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2012年5月14日 (月)

理想は「ゼロ成長」

 毎日のように繰り返される消費税とか福祉に関する論争。片や原発再開・節電関連ニュースもあふれている。海外でもユーロー圏内の財政破たん寸前にある国や、若者の失業問題、新興国を含めた景気減速など共通する話題が多い。

 日本では、消費税10%上げに民主党案で成長率3%を条件とするとか、少子化対策、インフレターゲットで経済成長を促すなどという、長く続いてきた成長神話に夢を託す話が多い。原発促進派の主張も同一線上にあるのだろう。

 こういった、経済のありがたいお話は、高名な経済学者・政治家・評論家などがなさるので、塾頭あたりが立ち入る余地はない。しかし、これからの世界は成長率ゼロで上々、極端なマイナスがなければ良しとしなければならないような気がしてならないのだ。

 絶えざる成長を願うためには、地球上のあらゆる資源が無限であるという前提に立たなければならない。次の推移を見ていただきたい。経済成長と不可分な関係を持つのが「人口」と「生活水準」である。

人口の増大→食糧が不足する→土地・水の確保→砂漠緑化・促成栽培・養殖等の工業生産→エネルギー消費の増大→鉱物資源の獲得→再生不能廃棄物増大

生活水準の向上→消費財獲得と知識・情報のの平準化→エネルギー消費の増大→鉱物資源の獲得→再生不能廃棄物増大

 いずれも「エネルギー消費の増大」をともない「再生不能廃棄物増大」が避けられないという相関関係がある。エネルギー資源として主力を担ってきた化石燃料やウラン鉱など、やがて枯渇する日が来る。エネルギー源が、再生可能な太陽光など新エネルギーに変わっても、エネルギー消費が増える限り、廃棄物の絶対量も増え続けるのである。

 つまりこれからは、人口とエネルギー消費の抑制を考慮しないと宇宙船「地球号」破滅に向かうしかないということである。こういった議論は1964~5年頃から出始めたが、1980年7月には、アメリカ大統領に”Global Two Thousand”という報告書が諮問委員会から出され、公式に取り上げられる議論となった。

 しかしながら、根本問題はさしおいて、公害問題とか温暖化原因ガスといった個別の環境対策を講ずることが成長継続の免罪符であるかかのようなとらえ方で終始した。日本の人口が1億人を超えたのは1970年代前半である。明治維新にはその3分の1、3330万人だった。この先50年100年も同じであっていいはずはない。

 日本の国土に今の数では多すぎるといってもいい。少子高齢化もひとつのチャンスである。もう一度原点に立ち返って、人口増ゼロ、経済成長ゼロで幸福追求ができる模範例を世界に示すことができれば、「日はまた昇る」新たなチャンスが訪れるだろう。

 なお、本塾で比較的コンスタントに検索を受ける過去のエントリーに「新・マルサス人口論」がある。若者人口と戦争の関連などに言及しているので、併せてご一読願えればありがたい。

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