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2012年5月25日 (金)

改憲と各党の姿勢

 衆院憲法審査会の条文ごとの審査が、昨日(24日)から第一章、天皇を最初に始まった。毎日新聞が”憲法審査会での「天皇」をめぐる各党の論点”という一覧表を載せており、各党の改憲に対する姿勢・特徴がわかるので以下に転載する。

 電子版ではこの表がなく、朝日・読売では記事も見あたらなので転載した。下表も正確な議論の内容ではないが、次回総選挙で党を選ぶ有力な手掛かりになるだろう。

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【民主】女性天皇を認めるなど皇位継承順位が変わる場合は国民投票が必要▽首相公選制で天皇の任命手続きがどうなるのか議論がない

【自民】天皇を元首と明記、国旗・国家規定を新設▽皇位継承は変更の必要なし▽(憲法上明文のない)公的行為を銘記すべきだ

【公明】改正を必要とする条文はない▽現在も元首と同様な扱いで改正の必要なし▽女性天皇は認める方向だが皇室典範の議論だ

【共産】前文を含め全条項を守るべきだ▽公的行為の明記に反対▽世襲天皇は人間の平等の原則に合わず将来は民主共和制を目指す

【きづな】元首が天皇であるとの意識は国民にあり明文化の必要はない

【社民】元首の明記に反対▽女性天皇は皇室典範の改正で実現を▽公的行為の明記は政教分離の観点から重大な問題

【みんな】首相公選制導入のため天皇を元首と明記▽国旗・国家を規定
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・国民新党欠席・たちあがれ日本は自民とほぼ同じ改憲案を持つ。

【塾頭感想】第一章以外もそうだとすると、塾頭の考えに最も近いのが公明党だ。同党はこれまで「論憲」をいってきたが、自民党案に明確な対立軸をだしてきた。公明党に投票したことは一度もないが、この点だけは支持したい。また共・社が自民党案に反対するのは、既定路線で特に変わったことはない。

 塾頭は、自民案に対抗するには、自分たちの主張に沿った対案を示し、その正当性を主張すべきだとこれまでもいいつづけてきた。その点、共産が民主共和制という対案歩持ってきたが、自ら「将来」というだけに一笑に付されて議論にはならない。

 社民は、女性天皇を主張するがこれも「皇室典範で」といい、改憲の対案にならない。ただ「反対」だけでは何の力にもならなかった過去の歴史が、社民党の弱体化を招いてきたことを厳しく反省すべきだろう。つまり、多数のペースに乗せさせられ結果的に相手を利することにしかならないということである。

 最後に民主であるが、同党を代表したのは山花郁夫議員である。彼とは名刺交換をしたことがあるが親譲りの護憲派である。しかし、それを表に出せないような枝葉の問題だけで不鮮明な表現になっている。

 この構図は、同党内部の消費税増税、脱原発に対する不統一混乱ぶりとまさに軌を一にする。党内に自民党右派を上回る改憲派がいることもあきらかで、次の第二章戦争放棄に進めば山花議員も進退窮まることになるだろう。

 小沢元代表と野田首相の会談はともかく、そう遠くない時期に党を分裂させた方が国民にわかりやすく、いずれそうせざるを得なくなるだろう。それまでに憲法も本質的な問題で議論を高めておく必要がある。 

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コメント

民主党という政治集団の多くは、政権与党盤石時代の落ちこぼれ(公認漏れ)自民党か、次なる方向性というか代案を持てない保守政治家の集まりと言えばスッキリするのではないでしょうか。利権の代弁者としての政治家が通用したのは昔のことで、そこには保守も革新も全く関係ありませんでした。いま、民主党の大多数の議員さんたちが苛立っているのは、与党であるのに利権政治ができないということでしょう。小沢さんはその最先頭に祭り上げられています。ところが、利権政党が発する公約とかマニフェストなんぞは所詮は絵に描いた餅だと、有権者は冷めて見ているというか、とっくに現実を思い知らされています。民主党の政治家は、その見極めがバラバラということでしょう。

毎日新聞の記事を題材に天皇制をめぐる各党の分析をしていますが、基本的にGHQですら根本的なシステムに手を入れられなかったのは世界遺産的な統治の歴史を無視できなかったという、文化というか文明の問題なんだと思います。

私が英会話をはじめる時に、外国人教師から必修とされたのは天皇の歴史でした。民族主義者であった外国人教師が言うには、自国の歴史を語らずして日本人と称するのは信用に値しないという理念が強くありました。代案は持っていませんが、もし憲法改正で「第1章 天皇」を修正するならば、歴史に照らして国際的にも理解できるようにすべきなのだろうと思います。

元首とした場合、天皇という制度は世襲制ですからどこか隣国のイメージと重なってしまうのでマイナスになります。でも現状では、国際的に天皇は国家元首という扱いになっています。それはいいのですが、日本の法律が「国民統合の象徴」という曖昧な表現となっていますので、歴史に基づく公人としての「天皇家」として戸籍を取得するというのはいかがでしょうか。憲法上の「平等」との調整は必要ですが、国際的な扱いはこれまで通りということになります。つまり国家元首と同等に出入国に際してパスポートが不要だとかといった事務手続きレベルのことです......。

投稿: ていわ | 2012年5月26日 (土) 00時25分

ていわ さま
天皇の身分として法的にどういうのがいいかわかりませんが、国家の主人公は国民なので「元首」としう言葉はひっかかります。象徴でなんの不都合もあのません。
私は、祈りの伝統的儀式、つまり祭祀を天皇の公務に挙げてもいいと思いますが、政教分離といって反対する人は多いでしょうね。靖国神社は宗教を名乗っておりだめ。
祭祀は神道だというが、明治以降そうしただけで本来はアニミズムでしょう。
もうひとつ、基本的人権がなにひとつ認められていないことです選挙権・被選挙権などは別として、もうすこし自由にふるまえるようにしたらいいと思います。ひれに反対する人は「天皇は神だ」からでしょう。

投稿: ましま | 2012年5月27日 (日) 16時01分

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