« アジアもアメリカも変化する | トップページ | 原発→エネルギー政策論の欺瞞 »

2012年8月 3日 (金)

続・お騒がせマン、石原都知事

 前編を書いてからひと月近くたった。尖閣諸島買い取りの話、前触れの勢いはどこへやら、いぜん膠着状態のようだ。「これは簡単にすむ話ではないぞ」という素人の直感がその通りになった感じだ。あと始末をまかせられた猪瀬氏は、オリンピック誘致行脚同様ご苦労なことである。

 続編を書くつもりはなかったのだが、前編に買収費の寄付集めや買収金額について「いかに地下資源で脚光を浴びたと言っても、島は島であって石油鉱区ではない。都心じゃあるまいし13億もの値段がつく物件ではない」などと書いたところ、反発含みのコメントをいただいた。

 最近、「週刊文春8/9号」に同島地権者「借金40億」といったタイトルがあるのを新聞広告で目にした。前記事をフォローするような信頼性の高い内容があるかどうかを立ち読みで確かめ、資料に登記簿や固定資産評価の公的資料などを使っているので買ってきた。

 以下は、前編に付け加えるべきそのサマリーである。

a:「古賀家の当主が亡くなった昭和50年前後、尖閣は古賀家と付き合いがあった栗原家に数千万円で譲渡された」

b:「不動産登記簿謄本によれば、三菱東京UFJは一昨年3月末、(栗原)國起氏が所有する物件に極度額24億5000万円の根抵当権を設定。(中略)埼玉県信用金庫も昨年9月29日、大宮区内の不動産に極度額15億円の根抵当を設定している。両者合わせて約40億円にもなる。しかも実際の土地の価値と比べると、明らかに過大な融資である」

c:「今回問題になっているのは、魚釣島、北小島、南小島の3島。10年前、自民党政権時代の政府はこの3島について賃借権設定。3島合わせた賃借料は当初の年2256万3912円だったものが、2006年から2450万7600円に値上げされている。」

d:「石垣市が発行している固定資産評価証明書によれば、昨年1月現在で3島合わせた評価額は6018万3125円(中略)たった6000万の価値の島に、政府は毎年2400万も払っているわけだ」

 【塾頭注】a:譲渡の時期、金額が特定されていないのは、沖縄の地方法務局での登記簿確認をしていないのでは。
b:同様の理由で尖閣に抵当権設定があるかどうかは不明。根抵当権設定限度額合計が即融資額ではない。
c:賃借権登記というのは非常に珍しいケースだが、賃借料は政府資料でもわかる。

 都の予算で購入するためには都議会の承認が必要である。そこで窮余の一策として募金を募るということになったが、それが14億円ほどに達したらしい。同誌は、都政関係者と称する取材先から買収額は上限20億円という暗黙の了解が成立しているという証言を得ているが、交渉が混沌とした状態から抜け出している様子はない。

 これを国に無償譲渡することになるのかどうか不明である。その場合の不動産鑑定や所有権移転手続きなど、石原都知事の一存で決めるようなことはまず不可能である。20億円は地権者の負債解消に必要という以外に根拠がない。寄付をした人はそれに協力させられるということになってしまう。そして、その都政関係者に次のように語らせている。

 「でもこの募金、匿名での寄付も多く、もし購入計画が頓挫したら完全に宙に浮く。返すに返せませんから。そうすると詐欺と同じことになってしまう。都としては引くに引けない状態にみずからを追い込んでしまったのです」

|

« アジアもアメリカも変化する | トップページ | 原発→エネルギー政策論の欺瞞 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

そもそも、こんなこと自体が石原都知事による単なる我欲以外のなにものでも無いし、このお方にしてみれば「最後のご奉公」のつもりなのでしょうが、まともな日本人から見れば「最後の悪あがき」に過ぎないとしか言えないし、最初から聞いて呆れるばかりで、それこそアメリカや中国と共に、幾らでも腹の底であざ笑うしか無い間抜け話でしか無い事ぐらいは、見透かすことが出来て当然のことですよね。
だとすれば、こんなところに金を出す方も出す方でしか無いと思いますが、どうせこんな計画自体は頓挫するしか無いのは当然のことでしか無いと最初から分かっていたなら、東京都で集めた寄付金そのものは、東京都が騙されたふりをすれば、これをあの中曽根大震災をはじめとする被災地の方々のために廻してあげるなり、東京都民のために、慎太郎大震災をはじめ、これまでの都政の尻拭いにでも使うなりすれば良いだけのことでは無いでしょうか。
だが、中には返して欲しいと言う人に対しては、きちんと返してあげれば良いだけの話だし、どうせ最初から騙されたふりをして寄付してあげたと言う人も数多くいることを思えば、大して気にする必要なんかどこにもありませんよね。

尖閣諸島でなければ、竹島や北方領土の買取にでも廻すなんて話も出てくることは想定できますが、北方領土ならともかく、竹島を買い取る様な真似だけは、絶対にしないように留意する必要はありますよね。
仮に中国に立場を置き換えれば、尖閣諸島を日本の国内取引に基づいて、買い取ることと同じことでしか無い分けだし、これ自体は、あの韓国の歴史ドラマの中での清国との裏取引と変わらないことを思えば、これを日本の大河ドラマの世界に置き換えて、清国を、倭国に置き換えれば、あの朝鮮出兵を仕出かした豊臣秀吉に対して、朝鮮王妃が騙されたふりをして、「どうぞ私の国を攻め滅ぼして下さい」なんて言って来ることと変わり無いし、この時の朝鮮国王が徳川家康なら、最後には豊臣家を根絶やしにされたのと同じことをしたであろうし、これが織田信長にでも置き換えれば、朝鮮王朝はどうなっていたかと想像するだけでぞっとしてしまうし、お互いにとって此れ程不幸極まり無いし悲しいことでしか無いと理解できて当然のことですよね。
仮に竹島を買い取るために韓国にこの寄付金が流れれば、わざと騙されたふりをして、アメリカからオスプレイを購入し、それを竹島に配備するなんてこと位は容易に想定することも出来ますが、いずれにしても両国にとっては何の国益にもならないばかりか、世界的に見れば、日本も韓国も単なる間抜け国家でしか無いと幾らでも腹の底で嘲笑われるだけのことでしか無いと思うと、日本の国民にしても韓国の国民にとっても、お互いに悲しいことでしか無いこともお分かりですよね。

投稿: asa | 2012年8月 5日 (日) 12時46分

「まんが」みたいなお話になったが、そんなことをいうと「まんが」に失礼ですね。(゚▽゚*)

投稿: ましま | 2012年8月 5日 (日) 17時38分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/468248/46569482

この記事へのトラックバック一覧です: 続・お騒がせマン、石原都知事:

» 欧米の日本いじめか オリンピック開会式から強制退場 [逝きし世の面影]
『赤い上着の日本選手団の前に立ちふさがって、行く手を阻む係員達』 前回記事で『いじめは日本の伝統文化』と書いたが、現在イギリスで開催されているロンドンオリンピックでは『日本』が陰湿ないじめ被害にあっているようです。 共同通信のロンドン発8月01日『聖火...... [続きを読む]

受信: 2012年8月 4日 (土) 11時17分

« アジアもアメリカも変化する | トップページ | 原発→エネルギー政策論の欺瞞 »