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2012年11月

2012年11月29日 (木)

「維新」でなく「いざなぎ」政局か

 先週「アメリカからの発信」という記事を書きました。その中で「パソコンを持っていったので日本のニュースもリアルタイムで……」、というふうなレポートをしたのですが、やはりそうはいかない、ということを帰ってきてさとりました。

 滋賀県の嘉田由紀子知事が、「卒原発」を旗印に新党結成へ、などというニュースがあることは知っていました。その中身については、帰国して新聞を見てはじめてを知り、びっくり仰天。アメリカからの帰路に10数時間を要したため、その空間にできた時差ボケ現象かも知れません。

 さすがは新聞。1面に記事があれば2面以降に既存政党との違い、背景、選挙への影響、他党の反応などが解説記事として続きます。電波もこれに負けじと追っかけていますが、どうやら結論を出しかねているということでしょうか。

 なにしろ、琵琶湖の嘉田小魚が大海にすむ小沢鯨を飲みこんだような話です。国民の生活が第一や減税日本・反TPP・脱原発を実現する党の議員ら70人以上が合流し、嘉田・未来の党が日本維新を抜き去りました。

 首長が居座ったままで中央政界を動かしたり、橋下大ぼらが石原太陽を飲みこんだ話に似ているところもありますが、第三極造りは、未来の党のあと出しジャンケンにより、日本維新が早くも新鮮さがない古い存在に見えてきました。

 当塾では、民主党が安倍自民党を押さえるためには、憲法、防衛、原発、TPPで明確な対抗軸を立てて比較第一党を獲得するか、これが不可能で自民の軍門に降り連合の道をさぐるようであれば、リベラル系を糾合した第2次分裂で反自民の核をつくる道を示唆してきました。

 しかし、嘉田新党は国民にとって全く想像を超えた意表をつくものだったと言わねばなりません。場合によれば「維新」どころか「国生みいざなぎ神話」(末記)になるかも知れないし、また一抹の泡と消える運命をたどるかも知れません。

 読売新聞などにとっては面白くない動きらしく、盛んに「裏に小沢一郎の陰」説を展開しています。当塾も小沢氏は秘書無罪が確定しない限り、顕職につくべきでないという考えですが、もしこのような画策を水面下で誰にも悟られずに工作し(11/30の報道では2か月ほど前、岩手県知事を通じて打診があったようです)、この時期になって突然発表する手立てをしていたとすれば、既存の無力で軽い政治家では誰も真似することのできない稀代の策士であり、貴重な存在なのかも知れません。

 新旧各党のマニフェスト類が続々と発表されているようなので、投票日までに慎重に比較検討してみたいと思います。いずれにしても日本の政治は、やや不躾な感想ですが俄然面白さを増してきました。

 二柱の神、天の浮橋に立たして、その沼矛を指し下して画きたまへば、鹽こをろこをろに画き鳴して引き上げたまふ時、その矛の末より垂り落つる鹽、累なり積もりて島と成りき。(倉野憲司校注『古事記』岩波文庫より)
 

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2012年11月27日 (火)

大きい国と美しい国

 行けども行けども森林、行けども行けども畑、行けども行けども砂漠。そんな国に相撲取り顔負けの大柄な人たちが行き交う。黒人、白人、ラテン、東洋、インド系、まだまだあるだろう。まさに人種の大展覧会だ。

 自尊心と物量と星条旗がなければ生きて行けない、このようなアメリカ人の印象をより強くしたのが今回の訪米だった。かつてこの巨大な国に戦争をいどみ、どうして勝てると思ったのかが不思議で仕方がない。

 太平洋を挟んで対峙していても、同じのは長さだけで、日本は途切れ途切れの細紐のようなもの。昭和の初めころはそれを承知していて「日米戦うべからず」の論陣を張った人が何人もいた。

(参照)『日本之禍機』
http://hansenjuku.cocolog-nifty.com/blog/2008/01/post_553c.html

 それから満州事変、支那事変と大陸侵攻にのめり込んだ軍部が、統帥権(軍の規模や指揮ができる天皇の権利)をかさに議会や政治を牛耳るようになり、右翼を加えた要人暗殺事件も相次いだ。

 アメリカのように「腰抜け」という言葉はあまり聞かなかったが「非国民」「売国奴」「国賊」それに「アカ」という言葉が飛び交った。アメリカと戦うのは無理だ、という考えの人は軍部の中にもあったが陸・海の競争心の中で結局かき消された。

 そして「万世一系の皇祖をふめる大日本帝国」「有史以来負けたことのない国」「神風」「神国」「神兵」「八紘一宇」「一億一心」「鬼畜米英」……、さらに旭日がのぼり富士山や日の丸のある”美しい国”であることが繰り返し宣伝された。

 「神様がついているから必ず勝てる」、そんな無茶な話はないのに、それが通ってしまうのだ。「アメリカがついているから勝てる」そう信じているみなさん。アメリカ人が危難に対して「自己責任」を強調する国民性の持ち主であることをお忘れなく。そして安倍流『美しい国へ』にもくれぐれご用心を。

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2012年11月21日 (水)

最大の争点から逃げるな

 塾頭が「放っておけない――言わねばならぬ」と思っていたことを、「日本が危ない!」のmewさまが絶妙な時期・表現で取り上げられました。無断使用でごめんなさいですがこのように書いておられます。

最初に、mewが、問題にしたいことが一つある。
 それは、大手のTV、新聞の大多数が、今回の衆院選の争点を「消費税、TPP、原発」の3つにしぼるような形で、選挙に関する報道を行なっていることだ。(・・)

 次の政権をとる可能性が高い安倍自民党が、本当は最も重視している「戦後レジームからの脱却」=「憲法改正」「集団的自衛権の容認」「教育再生(mew的には教育改悪)」の話が、全くと言っていいほど出て来ないのである。(@@)

中略

 mewは、このまま国民が、安倍自民党が行なおうとしている国政の本質を理解or意識しないままに、<集団的自衛権や教育再生の内容など「???」のままに>、自民党に投票するかも知れない人がいるかも知れないことに、大きな危惧感を覚えている。(-"-)

 民主党は来週中にもマニフェストを完成させるそうですが、前にも書いた通り民主党が惨敗をすこしでも食い止めるためには、自民党との違い、争点を明瞭で誰にでもわかるように大きく訴えなければなりません。

 党員の意見を聞いて細野政調会長が明瞭に訴えようとすると、だれかが「首相の真意?」などを注進してあいまいな表現に変えさせようとし、それでは野党と戦えないという声があってまた修正するなど、民主党らしさが満開です。前に「どじょうの頭は左へ左へ」という題の記事を書きましたが、元来右傾の癖がついている首相の頭は、このところ「頭は右へ左へ」の毎日のようです。

 mewさまのおっしゃるように、マスコミは”故意”と思えるほど憲法・安保を避けているように思えます。しかし最大の責任者はやはり民主党です。塾頭は、安全保障に関しせめて下記の程度のことは書いてほしいと思ってます。しかしこれを採用したら、最大の読売新聞や右派の産経新聞の反民主キャンペーンが生じるのは確実でそれを恐れているのでしょうか?。

 新聞は権力の監視役ですが、政治家が新聞の奴隷になった例は聞きません。対抗紙である朝日・毎日の奮起が望まれるところです。

■当塾が民主党に望む争点

①9条の精神を変える憲法改正はしません。
その特長は
 ・改正を全面的に否定しているわけではない
 ・自民党改正案反対(自衛隊を軍隊にしない)

②専守防衛と自衛権の定義を明確化します。
 ・非核3原則、武器輸出禁止3原則の撤廃に歯止め
 ・集団的自衛権の拡大解釈に歯止め
 ・日本の領域外での武力行使禁止(米軍の日本発進についての事前協議強化)
 ・以上により、自衛隊が国民の安全のために必要不可欠で、憲法に反しないことを宣言

③日米安保条約を堅持するため、地位協定の見直し、米軍基地の縮小(特に辺野古の建設、オスプレー配備の再検討)に向けた努力をします。
 ・必要に応じ、自衛隊の増強・装備の充実も考える

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2012年11月20日 (火)

アメリカからの発信

 今回はアメリカからの発信です。若い人には当然のことかも知れませんが、旅に自家用パソコンを持ち込んで作業しています。初めての経験で、到着後無線ランに切り替えて使ったところ、直ちにトップページが立ち上がりました。

 日付や時間表示も日本時間そのまま、ニュースその他も全く同じ、一部ソフトには日本国内限定でダウンロードできないものもあるようですが、自宅にいるのと変わりません。以前は国内の温泉旅行などで2~3日も新聞を読んでいないと全く別世界にいるような気がしたものですが、そういった気分にもなりません。

 塾頭は、ミクシィ、フェイスブック、Twitter、など面倒なことは一切敬遠、スマートフォンどころか携帯電話すら持とうとせず、自動車免許は必要に迫られ64になってようやく取得したほどの超保守派です。改めて「情報の外にいる生活も必要だな」、と感じた次第です。

 それはともかく、アメリカ最初の見聞はアトランタ郊外にある大型スーパーマーケットの光景でした。韓国人の経営だそうで、TPP賛成派も反対派も目をむくような店内です。すべての商品にカード型の表示があり、最下部に大きな字で「$○○」、これまでは当たり前です。

 そして上から英文の商品名。続いてハングル(商品名でしょう)、その下に一段と小さな星条旗に並べて、Product USAと書いてあるのもたまにはあります。驚くことに、生ものをのぞいたほとんどの袋詰め・箱詰め食料品はハングルでデザインされており、日本のように地元優先仕入は見られません。

 そんな中、わずかながら日本の有名ブランドの酒、焼酎、缶ビールを見つけました。よく見るとほとんどが米国法人製造で直輸入物ではなさそうです。韓国人街に近く、お客は韓国人が多いのでしょうが、見渡したところやはり地元である米国人の方が多いように見えました。「郷に入れば郷に従え」の精神とは随分距離があるようです。

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2012年11月16日 (金)

老子の訓え

 この内容は12日に投稿した「過則勿憚改」の続編として見ていただければ幸甚。
老子は、中国でももっとも古い思想家で、紀元前6世紀とか4世紀の人といわれ、孔子の先生にされることもある。

 記録されたのは司馬遷の『史記』であるが、中国にとって老子はほとんど神話的存在といってよく、儒教同様、戦国春秋時代が生んだ教訓が思想の背景にある。日清・日露戦争のあとの日本にこの精神があれば、敗戦に至る過ちには至らなかっただろう。

 一方、国共内戦に勝利し、世界一のGNPに挑戦しようする中国にも、お国の先賢の訓えに耳を傾けてほしい。特に総書記の地位につくことが決まった習さんは、これをとくと「習」ってほしいものだ。ついでに「暴走老人」を自称するあのお方にも是非玩味熟読をお勧めしたい。(金谷治『老子』講談社、より)

 真実の「道」にもとづいて君主の政治を補佐しようとする人は、武力によって世界を脅かしたりはしない。そんなことをすると、しばしば悪い報いがはねかえってくるものだ。つまり、軍隊の駐屯(とどま)った所は、耕地も荒れていばらやとげのある木が生えることになり、大きな戦争のあとでは、必ず凶作の年がつづくのだ。

 「道」に従うすぐれた人は、勝利をおさめたらそれでやめる。さらに進んで無理に相手をおびやかそうとはしたりはしない。勝利をおさめても、それを誇って尊大にかまえたりすることがなく、勝利をおさめても、鼻にかけて自慢したりすることがなく、勝利をおさめても、それで傲慢になることがなく、勝利をおさめても、それをやむをえないことであったとする。それこそ、勝利をおさめても、さらに無理なおどしをかけたりしないということなのだ。

 ものごとは強壮であればあるほど、無理なことをして老衰へと落ち込む。これこそ、「道」に従わないということだ。「道」に従わないのでは、すぐに滅びてしまう。

以道佐人主者、不以兵強天下。其事好還。師之所処、荊棘生鴛焉、大軍之後、必有凶年。
善者果而已。不以取強。果而勿衿、果而勿伐、果而勿驕、果而不得已。是謂果而勿強。
物壮則老。是謂不道。不道早已。

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2012年11月14日 (水)

身投げ解散

 まさかと思っていた「身投げ解散」が本当になってしまった。自壊作用もあって第一党から転落するのは確実である。あとは、この(身投げ)解散に反対する民主党議員がどういう行動に出るかである。

 選択肢は、そのまま野田民主党と運命を共にし、自民党の腰巾着政党に甘んじるか、党を割って出るかである。後者の場合、首相の辞任後新代表、たとえば細野政調会長などで衣替えをした上、というシナリオは”解散”でなくなったためである。

 そうすると、脱党者が続出してさみだれ的に新党の門を叩くか、団結して分裂新党を急造するかの二つに分かれる。その核になる人物がいるのかどうか、輿石幹事長、鳩山・菅両首相経験者それに前回の代表選で野田対抗馬になった人たちはどう動くのか。

 その新党は、冷や飯を食っている自民党のリベラル議員や生活が第一を中心とする各党、それに社民党まで含めて連携が取れるような党にならないと、いわゆる第三極に位負けする。しかしそのためには、これまでに相当準備が進んでいるという前提がなければならない。

 当塾は相当前からそれを示唆してきた。中道という言葉が出てきてやや気を持たせる場面もあったが主導者がなく具体化しない。「暴走老人」のせめて3分の1であってもいいから、そういう蛮勇の振える人がいればいいと思うのだが、やや悲観的である。

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2012年11月13日 (火)

小沢強制起訴2審も無罪

 当塾は、小沢一郎氏の政治手法やその時々で違う政策の立て方に信じきれないところがあり、これまで支持したことはない。しかし、西松建設の裏金問題で始まったいわゆる小沢疑惑には最初から疑念を抱いていた。

 「小沢さんは品行方正で、お金に対してもきれい」などとは一度も思ったことがない。彼が若い頃、「政治家としてはまだ雑巾がけが足りない」などという言葉が通用していた。つまり、座敷に上がる前に、汚い仕事つらい仕事がこなせるようになっていなければいけない、ということだ。

 金集め、票集め、違法すれすれのことをしても結果が出せれば良しとする風潮だ。これは政界だけでなく、コンプライアンスなどという言葉のない実業の世界にもある程度常識だった。小沢はそんな中で育っており、秘書も同様であろう。

 ところが小沢の政界での師である田中角栄、金丸信が相次いで金権問題で法の裁きを受けることになった。小沢は一度も欠かさず法廷を傍聴したという。司法試験に挑戦したことのある彼は何が危険かそうでないかにつてい人一倍神経を使っていたはずである。

 秘書にもそれは通じているだろう。しかし、検察は予期していない収支報告書の不実記載というからめ手からはいり、遂に彼の政治生活を頓挫させることに成功した。検察が政治の金権体質を追求するのは当然である。しかし、一政治家の活動を長期間制約し事実上政治生命を奪うことと、捜索や容疑内容とでは著しくバランスを欠く。

 塾頭は、そのアンバランスに不純な動機がないかが一番気にかかる。小沢がどうのこうのではなく、日本の憲政を危うくする一連の動きだからだ。これに対して大手マスコミの動きはにぶい、というより官僚依存、権力迎合から抜け出せない実態が今日13日の大手各社社説から見てとれるのである。

【各社社説タイトル(部分)】カッコ内は塾頭寸評

朝日 政治とカネいつまで
    (使い古しキャッチフレーズいつまで)
読売 検察審制度の見直しは早計だ
    (リークでお世話になっているし)
毎日 「秘書任せ」ゆえの無罪
    (常套句。秘書も無罪になるかもよ)
産経 政治責任は変らず重い
    (なんだか朝日に似ているね)

(頑張っているのが)
日経 強制起訴見直しを迫る
東京 検察の”闇”を調べよ

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2012年11月12日 (月)

過則勿憚改

「過ちては則ち改むるに憚(はばか)ることなかれ」

 中国で反日暴徒に破壊されたスーパー「平和堂」が、改修を進め再開開業した。多くの支援をうけながら開業に至ったことを感謝する旨の垂れ幕を建物正面に掲げたところ、その謙譲精神に感動を受け、中国の行為を国際的に恥をさらしたものという趣旨の感想が「微博」(ミニブログ)にいくつか表れたという。

 北京マラソンで、今年は参加申し込みサイトの国別欄から日本が削除され、事実上日本からの参加が不可能になった。これは、尖閣問題が影響したものとして報道されていた。それが一両日の間(11日)になって訂正され、参加できるようになったと報じられた。

 これも微博が動機か、末端の先走りを党幹部が訂正させたものか定かではない。しかし、行き過ぎには明らかに抑制力が働き、さらに反省のきざしまで見られる。さすがに古代中国の訓え文字の国、「過則勿憚改」が今に生きていると見るのは即断にすぎるだろうか。

 「釣魚島は明の時代から中国固有の領土であり日本が盗んだものである」という主張について、中国政府筋は一歩も引いていない。それが誤りであることを認めることは永久にないかもしれない。しかし日本の(中国侵略)過ちについて改めることを憚らなければ、中国の過ちを素直に聞く耳はもっているだろう。

 中国共産党大会の胡錦濤演説などを見ても、トップとして「海上権益の確保」は言っても「領土の確保」とは言っていない。明の時代の航海記録で目撃しているという程度の根拠しかなく、喜望峰を発見したポルトガルと比較したことを以前書いた。

 その点、国際法・国内法いずれの面からも合理的な根拠に強みがある日本は、領土問題とは別に地下資源や漁業の共同管理などで落としどころをさぐることができる。日本も「過則勿憚改」の実を見せることを心がければ路は開ける。

 ただし、仮にそれを阻もうとする勢力が日本の政治を支配するようになれば、太平洋の不安定要素が大きく損なわれるばかりでなく、日本経済への大きな足かせになるだろう。アメリカもそんなことを望んでいいるわけではない。

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2012年11月10日 (土)

野田さんはTPPに反対らしい

 どうもよくわからない。民主党内閣はTPP加入を選挙の争点にするのだそうだ。そんなのは争点にならないでしょ。農業従事者は反対で米倉経団連などは賛成というが、一般国民はなにがどうなるのかさっぱりわからない。

 政府でさえ交渉が始まっていないので中身がわからないものを、国民がどうして判断しなければならないのか。民主党の中でも農水大臣をやった山田さんをはじめ、確信的な反対者がいる。そういった人たちは集団脱党を考えるだろう。

 そんなことで解散をしたら、それこそ塾頭のいう「身投げ解散」となり、見るも無残な惨敗に甘んじることになる。だから自民中心の右派政権が生まれ、争点に上げたTPPは棚上げ凍結となる。野田さんの狙いはそれなのか。

 身投げ解散というより「自爆解散」をした首相として、歴史にその名を残すおつもりとしか思えない。とにかく訳が分からないことが多い。

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2012年11月 8日 (木)

オバマ勝利と日本外交

 ベネズエラのチャベス大統領ではないが、「私がアメリカ国民ならオバマに投票するがね」というのが塾頭の感想である。外交ではこれまでと大きく変わることはなさそうだ、ということである。

 同じ「民主党」でも日本とは大違い。「Change!」で4年前に政権を勝ち取ったオバマだが日本では首相が3人もChangeし、「最初のマニフェストは間違っていました」とお詫びを出す始末。

 アメリカも議会とのねじれ現象は同じだが、オバマは大勝。敗れたロムニーも、戦いのことは忘れで協力しあおう、といさぎよい。日本ではとてもこうはいかず、野田民主党が憤死するかいなかの瀬戸際にある。

 当塾はひと月ほど前に「どじょうの頭は左へ左へ」という投稿をしたが、その頃すでに細野政調会長に次期総選挙のための政策作りを指示したらしい。安倍自民党や石原新党などとの差別化をはかるため、最近になって「民主中道」の復活を目指す路線だとかと言われている。

 これに対して、野田は「中道」という言葉が嫌いで「中庸」ならいいとか、公明党と同じだとか、「せっかく右側通行をしているのに」という右派議員の反対があったりで、ズバリ決まりそうにもない。

 「中道」では弱い。せめて「リベラル」という看板で旗幟鮮明にしたところで勝ち目があるかどうかわからない。野田総裁そのままでは到底望みうべくもないだろう。民主党勝利のアメリカの風は日本まで吹いてこない。

 塾頭がオバマに期待するとすれば、外交関連人事の大幅改造である。安倍総裁やマスコミは、民主党への政権交代でアメリカの信頼が大きく損なわれたとしている。これは、鳩山前首相がブッシュ・小泉以前からつちかわれてきた「知日派」を怒らせてしまったから、ということになっている。

 「知日派」というと、日本をよく知り理解してくれる人、つまり「親日派」とは全く違うのである。英語でいうと「ジャパン・ハンドラー」、つまり日本を飼い馴らした人の意となる。「ショウ・ザ・フラッグ」といって日本を恫喝したリチャード・アーミテージが有名だが、共同歩調を取った民主党のブレーン、ジョセフ・ナイ、現役の国務次官補カート・キャンベルなどがいわゆる「知日派」とされ、そのリードに依存していたのが日本の対米外交である。

 オバマの新人事でそういった「知日派」が排除され、むしろ日本を知らず基地問題など日米間で起きている諸問題を丁寧に調査・分析して良識的な判断の下せる国際人に代わってもらった方が日本の国益になるだろう。それを期待したい。

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2012年11月 6日 (火)

隣の虎狼

 隣国の来り犯すとき、苟も遅疑する
 あらば、我が将士且(まさ)に志を
  変ぜんとす。当(まさ)に亟(すみや
 か)に出でて迎え戦うべし

 隣国とは、中国・ロシアのことではありません。織田信長の父親・織田信秀が、永禄3年、手勢を率いて桶狭間に向けて出陣するに当たり残した訓えです。したがってこの場合、駿河国でしょう。

 さきの戦争をへて平和憲法を手にし、東西対決はあってもアメリカの庇護を受けた日本が領土を侵略されるなど、考えてもみませんでした。またマルクスをすこしかじった人なら、人民が支配する国が他国の領土を侵略、奪取することなどあり得ないと信じていたでしょう。

 今、それが大きく変わったとは思えません。しかし、尖閣をめぐって中国の理不尽な主張が繰り返されるのを見て、中国国内の権力闘争や民衆の動きによっては、不測の事態が全く起きないという保証がなく、安逸をむさぼる時代は過ぎた、と思うようになりました。

 隣国の不当な要求や主張があれば、これを断乎として跳ね返し、日本の国土は日本人自身が守り抜くという固い意志と決意がなくてはなりません。それがあって初めて国際世論をを味方につけることができます。この場合、日本の平和憲法が一段と輝きをまします。

 憲法を改正して自衛軍を作り、集団的自衛権で米軍と一体になって環太平洋軍事網により中・ロをけん制するという、アベ自民党路線はどうでしょう。アメリカも隣国です。日米安保条約の果たしてきた役割やこれからのあり方を考える上で、条約そのものに反対する理由はありません。

 しかし、アメリカの世界戦略の一環に組み込まれるのは問題です。アメリカの都合・国益はいつも日本の方を向いているとは考えられません。日本も日本の国益を考え、西に位置する近い隣人とも深い意志を通じておく必要があります。

 最近、週刊誌などに「日中が若し戦争になれば……」などという際どいタイトルをよく目にします。答えははっきりしています。日本は国土の広さと人口の差で負けます。ただ、日本人と自衛隊が専守防衛の固い意志とそれを支えるテクニックを持っていれば勝てなくても負けはしません。

 虎や狼にまともに勝てない小動物でも、鋭い防衛本能と秘密兵器で相手を退散させることができます。それまで放棄してみすみす餌食になるようでは、絶滅を避けることができません。冒頭の話は谷沢永一『百言百話』1985年中公新書からとったものです。その項の最後を次に引用しておきます。

 昭和五十六年のことである。中川八洋の『ソ連は日本を核攻撃する』によれば、この年の六月初旬ハワイで開かれた日米安全保障事務レベル協議において、「米国は中東での大規模な戦争が発生した場合、太平洋の全空母機動部隊及びハワイの第二十五歩兵師団も中東へスウィングする、と日本に通告したのであった。

 すなわち、そのような事態に際しては米国には日本防衛用の戦力がない旨を米国自身が明らかにしたのであった」。その「ハワイ協議三日後のことである。六月十五日付イズべスチヤ紙(ソ連最高会議幹部会の発行する日刊の機関紙)は、バンドゥーラ在日特派員の長文<歴史に対する暴力>を掲載した」。

 この論文において、何と”北方領土も北海道北半分も十九世紀半ばまで日本領土でなかった(言い換えればロシア領であった)”ことが自信をこめて強調されているのである。これを報道しない新聞と、抗議しない政府の腰抜けを、一体どう評したらよいのだろうか。

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2012年11月 5日 (月)

学者と真実

 大飯原子力発電所に活断層があるかどうか、原子力規制委員会が実地調査に当たり、昨日4日に開いた会合では、活断層か地すべりによるものか意見が分かれ、いつ結論が出るのかも不透明になった。

 塾頭が予想していた通りである。こんな調査一回で真実が明らかになるはずがない。真実は必ずしもひとつとは限らない。それに、マスコミなど衆人環視の中での調査や意見集約で黒か白の意見を戦わすのは、決して真実に近づく道ではない。

 学者にとって、自説を覆すのは至難の業である。少し前に、原発の再稼働など、規制委員会が決めるのか政府が決めるのか、関係自治体が決めるのか、あるいは事業者が決めるのか議論があった。

 素人には専門的なことがわからない。学者に判断をゆだねるしかない、というのは、結論的に責任回避の口実である。そうしたから、福島:原発大失敗の一因となったのではないか。これは、政府・自治体・裁判所そして国民の大部分について言える。

 だだし、国民については敗戦時の東久迩内閣ではないが、「一億総ざんげ」論と同じで為政者が使うもう一つの責任回避以外の何ものでもない。国民は責任者というより為政者の誘導に基ずく最大の被害者なのである。ただ、それを監視するという点で力が及ばなかったということだ。

 それでは、どこが決断を下すか。やはり政府しかない。法学部出身であろうが文学部出身であろうが、学者の意見を吟味し、真実に一歩でも近づく努力を怠ってはならない。国民や自治体に代わって国会がという考えもあるが、規制委員会の人事ですらいまだにたなざらしという無能ぶりではとてもまかせられない。

 田中文科相は、大学の質が落ちたというが、今の閣僚にその能力がなければ、国政から降りてもらうしかない。要は「脱原発」のしっかりした方針を確立できていないところに、すべての欠陥が露呈しているのだ。

 もちろん、政府が原発再開などを決めても地元が反対すればそれに従うのは当然だ。沖縄の基地問題でも、その基本姿勢が欠けている点、ある意味では日本の民主主義の根幹にかかわる問題といえよう。政府の持つ政策委員会、調査・諮問委員会などは、何があろうとその決定を政府の責任逃れに使ってはならない。

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2012年11月 3日 (土)

3・11記念碑

Dscf3726  拙宅から4~500メートルしか離れていない氏神様。散歩の途中で見つけた。たしかに震度5強ぐらいを体験した身だが、東京の近郊でこんな記念碑があるとは気が付かなかった。

 右にある古い柱は100数十年以上昔のものだろう、建立の日付は読めない。左下は見る目もま新しい新鳥居。

Dscf3727

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2012年11月 2日 (金)

先制攻撃、つきあいますか 2

 去年の12月14日、米・共和党のブッシュ政権下で始まったイラク派兵は、オバマ大統領が米軍の完全撤収によりイラク戦争の終結を正式に宣言しました。来週後半には次の大統領が決まります。オバマ続投成るでしょうか。

 イラク戦争では下記のようなダメージを受けました。しかも、開戦の理由とされたイラクの大量破壊兵器保有は、結局虚偽の情報に基づくものだったことが判明しています。しかし、選挙戦や国民世論で「腰抜け」とか「強いアメリカ」という言葉はでてきても、戦争の反省が語られることはあまりないように見えます。

■イラク戦争の概要(2011年12月15日読売新聞による)
  犠牲者数 米兵(事故死なども含む) 4486人
         英兵             179人
         その他            137人
         イラク民間人    約11万1000人
  米軍戦費 8055億ドル (約62兆8300億円)

 2003年3月17日、ブッシュ大統領はイラクへの軍事行動を起こすため、演説の中で次のような最後通告をしました。(前掲書)

「われわれは行動を起こす。行動しないリスクの方が極めて大きいからだ。すべての自由な国家に危害を加えるイラクの力は、一年、あるいは五年後に何倍にもなるだろう。この力を得れば、サダム・フセインと彼のテロリスト連合は、最強となったときに破壊的な紛争の機会を得ることができる。この脅威が突然、われわれの空や都市を脅かす前に、われわれは今、脅威が発生する場所で、脅威に立て向かうことを選択する」

 前回の記事をご覧になっていない方があったら、是非さかのぼって見てください。1981年のイスラエルによるイラクの首都に近いオシラクへの空爆についての、同国の弁明です。なんと、まったく瓜二つですね。ブッシュはこれをまねたのでした。

 ブッシュはそれまで、国連安保理に「大量破壊兵器の武装解除」を要求する決議案を作らせようとしていました。イラクにしてみれば、存在しない武装を解除するわけにいきません。もともと、無理な話なのです。

 この決議案は、NATOで同盟国であるはずのフランスが拒否権を発動するということで実現しませんでした。そこで先制攻撃は自衛権の発動であるという、国連憲章の拡大解釈あるいは故意に曲解するような発案が幅を利かしたのです。

【参考】http://hansenjuku.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/2-2d4a.html
 
 さて、それが日本にどう関係があるのでしょうか。自民党・安倍総裁をはじめ全総裁候補が声をそろえていた「集団的自衛権行使容認論」です。「公海上でアメリカの軍艦が攻撃を受けているのに日本の自衛艦は見ているだけで何もしないでもよいのか」というものです。

 もっともらしく聞こえますが、集団的自衛(権)ではなく、これでは集団的自衛(義務)になってしまいますね。もともと国連憲章の定める個別の自衛権と「集団的自衛権」とは、別個の概念から生まれたものです。

 その後幾多の事例の中で、加盟国が勝手に解釈するようになり、だんだん同じもののような扱いを受けるようになりました。安倍氏などの考えもその線を走っています。何が決定的に危険なのかというと、アメリカのような先制攻撃を肯定するような国と同盟を結んでいるからです。

 アメリカがその論理を振り回せば、対敵国も同じ権利を持つということになります。以前に書いたことがありますが、日本国憲法は「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」という、国連中心主義に立脚した内容になっています。

 「集団的自衛権容認論」は、小泉政権が自衛隊をイラクに派遣したようなことをもっと大胆に考えようということで、憲法9条をなし崩しにする危険性が目に見えています。極端にいうと、日本はこれからさき国連主義で行くのか、ブッシュ・ドクトリンで行くのかの選択を迫られているといってもいいでしょう。

 アメリカが望むのは、同盟国ならアメリカが負担する人命と軍事費をもっと肩代わりしてくれ、ということです。日本にとって「真の国益」とは何か。アメリカにも良識派はいます。もう政治家だけに任せてはおけない、そう思いませんか?。

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