« 冬鳥いらっしゃい | トップページ | ノーベル平和賞に「EU」!? »

2012年10月11日 (木)

どじょうの頭は左へ左へ

  本塾では7月10日に「どじょうの頭は右へ右へ」という題で記事を書いた。中味は女性宮家に関する皇室典範改正の保守指向の案作成や、国家戦略会議フロンティア分科会が提出した「日本の将来像を提言する報告書」に関するものだ。塾頭には、消費増税案成立のための自民に対する「すり寄り」と映った。

 そしてさらに、10月2日には「解散は遠のくな……」を書いた。これは、その後の党首会談による「近いうち解散密約」や問責決議、民・自両党の党首選挙を経て、党人事と内閣改造の顔ぶれを見た上での感想である。

 マスコミは、依然として野党の願望(小沢新党と維新は内心できるだけ遅らせた方がいいと思っているという説あり)である離党者続出による年内解散を必至とみている。しかし塾頭は、よほどのハプニングでもなければ、そこに至る筋道が見出せない。

 たしかに、過半数にはぎりぎりのところまで来た。しかし反野田であっても、惨敗覚悟の解散を望む議員はまずいない。自ら脱党届を出して維新とかみんなの党の人気で次期選挙の当選を有利にしたいと思う「脱藩者」にとっても、最近の世論調査などで見るようにそれらが決して居心地のいい逃亡先にならないことがわかってきた。

 野党側にとって、解散に強制力を持たす手立ては、不信任案しかない。そういった手続きなしに5代も短命内閣が続いた。各国から足元を見られ外交は史上最悪だ。野田首相には自らその轍を踏むことだけは避けたいという願望があるだろう。国会でどんなにいじめられようと「じっと我慢の子」でいる覚悟だ。

 進退窮まってというなら、解散でなく辞任という手もある。自民党は過去散々その手を使ってきた。噂の域を脱しないが、いざとなれば緊急法案を通したあと首相が辞任し、後任に細野政調会長を選んで安倍自民党に勝てる体制を組む、というのがある。これはちょっと「どじょうか金魚のまねをする」ようで野田のモットーに合わず、すぐ実現とはならないだろう。

 一方で、首相は細野政調会長に民主党の新マニフェスト作りを急ぐよう指示している。広く意見を聞いて、という注文があり、現執行部の方針の先をを行く可能性がある。輿石幹事長との共同作業でどういうものになるか注目される。解散総選挙の早期実施にそなえて、という観測が盛んだが、その完成が解散時期を決めるということにはならない。

 選ばれたばかりの野田代表が、党の壊滅的敗北を承知しながら「身投げ解散」(塾頭造語)などするはずがない。やはり、選挙で勝つことを意識しているのだ。自民の安倍総裁にまつわる改憲など右寄施策、新自由主義、首相辞任に至った健康などの頼りなさなどが攻撃目標となる。勝利するためには、当然それに対抗する明確な対抗軸を争点にする必要がある。自民と似たようなものでは、とても勝てない。

 この前の一連の人事は、原発問題、憲法・安保・基地問題、外交、経済そのたあらゆる面で「左へ左へ」と頭を振り向ける準備ではないかと見た。それにより、党内の反野田派を懐柔して脱藩者を防ぎ、野党の中でも社民・生活をはじめ、あわよくば公明や自民のリベラル指向組のシンパシーを得て、民主中心の安定政権を図るという手もある。

 解散とか辞任とか、新代表選びとかそれらを勘案して最善の時期を見計らって判断するというのが野田の戦略ではないか。ドジョウではないとんだタヌキだが、そのタヌキにさえなれない政治家より多少ましかもしれない。これは、例によって塾頭の妄想に過ぎないことをお断りしておく。

|

« 冬鳥いらっしゃい | トップページ | ノーベル平和賞に「EU」!? »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/468248/47406741

この記事へのトラックバック一覧です: どじょうの頭は左へ左へ:

» 坂の上のキノコ雲 「核が戦争を終わらせた」禍々しい原爆神話 [逝きし世の面影]
(放射能の危険性を知らされずネバダ州の核実験場での原子爆弾の威容を眺める、防護服も防護マスクもなしでキノコ雲見物をする米軍兵士。 到底正気とは思えないが賭博と売春が合法の歓楽の街ラスベガスでは核実験が繰り返された1950年代には観光客相手の気楽な娯楽...... [続きを読む]

受信: 2012年10月12日 (金) 10時42分

» アメリカ:一党独裁国家 [マスコミに載らない海外記事]
アメリカ:一党独裁国家 マフムード A.B 共和党やら民主党に投票しても、なぜ同じ結果になってしまうのだろう。「選挙」と呼ばれているお笑いぐさが、アメリカが一党独裁国家であることを示している。民主党も共和党もイルミナティの手先。 連中、各党違うがごとき芝居をうっているが、要するに民主党も共和党も、「全世界制覇」というイ... [続きを読む]

受信: 2012年10月12日 (金) 14時00分

« 冬鳥いらっしゃい | トップページ | ノーベル平和賞に「EU」!? »