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2012年8月 1日 (水)

アジアもアメリカも変化する

 日本の周辺で何かが起こっている。確かなことはわからない。変化は少しずつあるは急にやって来るかもしれない。離党だ不信任だ解散総選挙だ、そんなことにお構いなく世界は動いていく。それを間断なく監視し、有力な情報や判断のかてを政府にもたらすのが有能な外交官であり、外務官僚である。

 政治家は、広い視野に立って適正な判断を下し、将来に禍根を残さないよう外交政策を構想し、官僚を誘導するのが役目である。にもかかわらず、目先の政争のいけにえとして大使の首をすげかえたり、関係大臣をめまぐるしく入れ替えることしかできていない。国家百年の計を誤り、再び亡国の道をたどらないよう祈るしかないのだろうか。

【北朝鮮】金正恩が大将から元帥になった。その裏に、金正日総書記のお気に入りだったと見られる長老の李英浩朝鮮人民軍総参謀長の解任があった。延坪島(ヨンピョンド)砲撃などの対韓対立路線、核実験、ミサイル発射など強硬路線の担い手と目され、階位の次帥は大将の上に位置していた。

 真相は分からないが、逮捕に銃撃戦まであったともいう。後任には金正恩の後見人とされ、中国の受けもいい義理の叔父・張成沢の推挙による文民の党人があたるという説がある。ここから、柔軟な改革開放政策が急速に進むという観測も盛んになって来た。

 政治に直接かかわりがないが、金日成のもと料理人として正恩やその母を含む金ファミリーとも深い接触を持っていた藤本某氏は、各TV局に引っ張りだこだったが、最近、正恩第一書記の招待を受け平城に飛んだ。

 あまりファミリーの内輪話をしゃべり過ぎるということで、口封じまたは迷惑な人物として呼び返したのではあるまい。拉致問題などでこう着状態が続く日朝間に、普通に話のできる糸口となるべき人材に目をつけたということではないか。そういった柔軟性を持つ国への変化は見逃してはならないだろう。

【中国】日本の防衛白書に、中国の国防費増加や軍事力近代化、南・東シナ海などの活動活発化などをふまえ、「軍事や安全保障に関する透明性の不足が、我が国やアジア地域・国際社会にとつての懸念事項」という表現を使うのは本年度で3年目である。

 その上で「共産党指導部と人民解放軍との関係が複雑化しているとの見方や、対外政策における軍の影響力が変化しているとの見方」があると述べている。それは、一部の強硬派将官がメディアでナショナリズムをあおる「非平和的手段の活用」つまり尖閣諸島への軍事施設建設を求めるなどと主張するのを、報道機関が流すことにも関連しているだろう。

 これらの変化は、北朝鮮と全く反対で、一見人民解放軍の権威が高まり、好戦的強硬派の支配が強まってるように見える。その裏には、今秋の胡耀邦総書記から習近平への権力移行を前に、党政治局や中央人事委員会のイスをめぐる激しい派閥争いや権力闘争があり、人気獲得のためだという解説が多い。

 保守派の重慶市党委員会書記・薄煕来の失脚はその一環で、日本にすれば橋下大阪市長が突如追放されるような大事らしい。今の中国は、憲法上は党が最高権力で党のための人民解放軍、行政各機関があるが、国が大きく組織も膨大で、水も漏らさぬように統率するのがいかに困難であるかを物語る。また、北朝鮮のような独裁者がいるわけでもなく、人事も上にいくほど同じ人が兼任しており相互のチェックは機能しにくい。

 このため、何がどうなっているのかわかりにくく、その中で指揮命令系統がしっかりしており多くの利権を手中にしている軍の力はやはり大きい。マスコミも党宣伝部の統制下にある。軍の代弁をすることは利益であり、過激なナショナリズムで発行部数を伸ばすことも考えられる。

 もともと大衆向けの政治宣伝(プロパガンダ)に端を発している。だからといって安心はできない。日本の歴史を見ればわかる。政府の意向に反して事を起こし、天皇の意向に反して戦線を拡大し、政治テロリズムに手を貸したのが軍部であることを想起しなければならない。

 日本は相手のペースに乗る必要は一切ないが、主張は正しく伝えるべきだ。かりそめにも、眠れる獅子を叩き起こすような愚を犯すべきではない。

【アメリカ】アメリカの世界戦略に乗り、安保条約を生かして日本の安全保障を担保し、幻影と化した「核の傘」に乗る。その反対給付として、世界で最も住心地のいい基地を費用日本持ちで提供する。その上集団的自衛権と称して憲法を形骸化し、日本から遠く離れた紛争地へ米軍の肩代わりとして兵員の派遣をしてアメリカの意を得る。これが日本外交の指向するところであった。

 アメリカが莫大な経費で開発したオスプレイの実用化に向けて、狭い国土を縫うように這うように訓練のため使用する。経済でも落ち目の日本にこんな要求を押し付けるのは、無理なのではないか、さすがにアメリカでもそう思い始めたようだ。

 普天間利用も辺野古移転も、日本政府の言うことは信頼できず見通しも暗い。日本の基地のあり方について再検討も始めるべきではないか、日本の外交・防衛官僚の悲願にもかかわらずこんな意見もではじめるだろう。TPPもすでに鮮度が落ちた。無理をすることもあるまい。今の政権にその時の用意はもうできているか。無理ですよね。

 

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