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2012年8月

2012年8月31日 (金)

不思議な問責決議

 参院における野田首相への問責決議案。ちょっと前に消費増税案を与党・自公による3党合意で可決したばかりなのに、増税反対の少数野党7会派の決議案に相乗りして通してしまった。

 あと、野党は国会審議に参加しないというが、積み残された重要法案はどうするのだろう。当初、マスコミは谷垣自民総裁のねらいが9月の総裁選前に解散をして、谷垣首相を目指す選挙をしたかったと解説していた。

 野田首相は何の拘束力もなく、意味の分からない問責決議を受けても「淡々として職責を果たす」とするだけで動じない。それに反し、国会が機能不全におちいることの責任は、一方的に野党、特に自民党が負うことになる。

 さらに、衆院の定数を変えないで選挙をすると憲法違反になるおそれもある。それが解決しない限り民主党は解散総選挙をいつまでも先送りする口実ができる。

 公明党は、この変な決議案に欠席で曲がりなりにも筋を通したように見える。これも自公蜜月時代に影がさす第一歩を意味するのかもしれない。この不思議な現象をメディアはサッパリ解説してくれない。そんな中で、たったひとり、自民党の丸山和也参院議員が決議に参加せず身をもって態度で示してくれた。【読売新聞電子版30日】

自民党の丸山和也参院議員は30日、野田首相に対する29日の問責決議について、「(問責可決という)結果だけあればいいという自己矛盾の茶番劇だ。決議には法的拘束力もないのに、これで審議ストップと言ってみても、衆院解散も内閣総辞職もない」と述べ、党執行部の対応を批判した。

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2012年8月28日 (火)

世界最古の米食文明

 世界最古の文明といえば、現在のイラクを中心に栄えたメソポタミア文明、インドのインダス文明、エジプト文明でいずれも5000年も前の事だと教わってきた。そしてその3つの文明は、発見された遺物を通じてお互いに無縁のものでなくリンクしあっていた。

 その文明は、宗教、言語、習俗など幾多の変遷や経緯を経ながら共通の西欧文明に到達する。以後歴史時代に入って、文明のリード役は終始西欧であって、東亜やその他の大陸の文明はそれに追随し従属するもの、という常識がまかり通っていた。

 中国には夏といった国が、前述の文明より約1000年遅れて黄河流域に発生した。文明としては孤立した独自の中華文明を発展させた。ところが近年、中国の長江流域に都市を思わせる巨大な遺跡の存在が明らかになった。

 そこから、最古の文明とされてきた5700年前のチグリス・ユーフラテス川のほとりよりさらに古い約6500年前のものと思われる世界最古の水田跡が発見され、その後も約2000年にわたる文明が存在することがわかった。

 麦作農耕でパンを食べ家畜のミルクを飲み、その肉を食べ、毛皮を身につける西欧の文明と、コメを育て鵜飼で魚を捕り、発酵食品を食べる習慣、漆や絹を利用する文明は明らかに違う。長江文明がそれを生み、その伝統は主に山岳地帯の雲南省や貴州省で受け継がれた。

 雲南省の自然や風物が日本によく似ていると言われるが、「徐福伝説の真偽」で書いたように長江文明で育った米作文明はは長江下流から海岸沿いに北上し、江蘇省や山東省を経て海を渡り日本に到達したものであろう。

 民主党が政権に踊り出し、鳩山内閣が「東アジア共同体」を唱えた時、当ブログはカテゴリに、「東アジア共同体」を加えた。それがいつのまにか「価値観外交」に変わり、米・豪・日の環太平洋連帯に比重が移り、このところの騒動で領土問題が米作文化圏を切り裂いてしまった。

 日本人の誇り、アジア人の誇りはかつて存在した。それを無意識とはいえ、破壊したのがマルクス主義を含む西欧文明だ。地球や自然にやさしいのが米作文明でである。もう一度最古の文明に自信を取り戻す、そんな時代が来るだろうか。

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2012年8月25日 (土)

都民が可哀そう

 自らをどじょうに例える野田総理でさえ「品位に欠けることは止めましょう」と国民の前で誓った。竹島や、尖閣など外交紛争を受けての記者会見である。日本の主張と冷静な対応を呼びかけた内容は本塾の主張にも合致しており80点はつけられる。

 一方で、石原知事も昨日会見を行った。当塾は7月20日に「お騒がせマン、石原都知事」、8月3日にのその続編を記事にしたが、知事の職責外の尖閣買収など出しゃばりを批判したものだ。

 今回の会見目的は、都の仕事として尖閣調査船を出すことについてだったようだ。多分、記者の質問に答えた部分から出たものだろう、野田総理が戒めたにもかかわらず、その品のなさが暴発し、かつぎあげた都民でさえ耳を覆いたくなるような低俗なものだった。

 .アドリブ発言と見られるのは「韓国李大統領への中傷」、「中国の政治不安」、「従軍慰安婦」の3つである。各紙の扱い方は電子版も含むので正確ではないが、発表内容だけを扱い、他は黙殺したところ、慰安婦問題だけを省略したところ、品なく全項目社会面でのせた毎日など、ばらばらであった。

「韓国李大統領への中傷」(毎日)

韓国の李大統領に対しては「兄貴が収賄でつかまって、自分もこれから危ないんじゃない? ずいぶん韓国の大統領ってのは終わった後に逮捕されてる」と述べ、竹島上陸を「外交感覚が欠落している」と批判。

「中国の政治不安」(産経)

中国におそらく騒擾事件が起るでしょう。私は近いか遠いか分からないけど、中国の政府が分裂していくと思うし、中国は4つくらいの国になった方が幸せなんです。

「従軍慰安婦」(共同)

「ああいう貧しい時代には日本人だろうと韓国人だろうと、売春は非常に利益のある商売だったから、貧しい人たちはある意味で仕方なしに、しかし、決して嫌々でなしにあの商売を選んだ」と話した。

 李大統領の天皇への侮辱発言は、国家元首に対する非礼だという。李大統領も元首であり、仮定の話で現職元首を犯罪者扱いして許されるわけがない。塾頭、なりかわってお詫びする。

 政府が分裂して4つの国になった方が幸せなど、オリンピックを招致しようという首長なら口が裂けても言えないこと。「支那」と言ってはばからない知事。オリンピック、やはり本気ではないんだ。

 従軍慰安婦については、売春禁止法がない時代を知る者として言わんとすることはわかる。しかし「貧しい人」を代表して塾頭に言わしめれば、このようなことを口走る無粋な客には、心も体も売ることを断っただろう。

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2012年8月24日 (金)

猛暑

 猛暑。子供の頃は冬より夏の方が好きだったが今は逆。これからまだまだ続くという。たとえようのないこの暑さ。耐えきれずに思わず口をついた戦時歌謡。

 ♪鉄兜(かぶと)を焦がす炎熱を 敵の屍と共に寝て……
 ♪泥水すすり草を食(は)み……
 ♪10日も食べずにいたとやら……

 軽いテンポに似合わないなんとも残酷な歌詞である。題して「父よあなたは強かった」。そして最後が、

 ♪よくこそ勝ってくださった……

 しかしその戦争は負けてしまった。戦争はオリンピックと違う。かっこよくて勝てると思っている君。君にこんな思いをさせたくない。

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2012年8月21日 (火)

尖閣・竹島・北方解決方法

 政治家は、ご覧のとおり外交問題を解決する手立てがなく、政争の具にするためのあら探しに励む。マスコミは、誰かに操作された偏狭なナショナリズムの映像で対立激化の火に油を注ぐだけ。国民は正しい知識を知りたがっているのに冷静・公平な解説や意見がなかなか出てこない。

 やはり、政府の責任が最大だが、野田どじょうは金魚どころか、鮒にも鯉にもなれずどしょうのままではしょうがない。しかし、隣の大統領が鮎から雷魚に化けたのよりはなんぼかましか。外務大臣は「私としては」など私的感覚で相手のペースにのるのではなく、堂々と正確に日本の考えをくわしく世界に発信すべきだ。

 世界で通用させるために、最も必要なことは、国民の平和に対する強い一致した意志とそれを実現させることができるという確信である。軽薄なナショナリズムで軍事力競争をしても誰も勝者になれないということは、世界ですでに証明されつつある。

 これからの日本に求められるのは、経済大国でも軍事大国でもない「外交大国」である。そのためにも、領土問題は軽視してはならない。それぞれにどう対処すべきか、国民は重大な関心を持って政府に誤った選択をさせないよう監視しなければならない。

 跳ね上がる中国・韓国の民衆にも真実を知る道がが閉ざされている。それをどう切り開くか、また世界に対しても沈黙するだけではむしろ孤立を深めるだけだ。真実を伝えていくために、国民は最低限度こんなこを知っておくべくではないか。当塾夏休みの宿題はそこから始まる。

そもそも昔は【尖閣】も【竹島】も無人島である。【北方】はアイヌの人たちが住んでいた。
・無人島は最初に発見した国のものとなる。それとわかること(標識を立てるとか、法的に確定するなど)をすればいい。これを先占の法理というが、帝国主義の発想として頭から認めない人もいる。

領土問題化した時期は、【北方】と【竹島】は江戸時代から何度も繰り返されてきた。【尖閣】は台湾が米国の沖縄返還間もなく、中国が国連の海底資源調査を見て追うように主張をし始めた。

実効支配は、【竹島】現在韓国がほとんど国家事業のようにして進めている。
【北方】4島を含む千島は、日本の太平洋戦争敗戦により千島全島をソ連が占領した。千島はヤルタ会談でソ連に割譲する密約があったが4島は維新以前松前藩の支配があり千島に含めないというのが日本の主張。最近、ロシアのメドベージェフが2度も上陸。
【尖閣】明治以来日本。明治末期から昭和10年代まで日本人が住み、事業を行っていた。中国・台湾にはそのような実績がない。

日本領編入時期、【北方】日露間の1875年の「樺太・千島交換条約」により千島全体が日本領となる。
【尖閣】日清戦争講和条約直前(3か月)の1895年1月14日。
【竹島】日露戦争の最中、1905年1月28日。
・上記尖閣・竹島両島とも中国・韓国は日本に異議申し立てをしなかったが、日本の強圧のもと異議申し立てができる状態ではなかったとしている。

領土主張の根拠、先占や実効支配の証拠となる文書の類の価値(塾頭)
 ①条約または国家の公文書(100%)
 ②下位機関の公文書(30~50%)
 ③私文書・日記・航海記・地図等(5%)
 ④以上のうち先占を証明する記述がなく島名や位置だけがあるようなもの(2%)
 ⑤以上のうち、国民国家成立以前の中世・古代など古いもの(1%)
 ⑥偽書や誤記の疑いのある物(0%)

塾頭なりの答え
【尖閣】日本固有の領土であることの証明は完全にできる。中・台に対抗すべきものはなく領有権で譲歩する必要はない。ただ、漁業、海中資源等ルールを決めて互いに利益が得られる「ウィン・ウィン」の関係に持っていくことは可能であり、世界にそういった前例もある。

【竹島】国際法上は日本有利だが、幕末・明治当初日本が朝鮮領と認識していた証拠もある。実効支配を追認し、島根県で実績を持つ漁業などに便宜を得るという交渉もあり得るが、李 明博の天皇侮辱発言や従軍慰安婦問題をからめた反日姿勢がある限り凍結不可避。

【北方】日本がポツダム宣言を受諾し連合国に負けたという事実、ソ連がサンフランシスコ平和条約に加わらず、北方領土帰属が未解決のままという、いずれも国際法上の問題としてかかわりがある。したがってプーチンの言うように、「引き分け」とする解決をさぐるのもやむを得ないかも知れない。

関連する補強バックナンバー
http://hansenjuku.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/10-5483.html
2008年11月25日 (火)
朝鮮・韓国10

http://hansenjuku.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/post-26bb.html
2012年5月22日 (火)
尖閣諸島ノート

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2012年8月17日 (金)

大阪維新の会は脅威か

 まず、当塾の2年10か月前の記事を見ていただきたい。鳩山内閣の頃のものだ。今回、大阪維新の会と自民党安倍元首相のとの間のいろいろな動きに対し、当塾と同じような立場を取るブログの多くが憂慮と警戒をかかげている。これに関連して意見を書いてみたいと思った。

 その参考にするため過去の記事を見返したら、以下の通りそのまま今に通用するのではないかと思うものがあった。従ってリンクではなく復刻版にすることをお許しいただきたい。(太字は塾頭)

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2009年10月 7日 (水)
新保守(ネオコン)の芽
 自民党の安倍元総理に近い自民党議員や平沼赳夫無所属議員で構成する新保守グループ、真・保守政策研究議員連盟は、有力議員の落選や党内の穏健派谷垣総裁の誕生、さらには会長・中川昭一議員の急逝で、かつての威力を失ったように見える。(「ネオコン」というと、アメリカのブッシュ政権を支えたスタッフの意味になるので、日本のそれは漢字で「真」ではなく「新」保守とした)。

 それに、政権を奪った鳩山内閣は「友愛」や東アジア共同体を表に出した新外交政策で、予想をこえる足場を築くことに成功した。民主党内閣には、松下政経塾出身でかつて「タカ派」と目されていた大臣が二人加わっている。

  政権党となってそれなりの要職についたこれらのタカは、ハトは無理としてもトンビぐらいになって鋭い爪は隠し続けるに違いない。つまり、野党分裂などの政局があっても、新保守グループに同調、これに加わるとは考えられない。しかしそこらをにらんだ「新保守の芽」には注意が必要だ。

 世界の国々が、競争力を強化しようと奔走しているからだ。世界の景気が再び落ち込むと言われているが、日本は構造改革なしにどうやって生き残るつもりなのか。

 今後、日本は間違いなく世界の激動に飲み込まれていく。たとえば、軍事力を強化している中国が、経済発展の行き詰まりから台湾に侵攻するような冒険を犯さないとも限らない。その場合、シーレーンを中国に抑えられれば、日本の物価や通貨はかなり不安定になるだろう。

 日本の存立基盤が根底から揺さぶられようとしているときに、「子供手当て」のような国民へのサービス合戦を展開している場合ではない。(以上DIAMOND online 09/9/28より)

 これは、山田宏東京・杉並区長のインタビュー発言である。最近はほとんど聞けなくなった新保守アナクロニズムの丸出しで、反・民主党の立場も鮮明にしている。彼は松下政経塾第2期生で日本新党から立候補、細川政権を立法調整委員長として支えた。

 すなわち原口一博前原誠司両大臣の大先輩で、塾出身者の中では随一の指導力・統率力があったとされる。在塾当時からの「新党結成論者」で、長浜博之野田佳彦氏らと「志士の会」を結成、血判状をとったという芝居じみた話もある。

 区長の任期はあと1年あるが、国政を目指した彼にとって、現職大臣である後輩の後塵を拝す屈辱の中にいる。こうなったのは、細川政権のあとの野党の離合集散で、メンバーの去就がばらばらになって裏切られた思いから、中央政界に見切りをつけ、区長戦に転身したことによる。

 全く事情は違うが、塾出身で小池百合子議員の秘書から議員となり、民主党の支持を含め3期連続当選しながら横浜市長戦に鞍替えした中田宏がいる。彼はこの衆院選が日程にのぼる頃、突如横浜市長を辞任したことで世間を騒がせた。

 補欠選挙は衆院選と同日に行われたが、辞任に納得のいく理由は示されていない。ただ、山田杉並区長と行動を共にするということが明らかになっているだけだ。彼の企画した横浜港開港150周年イベントの有料入場者が予定の40%しかなく、大赤字になることがはっきりしており、責任追及が避けられない状態ではあった。

 また、当初のはなばなしさに反して女性問題など素行面でも市民の評判は低下、相乗り議会のもと民主党関係者の信頼も高くなかったようだ。自己顕示欲が強く野心満々のところは山田区長と似ているが、すでに松下塾の同窓は頼れない。

 山田氏の新党へのこだわりは決して失せることはないだろう。二人ではなにもできないが、地方自治の経験をてこに橋下大阪府知事を巻き込むことができれば、ひと波乱起こせる可能性がある。さらにその母体に新保守グループを持ってくると、場合によればだけれど要注意信号だ。

 しかし、塾出身者でまとまるということは、それぞれ一匹狼的な側面が強く、ことにその最大勢力である民主党から求めることは絶望的であろう。そうすると反・民主党を旗印にするしかなく、かといって谷垣自民党の是々非々野党ではインパクトがない。

 橋下も日和りまくっている。東国原は使えない。当分は新保守の主導権を目ざして空しい過激発言を繰り返すしかないだろう。(本稿は出井康博『松下政経塾とはなにか』その他を参考にしました)
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 最近の維新の会や安倍周辺の動きに対し、塾頭の結論をずばりいうと「賛成」である。できるだけネオコン色の強いメンバーだけを結集してほしい。選挙で大勝するかもしれないがその分自民党・民主党のリベラル派が誰かが浮かび上がり、選挙民の選択がしやすくなる。

 あるいは、その動きによっては、社民党まで含めたリベラル新党結成の起爆剤になるかもしれない(そういった動きがなかったことや、維新の会などに先手をとられたことはリベラル派の怠慢といってもいいのかも知れない)。

 そういえば前出の「志士の会」血判上には河村たかし名古屋市長も参加していた。血判状とは指に刃物を当てその血液で拇印を押した文書だ。血判だとか指を詰める(切り取る)など、戦前右翼とかやくざがする野蛮な行為で、常識人のすることではない。

 名古屋では市長と大村愛知県知事が先陣争いで大喧嘩になっている。血判状は取らなかったのだろう。ことほどさように右翼は結束して事に当たるということに弱い。大阪維新の会も大きくなればなるほど致命的な弱みが出てくるだろう。

 それよりリベラル派に結束する動きがなく、脱原発や9条、外交、安保再構築などが危機にさらされている現状の方に、より大きな危機感を抱かざるを得ない。

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2012年8月15日 (水)

李 明博のファッション

 竹島電撃上陸、天皇の謝罪要求……、特に天皇の件である。頭は切れるがこんな浮薄な言動をする輩とは思わなかった。オリンピックで勝ったサッカー選手がスローガン掲げて場内を走った、あれは韓国のファッションで、そんなに悪げはなかったように思うが、李 明博大統領のは違う。

 日本の首都にも古着を時々着てみせては粋がる知事がいるが、李 明博のはそれと違う。にわか仕込みでどこか体に合っていない。やや滑稽にさえ見えるのだ。日本のレイシスト諸君はこれにどう反応したらいいか。もちろん最大限の非難の声を上げるべきだろう。

 ただまちがっても「自衛隊を派遣すべきだ」などと言ってはならない。口げんかでは朝鮮人の方が執拗で上手なことを体験上知っている。「冷笑」と「無視」、これが相手を一番困らせることになると知るべきだ。

 ことのついでに言ってるようだが「歴史認識が足りない」という点はあたっている。しかし韓国の側もそれがひどい。日本はそれでも日韓併合に伴う戦争被害や、結果論としての南北分断の責任を肯定する議論があるが、韓国が自らを省みて反省すべき事柄を自国内で議論の対象にしたという話は聞いたことがない。

 大人同士のつきあいはそこから始まる。それから、日本人は、同一民族が半世紀以上にわたって分断、抗争状態に置かれているということを実感できていない。韓国にとって不幸なことだが李 明博の新ファッションでは、その統一も半永久的に実現しないだろう。

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2012年8月14日 (火)

大正100年

Dscf3696 ■1912/7/30 明治天皇死去、大正と改元

■この年【開業】吉本興業(4月)、早川電気工業(現シャープ・9月)

【国内自動車保有台数】512台

【人口】内地:5252万2753人、朝鮮:1456万6783人、台湾:321万3221人、樺太:2150人

【物価】駅弁(幕の内)12銭、慶大授業料(文系)48円、早大授業料(文系)50円、入浴料(東京)3銭、白米10キログラム1円78銭

(『20世紀年表』小学館より)

 

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2012年8月13日 (月)

わんぱくコレア

 オリンピック開催地のロンドンで北朝鮮の国旗として韓国の太極旗が掲揚され、北朝鮮がかんかんになって怒ったという話があった。それとは別に、CNNを見ていたらこんな記事があった。

(CNN) 北朝鮮の朝鮮中央通信が、「下劣、愚か、下品、無能、卑しむべき」などありとあらゆる単語を使ってオーストラリアのフリーペーパーを非難する長文の声明を発表した。発端は、この新聞が掲載したロンドン五輪のメダル獲得数比較表の表現にあった。

非難の矛先が向けられたのはオーストラリア・クイーンズランド州のブリスベンなど3都市で発行されているフリーペーパー「mX」。「楽しいニュースとスポーツ、芸能の話題」を売りにしている同紙だが、五輪のメダル獲得数を比較する表の中で、韓国と北朝鮮を「良いコリア(Nice Korea)」「わんぱくコリア(Naughty Korea)」と表現したことが、北朝鮮の怒りを買った。

 同紙は、軽い乗りで軽蔑の意味は全くないといった回答で受け流そうとしているが、怒りっぽい北朝鮮がなっとくするわけがない。こんなことになったのは北朝鮮にも責任がある。イギリスのオリンピック委員会公式サイトで見ると、

 韓国・Republic of Korea
 北朝鮮・Democratic People's Republic of Korea

が登録された国名で、違いは頭に「Democratic People's」があるなしの差である。韓国の方が民主主義国であると理解する「国旗係」がつい間違うのも無理がない。北は韓国よりあとにオリンピックに単独参加したのだから、もっと外国人にわかりやすい表示にすべきだった。

 なお、日本では「朝鮮人民民主主義共和国」 が正式だと思っているが、漢字を一切追放し、漢字を外国語にしてしまったので、外国語表示ならDemocratic People's Republic of Koreaだけが正しいということになる。

 韓国と朝鮮、それにコレア。日本ではどう呼べばいいのか混乱する。戦中までは「半島」という俗称もあり「半島人」などと言った。これは戦後真っ先に禁止用語になった。塾頭は、半島や民族を言う場合「朝鮮」を用いる。

 それは、統一国家として最も長く使われ、また、伝説の古朝鮮、や北部に108年頃まで存在した衛氏朝鮮など南北を通じて最古の名称として認められているからだ。コレアは935年から457年続いた「高麗」に由来するものだろう。

 そのあと、李氏が打ち立てた「朝鮮」が505年続いた。韓国は、それまで南部に割拠していたいわゆる韓4郡の民族をいうもので、統一国名として使われたことは一度もない。李王朝が日韓併合の直前、突然「大韓帝国」と国名を改めた。これは13年間使われただけであった。

 いずれにしても、以上のような混乱は半島の苦渋に満ちた歴史の中から生じたものであり、日本は手をかすわけにはいかないが、民族として統一実現が円滑に行えるよう願うばかりである。

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2012年8月11日 (土)

「敗戦」は認めよう

 塾頭はこれまで何度も3.11は「第2の敗戦である」といってきた。これを単に誇張のための「修辞」ととった人はすくなくないだろう。敗戦で受けた精神的、肉体的、経済的辛酸は、覚悟しなければならないと考えた人はどれだけいるだろうか。

 李明博大統領が竹島に上陸した。その前ロシアのメドベージェフ首相も国後島に上陸している。尖閣諸島は何度も取り上げているが、中国の一部から平和的手段によらない方法で……などと脅かされている。

 アメリカのロムニー共和党大統領候補まで、「われわれは日本ではない。10年あるいは1世紀にわたる衰退と苦難に陥っている国にはならない」と、見捨てたようなことを言う。オリンピックでは韓国との男子サッカーをはじめ、メダルは中・韓へどんどん流れていく。

 これらに悔しがって、きりきり舞いしている人は多いだろう。そういう人は第2の敗戦を認めない人に多い。巨大な財政赤字をかかえ、少子高齢化に行く手をはばまれ、政党・政治の無能は目に余る。そこへ大震災が襲い、原子炉を4つも破壊したのだ。

 これはもう敗戦そのものだ。周辺諸国が競って水に落ちた犬を叩くような行動に走ろうとするのは、自然の成り行きだ。毅然とした態度を保つのは当然だがなんとしても手遅れ。またこんな時にオリンピックに勝てないのもあたりまえだ。この際あっさり「負け」を認めるしかない。

 話を飛躍させるが、塾頭は消費税引き上げに8割がた賛成なのである。戦争で膨大な赤字国債を発行していた。そこに敗戦にともなう諸費用もまかなわなければならない。終戦後約半年で日銀券発行残高は2倍にも達した。インフレ、食糧難で餓死者もでる始末。預金を封鎖され、1月500円で生活しなければならない「新円切替」の記事は過去にも書いた。

 しかし、それで経済復興が叶うわけではない。ひきつづき財政を緊縮し貿易のための為替レートを設定できるよう、米政府からの圧力もあった。当時そのために派遣された特命全権大使の名をとり「ドッジ・ライン」などと言われた。それが、今にすれば消費税に相当する苦渋であることは誰もが知っていた。

 企業の倒産、くびきり、就職難という暗いトンネルを抜け出せたのは、朝鮮戦争の特需と敗戦から立ち直ろうとする国民の熱い意欲だったと思う。国民は福島事故の厳しさを目の当たりにして、「精一杯節電をしよう。原発依存を打ち切るためには電力料金値上げもやむを得ない――」と、敗戦をいさぎよく認めて次に進もうとしているのだ。

 そもそも、敗戦を認めてもらいたいのは、長年にわたった自民党の政治と、公約の実現を捨て国民の期待を踏みにじった民主党である。それに頬かむりしたままの消費増税法案や原発政策に国民が心から声援を送ると思うの面々には、「恥知らず」という言葉がふさわしく、復興のさまたげである。早く退場してもらうしかない。

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2012年8月 9日 (木)

徐福伝説の真偽

 古代史のヒロイン、卑弥呼のことは何度も本塾でとりあげた。その前の日中間の接触はどうなっているか。それも卑弥呼の魏志倭人伝と同様中国文献に頼るしかない。

・239年、女王卑弥呼が魏に遣使(魏志倭人伝)。
・107年、倭国王帥升等が後漢に遣使(後漢書)。
・57年、倭奴国王が後漢に遣使(後漢書)。
・紀元前後、楽浪海中に倭人あり、分かたれて百余国となる(前漢書)。

  その前にも、倭人朝貢などが古くは周のころからあったと記す書もある。しかし日本では縄文人が幅をきかせていた前9世紀前後に、外交接触があったなど考えられるわけがない。ずっとあとの時代の人が書いたものでとりあげる価値なしだ。

 しかし最近注目されだしたのが、秦の時代に方士・徐福(前210年)が東方蓬莱の島に渡ったとされる史記の記事である。日本では、徐福上陸地とされる伝説が20か所もあるのに、文献史学者や考古学者に無視され続けてきた。

 たしかに日本では伝説以外に何もなく、中国特有のほら話的な扱いをされてきた。ところが中国では徐福を歴史上の実在人物としており、最近は徐福の出身地が江蘇省連雲港市徐福村と特定されて、精力的な研究活動も進んでいているようだ。

 徐福の話はその後の史書でも反復引用されている。その要旨は「秦の始皇帝の時代の紀元前210年、童男女3000人、五穀の種や食料、それに多くの技術者を載せた船団が、東方蓬莱の島へ向けて出港した。不老不死の霊薬を求める皇帝の意を受けた徐福が指揮をとる。しかし、彼の船団は再び戻ることなく立派な土地を得て永住し、徐福は王となった」といったものである。

 その出港が事実かどうか。航海術にくわしい茂在寅男氏は、史記の筆者・司馬遷か生まれる70年前の出来事で、伝説化するほど遠い過去ではないとし、さらに、船団の規模はわからないが当時の船による渡航は不可能ではないと考えた。さらに途中で遭難する船もあっただろうし、海流や風で到来地をまとめることはできず20か所にのぼっても不思議はないとしている。

 日本の前3世紀は、弥生中期で吉野ケ里遺跡の存在する時代である。徐福らが目にしたのは、すでに同じ中国系の渡来者が先住していたこと、戦争はあるが中国のように馬車を使って大軍団を展開させるようなものではなく、せいぜいで部落同士の小競り合い程度だということだった。

 徐福らは、渡航目的が征服者になることではなく、長く住み続けるために住民との融和を第一とした。持ってきた種子や武器などは交易の材料として提供し地元に溶け込むことを心がけた。出自を聞かれれば「天(あめ)の高天原」などとごまかしていたに違いない。

 したがって、中国の金属利用技術や織物技術などは普及したが、中国語を定着させることはなかった。秦の始皇帝は残酷な暴君として有名だ。徐福らは、巧みに始皇帝を霊薬でだまして脱出に成功した難民である。秦帝国からの侵略者ではなかったのだ。

 問題は、行き先が果たして日本だったのかどうかである。『後漢書』では、倭の条の後ろにこの記事を載せ、倭の地と同じような位置づけをしている。しかしそのほかに証拠となるものは一切ない。同時代の遺跡発掘で漢字の記載がある土器でもでれば明瞭になるが、そんな証拠を残すようなこともしなかったのだろう。

 また、時代はくだるが『隋書』で使節の報告書に「又東して秦王国に至る。其の人、華夏に同じ」とある。日本の歴史家は、周防(すおう)を秦王と聞き違えたものなどと軽視するが、同地域にある土井ケ浜で渡来系人骨発見が発見されているという考古学上の成果も考慮すると、「根拠がない」と一蹴していいものかどうか判断に苦しむ。

 以上、塾頭の創作がほとんどだが、森浩一編『倭人伝を読む』中公新書、朝日新聞社編『古代史を語る』朝日選書などを参考にさせていただいた。

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2012年8月 8日 (水)

「どじょう」が危ない

 以前は、「ところどころ夕立があるでしょう」という天気予報が変わってしまった。「大雨、洪水と突風・落雷・竜巻にご注意ください」で過激度が増している。こんな時、昆虫はどこに避難するのだろう。

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 「多分木の陰?」でなく、思いがけないところにトンボが頑張っているのを反戦塾が撮影することに成功した(おおげさhappy01)。

 その場所は、電柱を支えるワイヤーロープである。風の方に頭を向け、雨にめげずしっかりと掴っておさまるのを待つ。ゆれ動く木の枝や葉っぱ、蜘蛛や鳥など天敵も避難している木の陰よりここがいいのだ。

  もともと幼少の頃は、ヤゴとして水の中に過ごした。急流でも流されない握力はその時つちかったもの。この程度のことは何でもない。

 ところで、おさななじみの「どじょう」君はどうしたかなあ。彼のまわりに掴るものも手もない。不信任案とやらで流されてしまうかどうか、10日が山だそうだ。

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2012年8月 6日 (月)

原発→エネルギー政策論の欺瞞

 政府が今月中に将来にわたる原発政策を決めるため、各地で意見聴取とか討論会を開いている。目的は、2030年度で原発依存度を0%、15%、20~25%のどれにするか参考にするためだという。

 いま、市民が毎週金曜日にかつてない形でデモを繰り広げたり、原発再開に待ったをかけているのは、そんなことではない。「もう原発はいらないのだ」という意思表示がさっぱり政府に伝わっていないからだ。

 「しらける」――。こんなことのためこの言葉があるのではないか。政府のやっていることは、将来のエネルギー依存度をどうはじくか、ということである。過去、こんなことを派手に国民から意見を聞いたことなどなかった。

 直接民主主義をやっているのではなく、政府与党の意見統一ができないからやっているのではないか。エネルギー依存度の計算に素人の意見を聞いてどうするのだ。国民は、10年先であろうと20年先であろうと「原発をゼロにします」ということをはっきり聞きたいのだ。

 それを言いたくないのがこれまで原子力村を支えてきた面々で、なんとか原発を残したいため問題をエネルギー需給という矮小化したものにすりかえたのだ。原子力村の中に隠れた憲法のようなものがある。

 それは、「国家安全保障のための原子力」の公理と呼ばれるものである。半世紀にわたつて築き上げられてきた日本の原子力政策の特徴は、国家安全保障のの基盤維持のために先進的な核技術・核産業を国内に保持するという方針をいう。(吉岡斉『原発と日本の未来』より)

(参考記事)
http://hansenjuku.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/f-2eba.html
2012年6月22日、原発推進派の本音は「機微技術」

 もう一つの抜けている観点は、「人々の命と産業発展のどちらが大切か」という点である。これは昭和40年代の水俣病、四日市ぜんそくなどを思い起こし、その後の経過を見るだけで十分だろう。原発はそれらと違って、運転を続ける限り技術的な処理に見通しのない放射能廃棄物が増え続けるという重大な欠陥をかかえたままだ。

 今入ったニュースだが、広島へ行った野田首相が「原発ゼロの選択でどういう影響があるか検討も必要」と言った要旨の発言をしたそうだ。結果は国会が混乱する中で明解な回答が出てくるとは思えないが、とにかく遅い。

 福島事故の原因解明を見た上……といって政策の根本的見直し遅延の理由にしてきた。だから、政府の安全監視やエネルギー政策を決める組織改正が進まず、いまだに人事などでもめている。事故原因がわかるにはこの先何年もかかるだろう。推定でよかったのである。

  昨年中に菅首相の決断で脱原発の方向性が確定し、節約と新(代替)エネルギー開発促進を含む将来計画と原発村解体の手続きが進んでいれば、原発再開などについての国民の不信感はもっと緩和していたはずだ。

 そして、新(代替)エネルギー開発のための地すべり的に民間の新規投資が進み、産業や地方を活気づけ、国民に覚悟と元気を与えることになっただろう。原子力村の抵抗と官僚のサボタージュが皮肉なことに逆効果を生み、国中いまだに混迷から抜け出せないでいるのが現状だ。

 こういったことへの真摯な反省こそ、政治や財界に対し国民が心底望んでいる要求なのだ。

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2012年8月 3日 (金)

続・お騒がせマン、石原都知事

 前編を書いてからひと月近くたった。尖閣諸島買い取りの話、前触れの勢いはどこへやら、いぜん膠着状態のようだ。「これは簡単にすむ話ではないぞ」という素人の直感がその通りになった感じだ。あと始末をまかせられた猪瀬氏は、オリンピック誘致行脚同様ご苦労なことである。

 続編を書くつもりはなかったのだが、前編に買収費の寄付集めや買収金額について「いかに地下資源で脚光を浴びたと言っても、島は島であって石油鉱区ではない。都心じゃあるまいし13億もの値段がつく物件ではない」などと書いたところ、反発含みのコメントをいただいた。

 最近、「週刊文春8/9号」に同島地権者「借金40億」といったタイトルがあるのを新聞広告で目にした。前記事をフォローするような信頼性の高い内容があるかどうかを立ち読みで確かめ、資料に登記簿や固定資産評価の公的資料などを使っているので買ってきた。

 以下は、前編に付け加えるべきそのサマリーである。

a:「古賀家の当主が亡くなった昭和50年前後、尖閣は古賀家と付き合いがあった栗原家に数千万円で譲渡された」

b:「不動産登記簿謄本によれば、三菱東京UFJは一昨年3月末、(栗原)國起氏が所有する物件に極度額24億5000万円の根抵当権を設定。(中略)埼玉県信用金庫も昨年9月29日、大宮区内の不動産に極度額15億円の根抵当を設定している。両者合わせて約40億円にもなる。しかも実際の土地の価値と比べると、明らかに過大な融資である」

c:「今回問題になっているのは、魚釣島、北小島、南小島の3島。10年前、自民党政権時代の政府はこの3島について賃借権設定。3島合わせた賃借料は当初の年2256万3912円だったものが、2006年から2450万7600円に値上げされている。」

d:「石垣市が発行している固定資産評価証明書によれば、昨年1月現在で3島合わせた評価額は6018万3125円(中略)たった6000万の価値の島に、政府は毎年2400万も払っているわけだ」

 【塾頭注】a:譲渡の時期、金額が特定されていないのは、沖縄の地方法務局での登記簿確認をしていないのでは。
b:同様の理由で尖閣に抵当権設定があるかどうかは不明。根抵当権設定限度額合計が即融資額ではない。
c:賃借権登記というのは非常に珍しいケースだが、賃借料は政府資料でもわかる。

 都の予算で購入するためには都議会の承認が必要である。そこで窮余の一策として募金を募るということになったが、それが14億円ほどに達したらしい。同誌は、都政関係者と称する取材先から買収額は上限20億円という暗黙の了解が成立しているという証言を得ているが、交渉が混沌とした状態から抜け出している様子はない。

 これを国に無償譲渡することになるのかどうか不明である。その場合の不動産鑑定や所有権移転手続きなど、石原都知事の一存で決めるようなことはまず不可能である。20億円は地権者の負債解消に必要という以外に根拠がない。寄付をした人はそれに協力させられるということになってしまう。そして、その都政関係者に次のように語らせている。

 「でもこの募金、匿名での寄付も多く、もし購入計画が頓挫したら完全に宙に浮く。返すに返せませんから。そうすると詐欺と同じことになってしまう。都としては引くに引けない状態にみずからを追い込んでしまったのです」

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2012年8月 1日 (水)

アジアもアメリカも変化する

 日本の周辺で何かが起こっている。確かなことはわからない。変化は少しずつあるは急にやって来るかもしれない。離党だ不信任だ解散総選挙だ、そんなことにお構いなく世界は動いていく。それを間断なく監視し、有力な情報や判断のかてを政府にもたらすのが有能な外交官であり、外務官僚である。

 政治家は、広い視野に立って適正な判断を下し、将来に禍根を残さないよう外交政策を構想し、官僚を誘導するのが役目である。にもかかわらず、目先の政争のいけにえとして大使の首をすげかえたり、関係大臣をめまぐるしく入れ替えることしかできていない。国家百年の計を誤り、再び亡国の道をたどらないよう祈るしかないのだろうか。

【北朝鮮】金正恩が大将から元帥になった。その裏に、金正日総書記のお気に入りだったと見られる長老の李英浩朝鮮人民軍総参謀長の解任があった。延坪島(ヨンピョンド)砲撃などの対韓対立路線、核実験、ミサイル発射など強硬路線の担い手と目され、階位の次帥は大将の上に位置していた。

 真相は分からないが、逮捕に銃撃戦まであったともいう。後任には金正恩の後見人とされ、中国の受けもいい義理の叔父・張成沢の推挙による文民の党人があたるという説がある。ここから、柔軟な改革開放政策が急速に進むという観測も盛んになって来た。

 政治に直接かかわりがないが、金日成のもと料理人として正恩やその母を含む金ファミリーとも深い接触を持っていた藤本某氏は、各TV局に引っ張りだこだったが、最近、正恩第一書記の招待を受け平城に飛んだ。

 あまりファミリーの内輪話をしゃべり過ぎるということで、口封じまたは迷惑な人物として呼び返したのではあるまい。拉致問題などでこう着状態が続く日朝間に、普通に話のできる糸口となるべき人材に目をつけたということではないか。そういった柔軟性を持つ国への変化は見逃してはならないだろう。

【中国】日本の防衛白書に、中国の国防費増加や軍事力近代化、南・東シナ海などの活動活発化などをふまえ、「軍事や安全保障に関する透明性の不足が、我が国やアジア地域・国際社会にとつての懸念事項」という表現を使うのは本年度で3年目である。

 その上で「共産党指導部と人民解放軍との関係が複雑化しているとの見方や、対外政策における軍の影響力が変化しているとの見方」があると述べている。それは、一部の強硬派将官がメディアでナショナリズムをあおる「非平和的手段の活用」つまり尖閣諸島への軍事施設建設を求めるなどと主張するのを、報道機関が流すことにも関連しているだろう。

 これらの変化は、北朝鮮と全く反対で、一見人民解放軍の権威が高まり、好戦的強硬派の支配が強まってるように見える。その裏には、今秋の胡耀邦総書記から習近平への権力移行を前に、党政治局や中央人事委員会のイスをめぐる激しい派閥争いや権力闘争があり、人気獲得のためだという解説が多い。

 保守派の重慶市党委員会書記・薄煕来の失脚はその一環で、日本にすれば橋下大阪市長が突如追放されるような大事らしい。今の中国は、憲法上は党が最高権力で党のための人民解放軍、行政各機関があるが、国が大きく組織も膨大で、水も漏らさぬように統率するのがいかに困難であるかを物語る。また、北朝鮮のような独裁者がいるわけでもなく、人事も上にいくほど同じ人が兼任しており相互のチェックは機能しにくい。

 このため、何がどうなっているのかわかりにくく、その中で指揮命令系統がしっかりしており多くの利権を手中にしている軍の力はやはり大きい。マスコミも党宣伝部の統制下にある。軍の代弁をすることは利益であり、過激なナショナリズムで発行部数を伸ばすことも考えられる。

 もともと大衆向けの政治宣伝(プロパガンダ)に端を発している。だからといって安心はできない。日本の歴史を見ればわかる。政府の意向に反して事を起こし、天皇の意向に反して戦線を拡大し、政治テロリズムに手を貸したのが軍部であることを想起しなければならない。

 日本は相手のペースに乗る必要は一切ないが、主張は正しく伝えるべきだ。かりそめにも、眠れる獅子を叩き起こすような愚を犯すべきではない。

【アメリカ】アメリカの世界戦略に乗り、安保条約を生かして日本の安全保障を担保し、幻影と化した「核の傘」に乗る。その反対給付として、世界で最も住心地のいい基地を費用日本持ちで提供する。その上集団的自衛権と称して憲法を形骸化し、日本から遠く離れた紛争地へ米軍の肩代わりとして兵員の派遣をしてアメリカの意を得る。これが日本外交の指向するところであった。

 アメリカが莫大な経費で開発したオスプレイの実用化に向けて、狭い国土を縫うように這うように訓練のため使用する。経済でも落ち目の日本にこんな要求を押し付けるのは、無理なのではないか、さすがにアメリカでもそう思い始めたようだ。

 普天間利用も辺野古移転も、日本政府の言うことは信頼できず見通しも暗い。日本の基地のあり方について再検討も始めるべきではないか、日本の外交・防衛官僚の悲願にもかかわらずこんな意見もではじめるだろう。TPPもすでに鮮度が落ちた。無理をすることもあるまい。今の政権にその時の用意はもうできているか。無理ですよね。

 

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