説を展開しています。当塾も小沢氏は秘書無罪が確定しない限り、顕職につくべきでないという考えですが、もしこのような画策を水面下で誰にも悟られずに工作し(11/30の報道では2か月ほど前、岩手県知事を通じて打診があったようです)、この時期になって突然発表する手立てをしていたとすれば、既存の無力で軽い政治家では誰も真似することのできない稀代の策士であり、貴重な存在なのかも知れません。

 新旧各党のマニフェスト類が続々と発表されているようなので、投票日までに慎重に比較検討してみたいと思います。いずれにしても日本の政治は、やや不躾な感想ですが俄然面白さを増してきました。

 二柱の神、天の浮橋に立たして、その沼矛を指し下して画きたまへば、鹽こをろこをろに画き鳴して引き上げたまふ時、その矛の末より垂り落つる鹽、累なり積もりて島と成りき。(倉野憲司校注『古事記』岩波文庫より)
 

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コメント

「戦争と原発は人災の極致である」

>前原氏が日本未来の党を批判 「卒原発は空理空論」「きわめて小沢色強い」
>11.30 13:00 [民主党]http://sankei.jp.msn.com/politics/topics/politics-14760-t1.htm
> 前原誠司経済財政・国家戦略担当相は30日の閣議後会見で、日本未来の党が「卒原発」として10年以内の原発全廃を打ち出していることについて、「10年で原発ゼロまでは使用済み燃料の問題をとっても絶対に無理だろう。空理空論といわざるをえない」と批判した。(以下略)

さっそく全国民の願い「脱原発」をえさにしてかきまわしはじめたか。
未来の党の脱原発より自分たち(自公民維新)の脱原発のほうが本物だと言いたいのだろう。
しかしだまされてはいけない。原発と戦争は同じものであり、ともに人災(人の手が作り出した災害)の極致である。
今度の選挙は「戦争」が本当のテーマなのだ。

今度の選挙を画策した世界の恥戦争の狂犬ユダ金米軍の狙いは憲法9条破壊である。すなわち日本人にとって今度の選挙は脱原発選挙ではなく脱戦争選挙なのである。未来の党は今後メディアに出演したときは「脱原発」の内容には一切触れずに「戦争」すなわち自民党の「憲法改変案」維新の「徴兵制復活論」についてメディアのカメラの前で公開で問いただし自分たちの「平和憲法堅持自衛隊海外「派兵」禁止徴兵制禁止」憲法遵守世界平和を守る立場を旗幟鮮明にすることが求められる。

こうすればすべての反戦平和を願う道徳国民の票が未来の党へ集中され大勝利するであろう。もちろん私も「平和憲法堅持自衛隊海外「派兵」禁止徴兵制禁止」にのみ投票する。

そうなれば今度の選挙が「道徳」対「反道徳」の戦いであることが誰の目にもはっきりするからである。

投稿: 通りがけ | 2012年12月 1日 (土) 01時41分

通りがけ さま

<今度の選挙は「戦争」が本当のテーマなのだ。

よくぞ喝破してくださいました。

核燃料サイクル技術を持ち続けることは、潜在的な核保有国になります。アメリカと協定を結んでおり、事実上の抑止力でもあるでしょう。

憲法がしっかり機能しそれが不動の国是になっていれば、抑止力となる技術を日本がもっていることは、必ずしも悪いことではないと思います。

これが世界の核軍縮、核放棄政策に役立つならなおさらです。そこまで突っ込んだ議論は各党の論争で見当たりませんね。

原発ゼロと再生可能エネルギーがどうの20年先か30年先かなどというのは、枝葉末節の技術論です。<今度の選挙は「戦争」が本当のテーマなのだ。……まさにその通りです。

投稿: ましま | 2012年12月 1日 (土) 11時15分

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