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2012年8月 6日 (月)

原発→エネルギー政策論の欺瞞

 政府が今月中に将来にわたる原発政策を決めるため、各地で意見聴取とか討論会を開いている。目的は、2030年度で原発依存度を0%、15%、20~25%のどれにするか参考にするためだという。

 いま、市民が毎週金曜日にかつてない形でデモを繰り広げたり、原発再開に待ったをかけているのは、そんなことではない。「もう原発はいらないのだ」という意思表示がさっぱり政府に伝わっていないからだ。

 「しらける」――。こんなことのためこの言葉があるのではないか。政府のやっていることは、将来のエネルギー依存度をどうはじくか、ということである。過去、こんなことを派手に国民から意見を聞いたことなどなかった。

 直接民主主義をやっているのではなく、政府与党の意見統一ができないからやっているのではないか。エネルギー依存度の計算に素人の意見を聞いてどうするのだ。国民は、10年先であろうと20年先であろうと「原発をゼロにします」ということをはっきり聞きたいのだ。

 それを言いたくないのがこれまで原子力村を支えてきた面々で、なんとか原発を残したいため問題をエネルギー需給という矮小化したものにすりかえたのだ。原子力村の中に隠れた憲法のようなものがある。

 それは、「国家安全保障のための原子力」の公理と呼ばれるものである。半世紀にわたつて築き上げられてきた日本の原子力政策の特徴は、国家安全保障のの基盤維持のために先進的な核技術・核産業を国内に保持するという方針をいう。(吉岡斉『原発と日本の未来』より)

(参考記事)
http://hansenjuku.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/f-2eba.html
2012年6月22日、原発推進派の本音は「機微技術」

 もう一つの抜けている観点は、「人々の命と産業発展のどちらが大切か」という点である。これは昭和40年代の水俣病、四日市ぜんそくなどを思い起こし、その後の経過を見るだけで十分だろう。原発はそれらと違って、運転を続ける限り技術的な処理に見通しのない放射能廃棄物が増え続けるという重大な欠陥をかかえたままだ。

 今入ったニュースだが、広島へ行った野田首相が「原発ゼロの選択でどういう影響があるか検討も必要」と言った要旨の発言をしたそうだ。結果は国会が混乱する中で明解な回答が出てくるとは思えないが、とにかく遅い。

 福島事故の原因解明を見た上……といって政策の根本的見直し遅延の理由にしてきた。だから、政府の安全監視やエネルギー政策を決める組織改正が進まず、いまだに人事などでもめている。事故原因がわかるにはこの先何年もかかるだろう。推定でよかったのである。

  昨年中に菅首相の決断で脱原発の方向性が確定し、節約と新(代替)エネルギー開発促進を含む将来計画と原発村解体の手続きが進んでいれば、原発再開などについての国民の不信感はもっと緩和していたはずだ。

 そして、新(代替)エネルギー開発のための地すべり的に民間の新規投資が進み、産業や地方を活気づけ、国民に覚悟と元気を与えることになっただろう。原子力村の抵抗と官僚のサボタージュが皮肉なことに逆効果を生み、国中いまだに混迷から抜け出せないでいるのが現状だ。

 こういったことへの真摯な反省こそ、政治や財界に対し国民が心底望んでいる要求なのだ。

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