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2012年10月13日 (土)

ノーベル平和賞に「EU」!?

 EUがノーベル平和賞受賞というニュースだ。

 当塾では、その発端である欧州石炭鉄鋼共同体成立の歴史的経緯からその後の発展などを多く取り上げて記事にしてきた。そして、民主党鳩山内閣発足当時、「東アジア共同体」という言葉だけが独り歩きしだし、当塾はそれを機に「東アジア共同体」というカテゴを設けてその中で考えることにした。

 しかし、受賞を喜ぶというより、「なぜ今ごろ?」という驚きの方が大きかった。塾頭の憶測としては二つ理由がある。ひとつは、ユーローの通貨危機が、共同体の基本理念を忘れさせたり揺るがすようなことがあってはならないということと、アジア、特に日中の軋轢が予想以上に深刻に伝えられていることだ。

 さらにもうひとつ付け加えれば、欧州でも戦争を知らない世代が増え、生まれた時はすでに共同体ができていたため、その欠点の方に目が向きがちであるということと、日本などでも、そういったことの知識がまるでないことへの注意喚起の意味もあると言えよう。

 当ブログで最も多い検索のジャンルは、小学生などの読むべき戦争の図書選びに次いで、「ECとEUの違い」とか「EUとNATOの関係」あるいはEUの年表と言ったものである。当ブログがそれらに答えきれていないし、不十分でであることは承知している。

 EUは、ユーローの関係で経済問題として耳目を集めているだけで、EUの歴史的経緯、その組織や機関および「国家」との違いと権限などを総合的に解説した一般向けの図書かほとんどといっていいほどないことが問題だ。鳩山氏の「友愛」も金満家の趣味程度にしか理解されていなかった。

 今回の受賞が新聞でトップ記事にならなかったものの、他の面では解説する紙が多く、社説に取り上げたのは大手では「朝日」だけであった。受賞を機に、腰の据わったEU紹介機運が高まってほしいものだ。

 「EUと平和」、「東アジア共同体実現の可能性」など具体的な問題については、当塾にとって大きな課題だがやはり材料が少なく、今回は「折にふれ上述のカテゴリで書いていきたい」という願望程度にとどめておく。

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東アジア共同体」カテゴリの記事

コメント

ノーベル賞は、個人の業績に対して与えれるものですが、平和賞だけは、世界に与える影響を考えた時、毎年、選考委員の強い意志を感じます。
そういった意味では、平和賞は、選考委員の見識や資質まで問われるような重い責任がありますね。

危機だからこそ、原点を思い出す。
危機だからこそ、応援の意味がある。

今回のEUの受賞で、何かすぐに変わるということはないかも知れませんが、「異国間同志の軋轢を乗り越えられるのか、もう一度やってみようぜ!」くらいの気合が入れられたような気がします。

投稿: 金木犀 | 2012年10月14日 (日) 15時24分

金木犀さま
いよいよ貴女のシーズンですね!

仏独国境の産炭地がいつも奪い合いになり戦争の原因になった。そこで、近くの鉄鋼会社を含め共同体の経営に移し、大幅な国家権限をそこに移して任せることにした。

それが成功したんですね。過去何十年も何百年も争い憎み合って両国ですから最初からうまく軌道に乗ったわけでなく今のEUにくるまでに払われた努力は並々ならぬものがあったわけです。

おかげで、通貨・経済の問題はありますが、それ以後一度の戦争も起きていません。ヨーロッパから戦争が消えたのです。

そういう努力をしてきた人全員に賞をわけたいですね。頑張れがんばれです。

投稿: ましま | 2012年10月14日 (日) 17時50分

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» 欧州連合のノーベル平和賞 [マスコミに載らない海外記事]
wsws.org 2012年10月15日 ノーベル平和賞の欧州連合への授与は、ひたすら政治的配慮が動機だ。EUを擁護するという建前のもとで、労働者に対して、1930年代以来最も残虐な攻撃を遂行している連中全員に支援を与えることを狙ったものだ。 ノルウェー議会ノーベル委員会の5人のメンバーは“平和と和解、民主主義と人権の... [続きを読む]

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