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2012年6月23日 (土)

日立製品の不買運動でもするか

 前回の原子力基本法関連記事の続編になるが、毎日新聞は23日付で”「安全保障目的」は不要”という社説をだした。なお、前回記事で「東京新聞以外に当該報道が見当たらなかった」と書いたが不正確で、記事中の藤村官房長官の発言趣旨は同紙からえたものである。

 社説の趣旨は、当塾の主張と大差がない。また3大一般紙のうち、朝日は22日付で社説をかかげ「次の国会で削除すべきである」としている反面、原発導入に積極的役割を果たした歴史のある読売は予想どおり「当然だ」という趣旨を掲げた。

 この問題はむしろ韓国のマスコミでクローズアップされているようで、朝日の社説が結論的に「原子力、宇宙開発といった国策に直結する科学技術に枠をはめる法律が、国民的な議論をせずに、変えられていく。見過ごせぬ事態である」といっているのは、こっそりとしてやられた日本のマスコミや、護憲政党を自認する社・共の責任であることを示すものだ。

 一般国民は、あまり報道されないのに一斉に3紙が社説で取り上げたことを奇異に感ずるに違いない。東京新聞が後の祭りながらトップ記事で波紋を投げかけたことがせめてもの救いである。その流れでこれから書くのは一般国民はどうこれに抵抗すべきかということである。

 確実な効果をもたらすのは選挙である。「○○年までに原発ゼロ」、「原子力村解体・国是としての核廃絶」、「自民流改憲反対」の公約を掲げる政党に過半数を取らせるしかない。しかし社・共だけではとてもおぼつかない。

 今、マニフェスト棚上げが政変の焦点になっている。あとで覆されるようであれば国民の権利として何が残るのだろう。日本ではゼネストもとうの昔に姿を消した。中東のような暴動しかないようでは国民主権が聞いてあきれる。とはいっても政局本位の小沢新党に願いを託す気にもなれない。

 そうすると、塾頭の妄想(17日付「妄想・政局展望」)のように長老による挙国新党にでも結集するしかない。こうなると妄想ではなく悲願になってしまう。そこで、忘れていた本題に戻ろう。今日毎日新聞に出ていた3つの小さな記事からだ。

 まず枝野経産大臣。25日にロシアで開かれるアジア太平洋経済協力会議で、国内的には「脱原発依存」政策を推進し国際的には原発稼働に協力するという「二重政策」を表明し、国際社会全体で原子力への依存度をひきさげるべきであるという立場をとらず、採択予定の原子力の重要性確認の共同宣言に賛同するのだという。

 そういえば、リトアニア向けの日立製原発輸出が決まったようだし、昨日開かれた日立製作所の株主総会では、原発事業からの撤退を求める株主提案があっさりかわされ、望月晴文・元経産事務次官を同社の社外取締役起用について、枝野大臣は「天下り規制に抵触しないので、コメントできない」と言ったそうだ。

 塾頭は、枝野氏の官房長官時代や経産省移管当初は、玄海原発をめぐる九電への厳しい追及に、野田首相のもとでも骨っ節の強いところがある、と評価していたがこれで見損ねた。一切撤回し野田首相とともに消えてほしい。

 日立製作所は、東芝、三菱重工などとともに原発にかかわり、重電・コンピュータ、宇宙・兵器産業などの一角をになう、つまり経産省がその強化発展に力を注がなければならない大企業の雄である。

 また一方で、韓国メーカーに押されているとはいえ家電では日本を代表するメーカーである。塾頭のあまり好む方法ではないが、一般庶民は原発推進勢力一端をささえる象徴的な会社として、同社製品の不買運動でも起こすしかないのだろうか。

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石油・エネルギー」カテゴリの記事

コメント

この23日付け毎日社説ですが、
実はこのブログの一つ前の核の機微技術にも関連する、
>『「我が国の安全保障に資する」との表現は、08年の宇宙基本法にも盛り込まれた。そして、20日には、宇宙航空研究開発機構(JAXA)法から「平和目的に限る」との規定を削除し、安全保障目的で人工衛星などを開発できるように改正した。』
との重大な指摘があるのです。
北朝鮮の人工衛星打ち上げの例をあげるまでもなく、核兵器の保持には運搬手段のミサイル開発が必須項目ですよ。
核開発したインドしかりパキスタンしかりイスラエルしかりで一つの例外も無い。
核とミサイルと、『平和目的に限る』との原則が同時に外されて意味は、国内的にも外国との関係でも決して少ない無いでしょう。
根本的は我が国の方向転換であり、毎日社説にあるようにそれが4年前であるなら右翼国粋主義的な麻生内閣の決定です。
実は08年の宇宙基本法の付則に『我が国の安全保障に資する』が密かに注入されていた事実はこの毎日新聞の社説で初めて知りました。
当時そんなことはニュースになっていないのですよ。
報道機関が取り上げない限り、一般市民では付則の変更など知りようが無い。
『今頃遅い』ともいえるが、今報道される意義は大きいとも言える。
09年に政権交代が行われたのですが、中身の変更は何一つ無く隠れた部分では着々と軍事化が進行していた。
今の民主党政権ですが、右翼的だった麻生太郎の路線を完全に世襲しているのです。
政権交代は見掛け倒しの偽装てあり、実質的には今でも自民党右派の危険な路線が継承され続けているのです。

投稿: 宗純 | 2012年6月23日 (土) 16時10分

宇宙基本法のことは知っていますが、偵察衛星を作りたくて入れたのでしょう。偵察衛星は外国の人を殺すためではなく、外国を占領するためでもありません。

MDシステムなど専守防衛のためといういいわけはつきます。その点核兵器は専守防衛では使えず、外国人の殺傷とか地域制圧のためにしか使えず(抑止力とか威圧のためという使い方はありますが)地球規模の放射能汚染を考えれば、他のケースよりシビアーに判断すべきだと思います。

投稿: ましま | 2012年6月23日 (土) 17時37分

偵察衛星の導入ですが、これは4年前ではなくて1998のテポドン騒動であり、もう14年も前ですね。
それでも一応は宇宙基本法の『平和目的に限る』との平和条項の縛りがあり、この偵察衛星は『情報収集も出来る』大規模災害に対処する多目的衛星との抜け道で打ち上げられている。
6月20日の、宇宙航空研究開発機構(JAXA)法から『平和目的に限る』を削除し、『安全保障に資する』に入れ替えられたことはマスコミにも報道されたし、今回の原子力基本法の入れ替えも報道された。
ただ4年前の麻生内閣の『入れ替え』が報道されていないのですよ。
また、毎日社説氏の、
>『安全保障目的で人工衛星などを開発できるように改正した。』
も明確な間違いですよ。
事実は14年前に、すでに軍事衛星は打ち上げられいている。
『偵察衛星は外国の人を殺すためではなく、外国を占領するためでもありません。』との理由が付けられていた。
現在までに8000億円以上の予算で10機が打ち上げられのですよ。
ですから今回の『安全保障に資する』の注入は、これは、軍事衛星を打ち上げることが目的ではないことが分かります。
それにしても矛と盾は一つでセットになって使用されるのは軍事以前の一般常識ですよ。
人殺しの道具で無い(自分を守る)盾だから軍事兵器でないとの発想ですが、それは無茶苦茶です。
右手に槍を持ち左手で盾を持って横一列の隊列を組んで進むのがローマ軍の重装歩兵の標準的な戦法ですが、この場合に盾の存在こそが戦争での最重要要素だったのです。
軍事利用と平和目的との最大の違いですが、
その『目的』自身の差だと勘違いしている人が大勢いるのですが、これは勘違いですね。料理が目的の包丁でも人殺しが出来るし、その逆もなり立ちます。
今度の『安全保障に資する』の最大の問題点とは、『目的』の差ではない。
軍事利用と平和限定との違いとは、これは公開性の有るか無いかの違いなのですよ。
軍事衛星だった我が国の偵察衛星ですが、今回の3・11大震災や原発事故で、撮影した写真の公開を拒んでいる。
国家存亡の未曾有の大災害時でも、非公開が原則の『軍事利用』だと利用出来ないのです。
宇宙基本法にしろ原子力基本法にしろ、今までは情報の全面公開が決められていた。
これからは『安全保障に資する』の一文の注入により、情報公開の義務が無くなるのです。

投稿: 宗純 | 2012年6月24日 (日) 09時49分

宗純 さま
解説ありがとうございました。

衛星については、またいろいろな議論があります。軍事利用について今のところ偵察衛星しか考えられません。

もちろん、憲法9条の外堀を埋めるような法改正については反対しなければなりませんが、ブレーキをかけるような政治勢力が残念ながらありません。

したがって、今は力を分散するより焦点を絞って一点突破で行くしかないでしょう。やはりこの際は関心を集めている原子力基本法から行った方が得策だと思います。

槍と盾のほかに十手もあるよ、という議論はここではしないことにします。

投稿: ましま | 2012年6月24日 (日) 11時46分

軍事大国ソ連が侵攻したのは同盟国のハンガリーやチョコ。
アフガニスタン侵攻も当時のアミン政権はソ連と同盟していたのが大きな理由です。
これは中国でも同じで軍事侵攻した朝鮮やベトナムは同盟国ですね。
核兵器ですが、世界で唯一アメリカだけは自国の国益が侵された場合の先制使用を公言している。他の核保有国は核攻撃時だけの反撃用との限定で先制使用は否定している。
過去に核兵器をしようしたもアメリカ一国なのです。
何事も最初の一回目はハードルが高いのですが、核兵器の使用では米国は既に2回も経験済み。
第二次世界大戦後は以前とは様変わりして、仮想敵国の侵攻の可能性よりも同盟国からの侵攻の方がより危険性が高い。
そして日本の唯一の同盟故国は唯一先制使用を公言しているアメリカですよ。これは色々な条件から危険な兆候です。
核兵器ですが、これは究極の攻撃兵器としての性格よりも、刺したら自分も死ぬ『はちの一刺し』的な究極の防衛兵器でもあるのですね。
中国ですがアメリカ全土を破壊するだけの量の核兵器は持っていないが、カルフォルニアなど西海岸を壊滅させるだけの備蓄はある。
この事実を指摘した中国の軍学校幹部が即刻更迭されていますが、これは隠された本音(防衛用のはちの一刺し)ですね。
この中国軍幹部の考えが正しいと仮定するとですが、日本こそが『蜂の一刺し』としての核兵器の所有が、一番有効だとのとんでもない話になります。
ところが核武装論の右翼ですが、このような蜂の一刺しとしての自滅覚悟の最終の防衛兵器として、対米カードの一つとしては考えていないようです。
馬鹿馬鹿しい、食料にも困る北朝鮮が攻めて来る話ばかり。
まあしかし。勝ち目がなくても経済制裁でのジリ貧を嫌って破れかぶれで奇襲攻撃した日本の先例もある。
本当に防衛問題を真剣に考えるのであれば、比較的攻撃が容易な日本海側の若狭湾の大飯原発なんか最も適した標的ですよ。
口では北朝鮮が危ないと言いながら、原発のあるのは太平洋岸は少数で大多数は日本海側なのは矛盾でしょう。


投稿: 宗純 | 2012年6月25日 (月) 15時13分

いわゆる護憲勢力は軍事問題をとりあげることは無節操だという雰囲気があります。また改憲勢力にも、アメリカから離れた独自の理念はありません。

よくても悪くてもアメリカのことは、日本である程度知られるようになりました。ソ連とその崩壊の過程は、まだあまり知られていませんが、フランス・ドイツなどでは相当研究が進んでいます。

分からないのが中国です。二度の大戦にかかわっていますが、ほとんど近代戦を対等の立場で戦ったということはないからでしょうかでしょう。

毛沢東のような卓越した指導者がなく、彼らがよく使っていた「張り子の虎」のような気がしないでもないですね。

投稿: ましま | 2012年6月25日 (月) 16時10分

もしも、皆さんが日本と敵対する外国人だとすれば
日本を責め滅ぼそうとすれば、大飯原発に限らず、
日本国内で稼働している原子炉にでも自爆テロでも
やらせて、ボンとすれば良いだけのことですよね。
だとすれば、今回の福島原発事故を中曽根大震災に
よる天罰とすれば、これも慎太郎大震災による天罰
だと言われてもおかしく無いし、大飯原発が再稼動
した後、ボンとやられることにでもなれば、橋下大震災と命名されてもおかしくは無いかもしれませんね。
だとすれば、日本の将来のためには脱原発しか無い
ことは当然のことでしか無いし、どうせ日本は経済
規模の拡大なんか期待出来ないのだから、経済成長
なんか諦め、国際競争力なんか幾らでも衰退し、
喜んで敗北することで、皆で喜んで節電に協力する
と共に、電力料金については大企業に対して幾らでも
値上げすれば良いのだし、法人実効税率も大企業に
対して80%にまで引き上げ、中堅企業や中小企業に
対しては減税してあげる等した上であればTPPに賛成してあげれば良いだけのことでは無いでしょうか。
日本は、もう世界の中で、ただひっそりとした国となっても構わないのだし、それで何も悪いことも起きず
また変な戦争に巻き込まれることも無ければ、それで
皆が幸せに暮らせる社会となれば、資源等の輸入を減らすことで、減らした分は、それを必要としている他国に廻してあげて下さい、と言ってあげれば良いのだし、生産規模を縮小しながら品質向上を図ると共に、
地域分業から国際分業に繋がる循環型経済の中で、
廃棄物を幾らでも減らすことで、地球環境への恩返し
というものが出来ることを誇りとすることが出来れば
それで良いだけのことでは無いでしょうか。
そうすることで、海外から幾らでも外国人労働者を
受け容れてあげると共に、日本人も海外に幾らでも
出て行くことも出来る様にすれば、より開かれた島国
となると同時に、日本経済のダウンサイジング化によって、アメリカに対する国益の半分を中国や韓国に譲ってあげると同時に、中国に対する国益の半分はアメリカと韓国に譲ってあげる様にすることで、日本の国益がアメリカや中国をはじめ、アジア全体を乗り越え
世界中の全ての国々の国益に繋がる結果を齎すことで
全人類が一つの絆となって、世界経済を共に支え合い、助け合い、分かち合いながら、国際社会の平和と安定に寄与し、持続的発展に結びつくことになるのなら、日本が世界に対して明るい希望の光となることに
でもなれば、此れほど喜ばしいことは無いし、何も言うことはございませんよね。

投稿: asa | 2012年6月25日 (月) 21時28分

asa さま
実はお説に近いような説をなす専門家もいるようですが(伊藤憲一『新・戦争論』新潮新書)、やや難解なのと多勢に無勢。また、歴史や外交などに深い知識がないと理解できなかもしれません。

しかし、世の中のいろいろな出来事から草の根の間でそまような空気がでてくれば、夢とばかりとは言えないでしょう。気長に待つしかありません。

投稿: ましま | 2012年6月26日 (火) 10時04分

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