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2012年6月18日 (月)

放射能被害恐怖症候群

 3.11以前から「核アレルギー」という言葉があった。これは、原発だけでなく核兵器なども含めて使われたが、核反応が人類にもたらす被害に過敏な反応をし、科学的的・人文学的知識追求を疎外視する傾向を言った。

 当塾は、震災のがれき処理をめぐって2月以来下記の3本の記事を書いてきた。いずれも「岩手県・宮城県の津波によるがれきと放射能は関係ないのではないか」という直感がさきにあったからだ。

http://hansenjuku.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/post-f1b8.html
「がれき処理妨害は差別だ」(2/17)
http://hansenjuku.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/post-74a6.html
不信列島・日本(5/27)
http://hansenjuku.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/post-268b.html
過激派復興?(6/11)

 可燃物を燃やし、その灰の中に自然界にある放射能が凝縮されるのは何を燃やそうと当然だ。それを試験的燃焼実験さえピケを張って物理的に阻止しようとする運動がどうも理解できなかった。前の記事についても、抗議賛成の立場から意見をいくつかいただいている。

 中身は全く違うが、最近噂されている「小沢元民主党代表が、放射能をおそれて選挙区である岩手県に出向かなかった」という『週刊文春』の記事も、通常の常識のある人ならとても想像できないことがらである。

 仮にあり得ない放射能被害が、風評被害ばかりでなく、体よく政治利用されているとすれば由々しいことである。これが結果的に原発推進派を強気にさせたり、情報隠匿体質に根拠を与えたり、また個人攻撃の材料にされたりするのでは、その悪影響は計り知れない。

今回はこれまでの記事の結末をつける意味で、下記のデータを収録しておくことにした。

【がれきの量】
岩手県=525万トン、うち県外広域処理依頼量=120万トン 
宮城県=1154万トン、 同       上   =120万トン

【北九州市の試験焼却】
3月 北九州青年会議所が市民735人を対象にアンケート
    がけき受入れ賛成69.7% 反対8.4%
5/22 石巻からのトラックを反対派約50人が施設前で実力阻止、男性2人が公務執行妨害の疑いで逮捕される。

5/23~25 焼却実施
5/28 試験結果公表
 煙突からの排ガス・燃え残りの主灰=放射性セシウム検出せず
 飛灰=同最大30ベクレル/㎏
  (注)国の埋め立て基準値=800ベクレル
     人体に含まれる天然の放射性物質カリウム
     =体重1㎏あたり70ベクレル程度

*以上、中川恵一東大附属病院准教授、毎日新聞6/18所載による

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石油・エネルギー」カテゴリの記事

コメント

これまで都市の一般ゴミから発生した焼却灰や産業廃棄物等の有毒物質を、自区内処理ができずに過疎地域へ最終処分場を委託してきた首長ならば、被災地復興の手助けだけではなく人間の良心として「がれき」を引き受けるのは当然のことだと思います。
それを、利権が云々とか放射能汚染とか誇張して騒ぐのには理由があります。それは、時流となりつつある脱原発運動のバスに乗り遅れないためのインスタントな運動体を立ち上げるということです。使い古されたパターンです。で、結局は阻害要因とならない条件で隅っこに参加して自己満足している、いつものパターンですね。彼らの運動については相手にしない論調しない。影響もない。ということです。

投稿: ていわ | 2012年6月19日 (火) 21時34分

ていわ さま
「彼らの運動」は終息しつつあると思います。ただし全国的に見て「影響もない」ことはないと思います。
他の地域でも焼却受け入れを発表すると、役所に(組織的と思われる)反対の電話、メール等が殺到するような現象があります。

 こういったことに毅然とした態度をとっているのは、私の嫌いな石原知事のようです。北九州への修学旅行を行き先変更した、徳島県?だったかの教育委員会や、妨害行動で怪我をした公務員や受け入れ計画を撤回した自治体など、公務員の(暴力団に対してあったような)事なかれ主義が横溢しています。

 やはり声を上げるべきでは……。

投稿: ましま | 2012年6月20日 (水) 07時02分

この問題ですが、実は原因として国や専門家(有識者とか科学者など)の権威や信用が失墜してとという根本問題が隠されているでしょう。
今までの日本人ですが6割は専門家を信頼していたのですが、3・11以後は困ったことに3分の1の2割まで低下しているのです。
ただし、当時者たる専門家の方では自分たちが今でも『信用されている』と思っている人が僅差ですが『信用されていない』派を上回っているのですね。
専門家の信用力の失墜ですが、これは具体的には『政府の主張を支持した専門家(有識者とか科学者など)』であり、その反対の方の小出助教のような信用力は爆発的に増えているのですから、これは具体的には『政府の信用力』の劇的低下減少ですよ。
これは致し方ないでしょう。
今度の瓦礫焼却だけに限定してもですね、法令は1キロ100ベクレル以上の焼却灰は放射性廃棄物として厳重な管理が必要と決められているが、とりあえず8000ベクレル以下なら勝手に埋め立て処分すると、法律破りを奨励する有様。
これでは信用を失って当然でしょう。
今度の大飯原発を、とりあえず安全だからと再稼動する話と同じなのですよ。
まあ、兵庫県のように法令を守って100ベクレル以下と今までの基準を守れば、結果的にはやりたくても焼却処分出来ないのですね。

投稿: 宗純 | 2012年6月20日 (水) 13時46分

宗純 さま
国や専門家の権威が失墜しているという一般論をもって独立した個別の案件の是非を結論付けるというのはやや危険ですね。

そもそも最初から反対側に数値など科学的根拠を持ち出したわけでなく、感情を先行させていたところに運動の欠陥と限界がありそうです。

投稿: ましま | 2012年6月20日 (水) 21時11分

3・11以後、普通の一般市民の意識が大きく変化している客観的な事実を無視されたのでは話にも成りません。
3・11以前なら正論だった常識が、今では通じなくなっているのが現実ですよ。
大多数の国民世論を『一般論』の一言で無視する態度は感心しません。
『自分は大多数の市民とは違うのだ』とでも仰りたいのでしょうか。
到底理解出来る態度ではありません。
そもそも『放射能は安全である』などと言う学説は、確かにホルミンス効果なる仮説は存在しますが、学会の定説は認めていない。
事実この記事の中川恵一東大附属病院准教授も普通に生活圏に存在する微弱な放射能でも危険であると指摘していますよ。
『Dr.中川のがんの時代を暮らす』DNA傷つけるラドン
(毎日新聞 2011年12月25日)
http://blog.goo.ne.jp/syokunin-2008/e/14149389bf76cfa90f94bc3740362c76
それにしても、何故大飯原発再稼動に対して、何一つ言及しないのか不思議でなりません。
ましまさんは『安全が確認された』との政府の発表に対して、何の疑問も感じないで、賛成されておられるのでしょうか。
もしも『政府が真っ赤なウソをつくはずが無い』ので、『安全は確認された』とするなら、私もこれ以上は何も申しません。
大飯原発の安全が絶対に確かなら、それ以上に間違いなく瓦礫焼却灰も安全です。

投稿: 宗純 | 2012年6月21日 (木) 08時29分

私は「オール・オア・ナッシング」「一事が万事」「坊主憎けりゃ袈裟まで憎し」しいうのが苦手でなのでご勘弁ください。ひとつひとつを愚直に観察しケースバイケースの判断をしています。

また、過去の長い記事の経緯を見ていただけばわかるように、原発ゼロをめざすものの安全確認された既存原発の運転継続は、基本的に認めています。

ただし、野田首相の判断、現行安全委員会・同保安院によるチェックは無効で、今夏に間に合わせるための大飯原発再開は反対です。これも過去記事を見てくださればわかります。

投稿: ましま | 2012年6月21日 (木) 13時49分

『安全確認された既存原発の運転継続は、基本的に認めています。』
とありますが、『安全が確認』されたものは原発であれ、何であれ運転に反対しているものではありませんよ。もちろん私も『安全であることが確認されたら』賛成します。
今、原発が『安全でない』から反対が生まれている。
今の国際原子力機関 (IAEA) の最新の知見では、『原発は危険である』(事故が起きる)として日本のように原発プラント単体の安全性の審査だけではなくて、
その次の、過酷事故後の対策とか住民避難とかを事前に計画しています。
瓦礫の焼却ですが、阪神大震災では単価がトン2万2千円地元で全部が処分されています。
今回は何と阪神最震災の3倍で6万円超えている異常な高さですが、嵩や重さが大きいので瓦礫処分費の内で輸送費の占めるコストが高すぎるのです。
地元での処分なら地元の中小企業でも請け負えるが西日本まで運んで処分するとなると大手のゼネコンなどで無いと無理がある。
これは震災復興に名を借りた新しい原発ムラの利権構造ですね。
過去記事とあるが、再稼動の決定はつい最近であり昔の話ではありませんよ。
目の前の一番大事な個別案件である原発再稼動を無視して、胡散臭い瑣末な問題である震災瓦礫の広域処理問題を繰り返すとは見識が問われるでしょう。
これは原発安全神話の崩壊のあとも続いている、『政府などが見え透いた嘘をつくはずが無い』との政府安全神話ですね。
それは『神話』で、全ての人々の願望ではあるが、真実ではありません。

投稿: 宗純 | 2012年6月21日 (木) 14時25分

久しぶりにコメントさせて頂きます。
被災地の瓦礫の広域処理にしても、原発再稼動に
しても、消費税増税にしても、どうも国をあげて
小手先のつまらない論争ばかりに終始して見えて
いるように思うと、ただ呆れるばかりですね。
更に、こんなくだらないことに不安に感じるのは
気持ちとして良く分かるのですが、だからといって
風評被害だとか、どこかの芸人の生活保護支給を
めぐっての感情的なバッシング等で、ただ抵抗する
ばかりしか出来ない連中に対しても、お互いに馬鹿
か阿呆か間抜けのいずれかでしか無いと思うと、
何だか悲しく感じるのですが。
どうせ日本はもう経済成長なんか期待出来ないのだ
し、世界的なグローバル競争にも喜んで敗北して
ただひっそりとした国となっても構わないものの、
こんな馬鹿と阿呆と間抜けな連中のために、日本が
韓国や北朝鮮にも馬鹿にされて、余計に惨めな思い
をさせられては、たまったものではございませんよね。
本来なら、被災地で自ら処理出来る分は、被災地の
中で処理することで、被災地で処理し切れない分は
広域処理という形で、許容範囲内で、皆で喜んで処理
してあげることで、お互いに分かち合えば良いだけの
ことですよね。
そもそも放射線というものは、例えば病院等でレントゲンやCT等にも含まれているものでもある分けだし、日常の太陽光線の中にも紫外線と共に含まれて
いることでもあるわけなのだから、原発事故なんか
無くても、日常生活の中でも微量ながら、放射線を
浴びていることに変わり無いものとすれば、極端に
恐れ、勝手に風評被害等で騒ぎを引き起こすこと自体
が、とんだ迷惑極まりない存在としか思えませんよね。
だからと言って、それを原発推進の言い訳にすること自体も、とんでも無いことだし、いずれにしても、
日本にとって、極めて迷惑な馬鹿か阿呆か間抜けのいずれかでしか無い害毒としか思えないと思えば、
それこそ騙されたふりをして、原発再稼動しなくても
生活が出来るのなら、それで良いだけのことだし、
経済成長なんか諦め、核武装のために必要なんて
とんでもないことを抜かして来る連中に対しては、
それこそ、「ふざけるな、お前らこそ日本からとっとと出て行け!」と言う物凄い怒りを幾らでもぶつけて
日本からとっとと追い出し、出て行った先で、幾らでも、勝手に特攻隊でもやって、勝手に死んで見捨てられて下さい。とでも言い返してあげれば良いだけの
ことでは無いでしょうか。
そうでなければ、幾らでも内部被曝をして病気になって死んだとしても構わない存在だとすれば、幾らでも
福島原発事故の後始末でもやらせてあげれば良いのでは無いでしょうか。
電力料金も値上げが必要なら、それこそ、騙されたふりをして、大企業に対して幾らでも値上げして節電に協力させれば良いのだし、原油コスト等の負担軽減するなら、幾らでも為替は円高にして安定させると共に、株価は、もう幾らでも下落させれば良いのだし、
それで、皆で喜んで利益に貢献してあげると共に、たくさん稼いで、幾らでも喜んで、たくさん税金や社会保険料等を払ってあげることで、社会に恩返しすることだけを誇りとして、ただひっそりと暮らしていくことで、何も悪いことも起きずに幸せに暮らせる社会に変えて行くことが出来れば、それが何よりのことだと思えば、TPP交渉についても、賛成派にも反対派にも、幾らでも騙されたふりをして、大企業に対しては、法人実効税率を80%に引き上げ、その分、中堅企業や中小企業に対しては、減税して負担軽減してあげると共に、最低賃金水準を引き上げ、これを生活保護のほぼ上限とすることで、最低賃金に満たない分は
生活保護で支給してあげるようにすると共に、生活保護を抜け出した人達は、どうぞ他で生活に困っている人達に廻してあげて下さいと言ってあげて打ち切るなり、減額してあげるようにすれば良いし、予算が余ったなら、どうぞ農家への個別所得補償にでも廻してあげても構わないし、それでも予算が余れば、幾らでも借金の返済に充てて下さい。ということにすれば、大いに賛成してあげても良いのでは無いでしょうか。
そうすることで、それが日本の国益となると同時にアメリカをはじめ、中国をはじめとするアジア太平洋地域全体の国益に繋がることになるのなら、それが日本国民にとっての利益となると同時に、アメリカにおける99%の非富裕層の皆様の利益に結びつくことになるのなら、これほど喜ばしいことは無いのでは無いでしょうか。

投稿: asa | 2012年6月21日 (木) 14時37分

宗純さまへ ひとこと。
昨日書いても「過去記事」というのです。これがまっとうな日本語です。5月31日付で「大飯原発、急転直下」という記事を書いています。乞うご高覧。


asa さまへ
こんにちは。ようこそ。

3.11直後、これは2次大戦敗戦と同じかそれ以上だな、と直感しました。福祉はけずられ、税金はあがり電気料金も値上げ覚悟、経済大国は過去の夢。

マッカーサーから12歳の少年と蔑視され、すきっ腹にこれからのしかかるだろう賠償におののきました。若かったせいもあるけど「それでもこうして生きている。それがどうした」という開き直りもありました。

たしかに些細なことに騒ぎすぎている感じがします。ただ、些細でない大事なことを忘れて平気でいる方に、どっちかというとあせりを感じます。 

投稿: ましま | 2012年6月21日 (木) 16時40分

これは塾頭に賛成です。
反対行動は、反原発に名を借りた極左暴力集団の活動です。
このような反社会勢力はビシバシ取り締まって欲しいものです。

投稿: ミスター珍 | 2012年6月22日 (金) 11時56分

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