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2012年8月11日 (土)

「敗戦」は認めよう

 塾頭はこれまで何度も3.11は「第2の敗戦である」といってきた。これを単に誇張のための「修辞」ととった人はすくなくないだろう。敗戦で受けた精神的、肉体的、経済的辛酸は、覚悟しなければならないと考えた人はどれだけいるだろうか。

 李明博大統領が竹島に上陸した。その前ロシアのメドベージェフ首相も国後島に上陸している。尖閣諸島は何度も取り上げているが、中国の一部から平和的手段によらない方法で……などと脅かされている。

 アメリカのロムニー共和党大統領候補まで、「われわれは日本ではない。10年あるいは1世紀にわたる衰退と苦難に陥っている国にはならない」と、見捨てたようなことを言う。オリンピックでは韓国との男子サッカーをはじめ、メダルは中・韓へどんどん流れていく。

 これらに悔しがって、きりきり舞いしている人は多いだろう。そういう人は第2の敗戦を認めない人に多い。巨大な財政赤字をかかえ、少子高齢化に行く手をはばまれ、政党・政治の無能は目に余る。そこへ大震災が襲い、原子炉を4つも破壊したのだ。

 これはもう敗戦そのものだ。周辺諸国が競って水に落ちた犬を叩くような行動に走ろうとするのは、自然の成り行きだ。毅然とした態度を保つのは当然だがなんとしても手遅れ。またこんな時にオリンピックに勝てないのもあたりまえだ。この際あっさり「負け」を認めるしかない。

 話を飛躍させるが、塾頭は消費税引き上げに8割がた賛成なのである。戦争で膨大な赤字国債を発行していた。そこに敗戦にともなう諸費用もまかなわなければならない。終戦後約半年で日銀券発行残高は2倍にも達した。インフレ、食糧難で餓死者もでる始末。預金を封鎖され、1月500円で生活しなければならない「新円切替」の記事は過去にも書いた。

 しかし、それで経済復興が叶うわけではない。ひきつづき財政を緊縮し貿易のための為替レートを設定できるよう、米政府からの圧力もあった。当時そのために派遣された特命全権大使の名をとり「ドッジ・ライン」などと言われた。それが、今にすれば消費税に相当する苦渋であることは誰もが知っていた。

 企業の倒産、くびきり、就職難という暗いトンネルを抜け出せたのは、朝鮮戦争の特需と敗戦から立ち直ろうとする国民の熱い意欲だったと思う。国民は福島事故の厳しさを目の当たりにして、「精一杯節電をしよう。原発依存を打ち切るためには電力料金値上げもやむを得ない――」と、敗戦をいさぎよく認めて次に進もうとしているのだ。

 そもそも、敗戦を認めてもらいたいのは、長年にわたった自民党の政治と、公約の実現を捨て国民の期待を踏みにじった民主党である。それに頬かむりしたままの消費増税法案や原発政策に国民が心から声援を送ると思うの面々には、「恥知らず」という言葉がふさわしく、復興のさまたげである。早く退場してもらうしかない。

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