« 李 明博のファッション | トップページ | 尖閣・竹島・北方解決方法 »

2012年8月17日 (金)

大阪維新の会は脅威か

 まず、当塾の2年10か月前の記事を見ていただきたい。鳩山内閣の頃のものだ。今回、大阪維新の会と自民党安倍元首相のとの間のいろいろな動きに対し、当塾と同じような立場を取るブログの多くが憂慮と警戒をかかげている。これに関連して意見を書いてみたいと思った。

 その参考にするため過去の記事を見返したら、以下の通りそのまま今に通用するのではないかと思うものがあった。従ってリンクではなく復刻版にすることをお許しいただきたい。(太字は塾頭)

------------------------------
2009年10月 7日 (水)
新保守(ネオコン)の芽
 自民党の安倍元総理に近い自民党議員や平沼赳夫無所属議員で構成する新保守グループ、真・保守政策研究議員連盟は、有力議員の落選や党内の穏健派谷垣総裁の誕生、さらには会長・中川昭一議員の急逝で、かつての威力を失ったように見える。(「ネオコン」というと、アメリカのブッシュ政権を支えたスタッフの意味になるので、日本のそれは漢字で「真」ではなく「新」保守とした)。

 それに、政権を奪った鳩山内閣は「友愛」や東アジア共同体を表に出した新外交政策で、予想をこえる足場を築くことに成功した。民主党内閣には、松下政経塾出身でかつて「タカ派」と目されていた大臣が二人加わっている。

  政権党となってそれなりの要職についたこれらのタカは、ハトは無理としてもトンビぐらいになって鋭い爪は隠し続けるに違いない。つまり、野党分裂などの政局があっても、新保守グループに同調、これに加わるとは考えられない。しかしそこらをにらんだ「新保守の芽」には注意が必要だ。

 世界の国々が、競争力を強化しようと奔走しているからだ。世界の景気が再び落ち込むと言われているが、日本は構造改革なしにどうやって生き残るつもりなのか。

 今後、日本は間違いなく世界の激動に飲み込まれていく。たとえば、軍事力を強化している中国が、経済発展の行き詰まりから台湾に侵攻するような冒険を犯さないとも限らない。その場合、シーレーンを中国に抑えられれば、日本の物価や通貨はかなり不安定になるだろう。

 日本の存立基盤が根底から揺さぶられようとしているときに、「子供手当て」のような国民へのサービス合戦を展開している場合ではない。(以上DIAMOND online 09/9/28より)

 これは、山田宏東京・杉並区長のインタビュー発言である。最近はほとんど聞けなくなった新保守アナクロニズムの丸出しで、反・民主党の立場も鮮明にしている。彼は松下政経塾第2期生で日本新党から立候補、細川政権を立法調整委員長として支えた。

 すなわち原口一博前原誠司両大臣の大先輩で、塾出身者の中では随一の指導力・統率力があったとされる。在塾当時からの「新党結成論者」で、長浜博之野田佳彦氏らと「志士の会」を結成、血判状をとったという芝居じみた話もある。

 区長の任期はあと1年あるが、国政を目指した彼にとって、現職大臣である後輩の後塵を拝す屈辱の中にいる。こうなったのは、細川政権のあとの野党の離合集散で、メンバーの去就がばらばらになって裏切られた思いから、中央政界に見切りをつけ、区長戦に転身したことによる。

 全く事情は違うが、塾出身で小池百合子議員の秘書から議員となり、民主党の支持を含め3期連続当選しながら横浜市長戦に鞍替えした中田宏がいる。彼はこの衆院選が日程にのぼる頃、突如横浜市長を辞任したことで世間を騒がせた。

 補欠選挙は衆院選と同日に行われたが、辞任に納得のいく理由は示されていない。ただ、山田杉並区長と行動を共にするということが明らかになっているだけだ。彼の企画した横浜港開港150周年イベントの有料入場者が予定の40%しかなく、大赤字になることがはっきりしており、責任追及が避けられない状態ではあった。

 また、当初のはなばなしさに反して女性問題など素行面でも市民の評判は低下、相乗り議会のもと民主党関係者の信頼も高くなかったようだ。自己顕示欲が強く野心満々のところは山田区長と似ているが、すでに松下塾の同窓は頼れない。

 山田氏の新党へのこだわりは決して失せることはないだろう。二人ではなにもできないが、地方自治の経験をてこに橋下大阪府知事を巻き込むことができれば、ひと波乱起こせる可能性がある。さらにその母体に新保守グループを持ってくると、場合によればだけれど要注意信号だ。

 しかし、塾出身者でまとまるということは、それぞれ一匹狼的な側面が強く、ことにその最大勢力である民主党から求めることは絶望的であろう。そうすると反・民主党を旗印にするしかなく、かといって谷垣自民党の是々非々野党ではインパクトがない。

 橋下も日和りまくっている。東国原は使えない。当分は新保守の主導権を目ざして空しい過激発言を繰り返すしかないだろう。(本稿は出井康博『松下政経塾とはなにか』その他を参考にしました)
------------------------------

 最近の維新の会や安倍周辺の動きに対し、塾頭の結論をずばりいうと「賛成」である。できるだけネオコン色の強いメンバーだけを結集してほしい。選挙で大勝するかもしれないがその分自民党・民主党のリベラル派が誰かが浮かび上がり、選挙民の選択がしやすくなる。

 あるいは、その動きによっては、社民党まで含めたリベラル新党結成の起爆剤になるかもしれない(そういった動きがなかったことや、維新の会などに先手をとられたことはリベラル派の怠慢といってもいいのかも知れない)。

 そういえば前出の「志士の会」血判上には河村たかし名古屋市長も参加していた。血判状とは指に刃物を当てその血液で拇印を押した文書だ。血判だとか指を詰める(切り取る)など、戦前右翼とかやくざがする野蛮な行為で、常識人のすることではない。

 名古屋では市長と大村愛知県知事が先陣争いで大喧嘩になっている。血判状は取らなかったのだろう。ことほどさように右翼は結束して事に当たるということに弱い。大阪維新の会も大きくなればなるほど致命的な弱みが出てくるだろう。

 それよりリベラル派に結束する動きがなく、脱原発や9条、外交、安保再構築などが危機にさらされている現状の方に、より大きな危機感を抱かざるを得ない。

|

« 李 明博のファッション | トップページ | 尖閣・竹島・北方解決方法 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

大阪維新の会については、すでに地元では先行き不安が感じられ始めています。直接のきっかけは、大阪都構想に向けての目玉政策の一つであった公募区長の評価が低い事にあります。報道ではツイッターで暴言を吐いた淀川区長の件が伝えられましたが、そこまで行かなくても行政の実務能力を欠いた人々ばかりという評価が早くも定着しつつあります。あれほどの応募者があってこの程度の人材しか集められなかった事に橋下市長も焦っているようだと聞きました。20名余りの公募区長でこの調子ですから、国政選挙に向けて集めなければならない人材のリクルートについては相当苦しみそうです。
保守の結集軸になる前に相当の変容(場合によっては失速)を余儀なくされると思います。

投稿: 匿名子 | 2012年8月17日 (金) 17時02分

公務員の政治活動を厳しく糾弾しておきながら、自身の維新の会には大勢の公務員応募者がいて受け入れたとか。

とにかくここまでくれば大阪人も受け入れかねるのではないかと思います。むしろ他府県人が人気をあおっているような、最近はそんな気がします。

テレビの視聴率ならそれでもいいが、国政を人気で決めるのは限界があることを、選挙民は知らしめなくてはいけないでしょうね。

投稿: ましま | 2012年8月17日 (金) 19時27分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/468248/46719655

この記事へのトラックバック一覧です: 大阪維新の会は脅威か:

« 李 明博のファッション | トップページ | 尖閣・竹島・北方解決方法 »