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2012年9月12日 (水)

土佐藩と維新の会

 大坂の陣で敗れた豊臣側の長宗我部氏に代わって、山内氏が占領軍として土佐に入り領主になった。山内は地元に根付く武士を一切採用せず、主に東方から新規の家来を募集して新政権を築いた。それだけにとどまらず、山内藩は両者に徹底的な身分差別制度を設け、地元の武士を郷士(下士)として農地開拓などに従事させた。

 このため、志ある郷士はつぎつぎと脱藩し、幕末、尊王攘夷の荒波の中でそれぞれが持てる能力と思惑で活躍する。今の政治家が盛んに持ち上げる坂本竜馬もそのひとりであった。

 土佐勤王党というのもあったが、血を血で洗う内部抗争で結局は瓦解、薩長同盟を仕掛けた竜馬も暗殺にたおれる。こうして、戊辰戦争の先陣を錦の御旗を押し立てた薩長が競いあい、土佐は後退する。維新後の権力は薩長が主導権を握った。

 徳富蘇峰はいう。
 「土佐人ご当人たちは他を妥協せしむる力があっても、自分たちを妥協させることは上手ではなかった。もし薩長を妥協せしめたように、土佐を一緒にしてやったならば、薩長のおよぶところではなかったであろう」
 つまり、薩摩の芋畑、長州の蜜柑畑の肥料になってしまった。(奈良本辰也監修『幕末・維新おもしろ事典』)

 竜馬から「船中八策」のアイディアを借りて発足した「維新の会」。衆院選の候補の選び方など、どこか土佐藩と似ていると思いません?。土佐出身の人は、強い改革の意志を持ちながら南国独特の明るさもあって、いま一つつめが甘い。

 せっかく意気込む橋下さんには悪いが、「八策」が実を結ぶ前に、功をあせって身内からの瓦解を招いたり刺客にやられたりして、土佐藩の二の舞を踏むかもしれません。自・民の肥料になるだけなどと言われないよう、くれぐれもご注意のほどを。塾頭の老婆(爺)心です。

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コメント

「血を血で洗う内部抗争」とは、韓国の歴史ドラマではありませんが、世界中の何処の国にも、そういう歴史は繰り返されてきたことはある筈だし、だが、こんなことをしたところで、結局は多くの犠牲者ばかりを生み出し、それが、お互いに禍根となり憎悪となり、再び、繰り返すことになるしか無いのは、自明のことでしか無いと思うと、余りにも愚かでしかも邪悪なものでしか無いと同時に、もう此れ程悲しいことはございませんよね。
橋下市長にしても、坂本龍馬の真似事をしているつもりなのでしょうが、結局のところは、肝心の坂本龍馬の足元にも及ばないどころか、ご自分の利益や欲望のことしか考えていないのは、戦前の何処かの国ではありませんが、単なる跳ね返りの愚か者としか言い様が無いのは、あの石原都知事とも変わり無いし、韓国の大統領とも変わり無いとしか感じませんよね。
自民党にしてみれば、あの小泉暴政ならびに野田暴政と同じことを仕出かそう等と言う魂胆も、ある程度は見え見えのようにしか推測されてもおかしくは無いし、今度は橋下暴政なんてことをして、亡国ニッポンを蘇らせる様なことだけは、断じて許されるものではございませんよね。
ならば、国民全体で、騙されたふりをして、こうした亡国ニッポンの甦り集団みたなところには、そっと静かに背いて、投票しないようにするというしか無いのでは無いでしょうか。
そうすることで、こんな身勝手な共同体というものを、大崩壊させた上で、物凄い痛みや苦しみ、悲しみにより総懺悔するのは、これまでの代償として自明のことでしか無いわけですが、国民全体で、こうした痛みや苦しみ、悲しみを共に分かち合うことで、これを乗り越え、幾らでも身を縮めながら、ただひっそりと生きて行くことで、自分の利益が他人の利益に繋がることだけをすることで、日本経済を共に支え合い、助け合い、分かち合いながら、幾らでもただひっそりと静まり返った社会に安定化させることで、共に幸せに暮らして行くことが出来る様な、新たな連邦共和制による分権型統治機構へと変革させることで、それが日本の国益になると同時に、アメリカや中国、ロシアをはじめ、韓国、北朝鮮の他、アジア全体から、世界中の全ての国々に至るまでの他国の国益にも繋がるような心豊かな外交を展開出来る様にすることで、全人類が一つの絆となって、世界経済を共に支え合い、助け合い、分かち合いながら、戦争や紛争も無くなり、国際社会全体の平和と安定を齎すと同時に、地球環境全体への恩返しをすることで、共に幸せに暮らして行くことが出来る様になりさえすれば、もう何も言うことは無いし、日本は、グローバル競争には喜んで敗北し、幾らでも競争力は衰退し、弱体化させて経済規模を縮小させることになっても構わないのだし、収入が増えれば増える程、幾らでもたくさんの税金や社会保険料を喜んで払ってあげることだけを大いに誇りとしていけば、富裕層になればなるほど、幾らでも喜んで肩身の狭い思いをすることだけを誇りとして、世界に発信していくことと同時に、日本人が自ら無欲化することで、極端な富裕層と貧困層の両方が幾らでも減り、中間層の増大を齎すことで貧富の格差だけが縮小することを大いに誇りとして、喜んで節電に協力し、無駄な消費も抑制し、エネルギー需要の大幅な削減に繋げて行くことで、資源や食糧等の輸入を減らし、その分は、どうぞ中国や韓国にでも廻してあげて下さい、とで言ってあげると共に、エネルギーや食糧自給率を幾らでも向上させていくことで、ただひっそりと自立しいていくことで、そっと静かに対米従属から離れて行く様にすれば、それで良いのでは無いでしょうか。

投稿: asa | 2012年9月12日 (水) 11時06分

asa さま

さかのぼれば数十万年前、肉食獣のような鋭い牙もなく、草原をかけ抜けるスピードある足もなく、相手をひるます力も大きさもなく、身を守る毛皮すらない。ただ頭が大きいだけで、外敵の攻撃をたくみにかわし、安全に生き残る知恵を最大限発揮した。

これですな。人類が絶滅しないようにするには。

投稿: ましま | 2012年9月12日 (水) 13時10分

 マーク・ブキャナン著坂本芳久訳「人は原子,世界は物理法則で動く」白揚社2009.06.20.刊行の第6章「協調する原子」p.191に,

 ・・・・真の利他主義はいささかも不適応ではなく,それどころか,われわれ人類という種が繁栄してきた鍵である可能性を示唆する。利他主義が社会をまとめる一種の接着剤になってくれたおかげで,我々の祖先は力強く柔軟性に富む集団を形成することが出来たのではないだろうか。結局のところ,われわれ人間はそれほど貪欲でも自分本位でもない。恐らくは本物の思いやりのようなものが進化した筈で,今でもそうした思いやりは,現在の世界を思っている以上に素晴らしいものにしている社会の様々な一体性を保つうえで,極めて重要なのかも知れない。我々人間には,協調する習性が生まれつき染み着いているのである。

という記述が有ります。asa様,ましま様の仰ることを裏付けていますね。Might is right.やEgo is right.の人も多いでしょうが,コミュニケーションを良くとって(思いやりの精神を発揮して),自己を制御・抑制(江川坦庵の言う「忍」)し,協調させるように,人々を教育し直すことが,これからの世界発展の鍵でしょうね。

投稿: 弥勒魁 | 2012年11月 3日 (土) 05時15分

猛獣の餌食になる小動物、例えばスカンク。例の相手を傷つけない武器一発で猛獣はすごすごその場を立ち去ります。

猛獣の方はそれを恨んで仕返しをするということでなく、学習するわけです。人間はいちばん賢いはずなのに、この学習能力が猛烈不足している。だから「反戦塾」もやめられないわけです(笑)。

投稿: ましま | 2012年11月 3日 (土) 09時05分

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