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2012年11月27日 (火)

大きい国と美しい国

 行けども行けども森林、行けども行けども畑、行けども行けども砂漠。そんな国に相撲取り顔負けの大柄な人たちが行き交う。黒人、白人、ラテン、東洋、インド系、まだまだあるだろう。まさに人種の大展覧会だ。

 自尊心と物量と星条旗がなければ生きて行けない、このようなアメリカ人の印象をより強くしたのが今回の訪米だった。かつてこの巨大な国に戦争をいどみ、どうして勝てると思ったのかが不思議で仕方がない。

 太平洋を挟んで対峙していても、同じのは長さだけで、日本は途切れ途切れの細紐のようなもの。昭和の初めころはそれを承知していて「日米戦うべからず」の論陣を張った人が何人もいた。

(参照)『日本之禍機』
http://hansenjuku.cocolog-nifty.com/blog/2008/01/post_553c.html

 それから満州事変、支那事変と大陸侵攻にのめり込んだ軍部が、統帥権(軍の規模や指揮ができる天皇の権利)をかさに議会や政治を牛耳るようになり、右翼を加えた要人暗殺事件も相次いだ。

 アメリカのように「腰抜け」という言葉はあまり聞かなかったが「非国民」「売国奴」「国賊」それに「アカ」という言葉が飛び交った。アメリカと戦うのは無理だ、という考えの人は軍部の中にもあったが陸・海の競争心の中で結局かき消された。

 そして「万世一系の皇祖をふめる大日本帝国」「有史以来負けたことのない国」「神風」「神国」「神兵」「八紘一宇」「一億一心」「鬼畜米英」……、さらに旭日がのぼり富士山や日の丸のある”美しい国”であることが繰り返し宣伝された。

 「神様がついているから必ず勝てる」、そんな無茶な話はないのに、それが通ってしまうのだ。「アメリカがついているから勝てる」そう信じているみなさん。アメリカ人が危難に対して「自己責任」を強調する国民性の持ち主であることをお忘れなく。そして安倍流『美しい国へ』にもくれぐれご用心を。

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コメント

「有史以来負けたことのない国」というのは間違いで1400年まえの唐と新羅の連合軍と戦った白村江の戦いとか、400年前の明と朝鮮との連合軍と戦った豊臣秀吉とかは負けている。
逆に700年前に日本国に侵攻しようとした朝鮮や南宋の兵が主力のモンゴル軍も失敗しているので一勝二敗か、いずれも相手国を占領出来なかったので勝敗なしの引き分けと考えれば三戦して三分けです。
『日本書紀』の記述にある「我ら先を争はば、敵自づから退くべし」という7世紀に大失敗した日本側の極めて杜撰な作戦が、軍事大国のアメリカ相手に20世紀で成功するなど無理過ぎでしょう。
それにしても日本の政治家も軍人も、日本書紀のこの部分を読んでいなかったとは、不思議な話ですね。

投稿: 宗純 | 2012年11月27日 (火) 17時14分

日本書紀は愛読書の一つですが、皇国史観や万世一系論も種本は古事記とこれだけなんですね。

白村江の戦いは天皇空白の時期(斉明死後天智即位前)で、秀吉は私的な行動だからという説明では苦しい。


仲哀・武略・南北朝の天皇などあまり触れたくない天皇など都合の悪い天皇も読み飛ばしているようです。

投稿: ましま | 2012年11月27日 (火) 20時47分

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