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2012年9月28日 (金)

なぜ中国はそんなに怒るのか

 ずーと不思議でいたことである。国有化がそんなに悪い事なのか。そこへ毎日新聞の謎解きが続々と出てきた。1面で”中国で「野田・石原陰謀説」”、さらに2面の”国有化時期が刺激”へと続く。

 さらに3面、西川恵専門編集委員による解説は”「国有化」中国の誤解”と題し、国有化の認識の違いを説明する。中国関連記事は4面、5面、6面と続き、10面、11面には見開きいっぱいに、これまで起きた日中摩擦の顛末や内外各方面の見解など、年表も加えて特集している。

 大新聞が1面で陰謀論を記事にするとは異常なことである。つまり石原の計画は国有化へ持っていくため、あらかじめ国と示し合せた芝居だという説が国内で浸透しているのだという。

 日本国内で見ると笑止千万だが、中国ではこの手の政治活動が頻繁に行われるのだろうか。そういえば習近平や温家宝などが「一連の日本の行為は茶番だ」とコメントしているが、それをいうのかもしれない。

 塾頭が中国を訪問したのは、北京オリンピック直前で北京は建設ブーム真っ最中、どこもかも土埃のせいかかすんで見えるような時だった。昔からある都心に近い平屋の住居を次々にこわし、都市施設とか高層ビル街にする目的だ。

 中国人の説明では、中国の土地は国有で、個人はそこに居住する権利を所有し、売買も可能だが、国が必要とすればわずかな補償でその権利は回収されるのだそうだ。

 だから国が買い取るということは、当然そこに国の意向で競技場を作るとか高層ビルを作るとか、より積極的な利用を前提とすることになる。つまり尖閣を国で買うということは、そこで国家的事業を展開するため、というのが中国の常識になる。

 塾頭は、かつてそんな認識の行き違いがあるのかな、と思ったが、その程度のことなら当然双方で説明しあえば納得できる範囲内のことだと思っていた。この度の毎日新聞記事は、認識の差を表面化させたわけだが、今回のことはそんな単純で楽観視できる要素だけではあるまい。

 暴力デモの規制は厳しくなったようだが、中国当局の内外に向けた対日強硬論は衰えを見せずエスカレート一方だ。首脳部の権力闘争の影響は前から説明されていたが、国連における発言など中国マスコミが連日のようにトップでこれを伝えるなど、国内世論に向けた宣伝の色彩が強くなっている。

 つまり、国内権力A派、同B派があって、それぞれ理由に違いがあっても国民の関心を日本叩きに向けておくことがA、Bいずれにとって好都合、ということで一致しているのではないか。

 振り上げてしまった拳は、あまりにも影響が大きく、沈静化には長い期間を必要とするだろう。ここに至った政治家の責任は、日中双方とも負わなければならないことだけはたしかだ。

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コメント

今日の毎日紙に、日本の野田や安倍など50代の政治家の危うさを指摘する記事がありましたが、以前なら自民党などは70代から谷垣禎一のような60代の政治家がトップだった。
今の50代の政治家の一番の問題点は、そもそも『戦争を知らない』し、自分の世代とは無関係として、知ろうとしないことではないでしょうか。
これでは国内はともかく、外国相手では揉めて当然です。
韓国の金星煥外交通商相は27日、ニューヨークの国連本部で韓国記者団と会見し、島根県の竹島(韓国名・独島)や従軍慰安婦問題に触れながら、
『かつての日本の政治家は、ある程度、自分たちがしたことに申し訳ないとの気持ちがあったが、戦後世代はそのような気持ちがない。これは歴史をしっかりと教えていないからだ』
と語ったと聯合ニュースが報じた。
田中角栄とか大平など40年前の指導者と、今の野田や安倍との大きな違いとは、まさに今回韓国の外相が露骨に指摘したように、日本『戦争責任』や敗戦を意識しているかしていないかですね。

投稿: 宗純 | 2012年9月29日 (土) 11時41分

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