« 五百旗頭と斑目 | トップページ | (続)小沢判決の行く手 »

2012年3月23日 (金)

小沢判決の行く手

 4月26日に、検察審査会から強制起訴された小沢民主党元代表の判決言い渡しがある。小沢氏は、その長い政治経歴と政治手法をたどって見ると、決して本塾が積極的支持をすべき政治家ではなかった。

 しかし一昨年、それまでマスコミが、西松建設だとか、ダム工事に神の声などと騒ぎ立てていたのがいつしか聞こえなくなり、秘書を次々と政治資金報告書不実記載容疑で逮捕した。小沢氏については、共謀容疑を追求し始めたが、結局起訴すべき証拠がなく、2度にわたって不起訴となった。

 それにもめげず、検察審査会は法的には可能である強制捜査に持ち込む。その間、代表辞任から、幹事長辞任という形で政治責任を負わされ、遂に「党員資格停止」という、党の処分まで受けた。結局、政権交代の基盤を作り上げた有能な政治家の政治生命が、これからの判決でどう変わるのか変わらないのか、考えてみたい。

 判決は、有罪か無罪かの二つしかない。有罪であっても刑務所に入るような罪を犯していない。これまでのところ、公判の成り行きから見て、無罪の可能性が高いとされる。しかし塾頭は有罪もあり得る、と見ている。

 その理由は、小沢無罪なら石川知裕元秘書らも無罪でなければならないからだ。共謀を疑われて、片方が有罪で、それを全く知らなかったとは言い切れない片方が、完全無罪というのは考えにくいからだ。

 最終意見陳述で小沢氏は「収支報告書に間違いや不適切な記載があっても実質的犯罪が伴わない限り、報告書の修正で処理されてきた。私のケースだけを立件したのは『法の下の平等』に反し、最初から『有罪ありきの捜査』だ」と訴えたという。

 この陳述は、石川被告に「実質的犯罪」がなかったということを前提にしており、同被告の1審有罪判決を否定することになる。司法については素人だが、同一事件で、時期も離れていない判決に全く相反する決定ができるものだろうか。

 塾頭は、判決が有罪・無罪のいずれであっても万歳を叫ぶ勝者はなく、みじめな敗北感を味わうことになると思う。仮に有罪を勝ち取っても、検察はすでに落ちるところまで落ちた。これは結果的に政治を籠絡したとも見かねられない、日本の司法にとって最悪の事態なのである。

 一方、小沢氏が無罪でも石川氏とともに2審以降の裁判が待っている。政治責任はお預けであり、刑事事件容疑に別犯人が現れるようなわけにはいかない。小沢氏も総理の座をねらうには、これからも道義的な限界が問われ続けることになるだろう。

 その中で、ニヤリとほくそ笑む黒幕がいるとすれば誰だろう。小沢をなんとしても政界から消してしまおうという、執念に燃えた人か組織か団体かそれは分からない。「小沢を立件できなかったら検察の負けだ」と口ばしった検事がいるという。特定できない黒幕は確かに存在しそうだ。

|

« 五百旗頭と斑目 | トップページ | (続)小沢判決の行く手 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

その黒い幕とは、昔手痛い目に合わせられた“大蔵省官僚”です。今の財務省官僚がちょっとだけその尻尾(小沢憎し)を出す行動をおこしてしまいました

投稿: 玉井人ひろた | 2012年3月25日 (日) 09時01分

追記

原発に抵抗し経済産業省の官僚に陥れられた、「佐藤栄佐久前福島県知事」、外務省官僚に陥れられた「鈴木宗男元衆議院」、での裁判での判決は、マスコミが大騒ぎした罪はすべて「証拠不採用」となりましたが、有罪になっています。

理由は「怪しい」それだけです。事実も証拠もないのに官僚機関が検察に有罪になることを決めさせていたようです。

小沢問題もそうなるかもしれません。

投稿: 玉井人ひろた | 2012年3月25日 (日) 09時12分

中央のエリート官僚が仲間を裏切り、辞職してTVで得々と悪しざまに内幕を暴露する。これもいただけないが、彼らは旧ソ連だったらまちがいなく消されていますね。

投稿: ましま | 2012年3月25日 (日) 09時58分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/468248/44604502

この記事へのトラックバック一覧です: 小沢判決の行く手:

« 五百旗頭と斑目 | トップページ | (続)小沢判決の行く手 »