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2012年6月17日 (日)

妄言・政局展望

「税と社会保障一体改革」の法案を21日の衆院本会議で可決する運びとなった、ということで、中央有力紙は「決められる政治がようやく実現した」と大はしゃぎしている。

 今日の日曜日は、きっとどこかの社で世論調査をやって明日あたりそれを発表するだろう。塾頭の感じからすると、大新聞の期待にもかかわらず、内閣支持率や民社・自民の政党支持率は微動の範囲を越えないだろう。

 国民は法案のこまかい点で政党間の駆け引きがあったことの中味なんかはよく知らない。ただ消費税が上がるんだな、という程度である。それに、与野党が国を憂い与野党が私情を捨てて一致協力したなどとは誰も考えていない。

 あれが「野合」であることは誰でも知っている。なぜ野合というか、それは民主党は党内で了解を得るといっているが、小沢派を中心とした根強い反対意見がそのままであり、自民党に「マニフェストを撤回するのが条件だ」と迫られ、次々に身ぐるみをはがされてようやくパンツ1枚残したことを恩に着せられるような妥協のしかたである。民主党の中間派と称される議員の我慢も限界すれすれにきているはずだ。

 攻めているように見える自民党の方も大きなことは言えない。この案に対して、総務会では反対意見が続出、かつては全会一致で党議決定していた慣習が守られなかった。また、公明党も民・自から置いてけぼりにされるのが嫌で、創価学会内の反増税意見に目くらましを投げて、法案賛成に加わった。

 21日の本会議の採決はどうなるだろう。4日のエントリー「小沢の出番は?」で予測したように民主党は小沢氏が欠席、その他の小沢グループは自主投票で、中間派からの造反もそう多くなく反対は50人を超えるかどうかだろう。

 このほか社民・共産・「み」など小政党が反対、さらに自民から反対票がでるかどうか、また公明から「腹痛議員」がでたとしても結局、賛成は80%以上を獲得し可決されるだろう。問題はこの増税案ではなく、8月末までいわれる延長国会終盤に出されるだろう解散催促の内閣不信任案や問責決議案の方である。

 こっちは可決される可能性がきわめて高い。そうなると解散総選挙を避けて通れない。その前に議会が決めておかなければならないのは、違憲状態の衆院議員定数の是正である。これも大もめするだろうが、民主は公約の定数削減を取り下げ、自民の言うように0増5減の緊急措置を丸のみすることになるだろう。公明の「抜本改革」も棚ざらしにされる。

 今度は、民主党の中間派からも多くの造反者が出る。理由は度重なるマニフェスト無視、自民との連立を視野に入れた野田首相による第2自民、原発その他に見られる右傾化である。これは、明らかに一部民主党右派議員が望んでいることでもある。

 その反対に、原発政策の後退や「脱原発依存」の欺瞞性(これは既に去年の9月に指摘している)が表面化し、沖縄基地問題では防衛相を安倍首相時代の主張に固執する森本氏にするなど、単に増税に対する不満にとどまらず民主党のよって立つ基盤を探しあぐねている議員も多数いる。

 小沢グループはもとより、中間派議員も野田民主党では選挙を戦えないことを痛感している。野田・谷垣両党首の改選前に解散がきまれば、彼らは無所属か新党での立候補で局面を乗り切るしかない。

 この場合、小沢新党ではブームを起こせないだろう。細川内閣の時のような清新かつ安定感のある広告塔が必要なことは4日のエントリーですでに言及した。その土台を作るのは、党籍離脱をして議会を守った経験のある横路孝弘衆院議長、河野洋平前同議長、江田五月前参院議長あたりの集団指導はどうだろう。

 塾頭ごのみの顔ぶれだと言われそうだが、その前の綿貫民輔・渡部恒三正副議長を加えてもいい。しかし、現役引退した人まで引っぱり出すわけにはいかないだろう。公約はとりあえず野田民主・谷垣自民にはない国民を引きつけるキャッチフレーズがあればいいし、さらに若手の広告塔をかつげればそれにこしたことはない。

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コメント

横路孝弘衆院議長、河野洋平前同議長、江田五月前参院議長?
こんな老人サヨク集めて何やるんですか?
綿貫民輔・渡部恒三はこの3人とは180度逆の思想ですよ。支離滅裂ですね。
だいたい、野田民主党では選挙を戦えないどころか、党首が誰でも民主党が大敗するのは確実ですよ。

投稿: ミスター珍 | 2012年6月22日 (金) 11時57分

ははあ、引っかかりましたね。だから題は「妄言」なのです。左翼でも右翼でも本当に国民のことを考えて政治をしてくれればいいのです。
4人がいろいろ協議して責任あるおとなの政治をしてくれればいいのです。支離滅裂にはなりません。議長は支離滅裂にならないようまとめるのが仕事ですから。
一人の中に支離滅裂を内包している反対投票するとか党離脱を振りかざしているわけのわからないおじさんより、よっぽどいい結論をだすと思いますよ。

投稿: ましま | 2012年6月22日 (金) 12時53分

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