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2012年10月29日 (月)

高校生の読書力 2

 前回の続編ということで、今回は戦時中の中学5年(現・高2)による詩を2首。(『誇りを胸に』新潟県立村松高等学校100周年記念誌)

南京城陥落    五年生

今ぞ南京陥落の
挙ぐる勝鬨こだまして
天地の間に轟けり
頭上に高く荒鷲の
世紀の目覚め告ぐるなり
あゝ感激の極みなる。

東天高く昇る日に
遥か故国を仰ぎ見る
勇士の顔の輝きや
一番乗の光栄を
声高らかに名乗る時
日章旗風にひるがへる。 

死線を越ゆる幾度ぞ
生死誓ひし戦友は
江湾鎮の激戦に
はた蘇洲河の渡河戦に
果敢なく露と消去りぬ
感慨何ぞ無量なる。

戦果つるは何時の日か
更に兜の緒をしめて
正義の刃振りかざし
蜀の山路も踏み分けて
進む行く手におとづるゝ
平和の鐘の音を聞かん。

戦死者の子    五年生

夕暮れの街に
軍服の小さな子一人
一人垣根に沿うて歩きぬ
サーベルの音寂しく聞こゆ。

夕暮れの街に
友は帰りぬ父母の許へ
一人丸木の門を潜りて
急いで小刻みに走りぬ。

夕暮れの街に
やはらかな灯つき
一人母の膝に抱かれ
丸い目に涙ながしぬ。

夕暮れの街に
軍服の小さな子
母と共に夕げに就きて
仏前に煙たちぬ。

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