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2012年2月17日 (金)

がれき処理妨害は差別だ

 各地自治体で、大震災被災地の膨大ながれき処理を引き受けることに、放射能被害不安を理由に住民の妨害運動が起きている。中には、当該自治体首長に罵声を浴びせかけたり、係員の説明に耳を貸そうともしない住民らが混じっている。

 石原都知事は、そんな声に「黙れ、と言えばいいんだ」と言ったというが、彼のそんなところが嫌い(好きな人もいるかも知れないが)だ。そして新党結成も失敗して引退すればいいと思っているが、「自分たちの所さえよければ」という被災地の苦悩を分かち合おうとしない活動家?には、知事同様大いに疑問を感じる。

 そういう人たちは、よもや「革新陣営」に属する人ではないだろう。なぜならば、沖縄の米軍基地や海兵隊は、中国などへの抑止力として存在は不可欠で、普天間の辺野古移転は必要。そして、日本の安全のためなら沖縄だけが犠牲になってもやむを得ない、とする自民や一部保守系の考えと相通ずるからだ。

 焼却灰の8000ベクレル/Kgは高すぎるから、震災前から「原子炉等規制法」で決まっていた100ベクレル/Kg以下にしろ、というのが反対者の意見だ。そもそも、上記の数値を適用する前提がまるっきり違う。

 後者は、原子炉周辺から廃棄されるような放射能汚染物質持ち出しについて決めた数値で、地震津波のがれきは原発に関係なく、8000ベクレル/Kgは、それを焼却したあとの灰に残った放射能の数値だ。

 仮にがれきそのものが100ベクレル/Kg以下でも、灰として濃縮されれば、それだけ高濃度になる。がれきが公的に持ち出され、公的に焼却施設で処理され、その灰は埋め立てて土で覆われるため99.8%の放射能が遮断され、年間0.01ミリシーベルト以下になるという。

 これは、まったく健康に云々という数値ではないが、既成の数値が二重基準で細かいことが決められていないとか、政府の言うことは信用できないから反対だとする。たしかに、事故後の諸現象に対応するような法律は未整備であり、放射能被害には未知の部分が多いことは事実だ。

 しかし、がれきを放置して被災地を見捨てるわけにいかない。可能な限りの方策を立て順次実行していかなければならない。「子供に影響がないという保証はない」「埋め立てた後、何百年もあと知らないで掘り返されるかもしれない」、それはそうだろう。

 そうだとしても、「かもしれない」の程度の軽さならば甘んじて受けようではないか。被災地の苦しみ痛みを比べれば、身勝手なのはどっちかがはっきりする。市民と称していながら他の不幸をかえりみず、被災地の復興を政治的に妨害するようなことは、不名誉なことだとさとってほしいものだ。

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コメント

放射能ですが幾ら高温で燃やそうが無くなりません。
煤煙から異臭程度なら我慢すれば済むレベルですが、放射能除去フィルターのある設備以外での焼却は違法である。
そればかりか、現在は地面に降り積もって、悪い意味で一応は安定している放射能の汚染の、拡散と拡大以外の意味しかない。
放射能の焼却など、日本国以外で何処の国も行っていません。
もちろん日本でも本来は禁止されていることですよ。
それは善意ではなくて、人間わざでは無理なことなのです。
何故なら高温で気化すれば、『百害あって一利なし』なのは誰もが知っているからですね。
石原慎太郎の発想ですが、狂気の沙汰です。
しかも、法令で100ベクレル以上のものは勝手に移動しては駄目だとの決まりがある以上は守らせるのが政府の役目ですよ。
何故現地で埋め立て処分し様とし様としないのか不思議です。
この瓦礫ですが、そのまま積み上げて植林も可能で、安全性にも問題が無いとの研究も出て居るが、
実は今東北地方では、積雪で極端に放射能の数値が劇的に下がっているのですよ。
古代の遺跡群は全て地下に埋設されたのですが、東北の放射能の汚染瓦礫には、それ以外の安全な方法は無いと思いますよ。
燃やして目の前の汚いものを無くすとの発想は、他のものには通用するのですが、放射能では通常の常識とは正反対になります。
単に汚染の拡散にしかなりません。

投稿: 宗純 | 2012年2月17日 (金) 15時00分

コメントありがとうございました。

1.原発から離れた通常のがれきでキロたり100ベクレル以上になるものがるでしょうか。あれば除外してもいいと思います。

2.焼却して灰に濃縮されることがあっても、放射能が消えるとは言っていません。焼却はもちろん公設、または認可された設備でフィルターはあるでしょう。

3.現地で埋め立て、体積が膨大で簡単ではないから焼却するのではないですか。こういった事態を想定した法律はありません。突発事態で昔の法律に固執するのは政治でないと思います。

投稿: ましま | 2012年2月17日 (金) 16時39分

1も2も3も大きな誤解です。
1ですが、100ベクレル以上は除外と、なっていないのです。
そんなことは政府は一言もいっていないから住民が心配しているのです。
この一般市民の心配は当然であると思いますよ

2ですが、これが最大の問題点でしょう。
放射能の除去ですが、ある程度は可能なのですが焼却炉の排気は高温であり、フィルターは特殊で高価なのです。
格納容器の保全の為に必要なベントを東京電力が渋って
管総理が直々に福島第一まで出張ってまで督促して原因ですが、フィルターが無かったからですね。
ベントすれば自動的に周辺地域が汚染する。
だから東電は嫌がって政府の指示に従わなかった。
放射能を常時扱う原発施設の圧力抜きのベントにさえフィルターが無いのですよ。
一般ゴミを扱う(通常絶対に放射性物質を扱わない)焼却炉に放射能対応のフィルターが存在しているなど、絶対に有り得ないのです。
しかも、今原発作業員とか除染の作業員などの使用した大量のマスクや防護服が大量にたまってオフサイトセンターに山積み状態。
マスクとかフィルターとか放射能の防護では基本的に使い捨てで、再利用が不可能なのです。
もしも今後、安上がりの安全なフィルターが開発されたとしても、放射能を吸着したフィルターが新たな核のゴミとして溜ります。
放射能は減らないので、燃やすことでは何も解決しないのです。

3が実は一番のネックでしょう。
福島県で新築マンションの放射能汚染が大問題になったが、これは野晒しの砕石のコンクリートを使用したためですが、ジャリは『体積が膨大で簡単ではないから』経費の問題で、近くからしか運べない。
瓦礫ですが、同じなのです。
近隣の市町村なら話は別ですが、これは運搬経費が大問題ですよ。
そもそも世界中で日本国のように、ゴミを焼却処分しているところの方が少ないのです。
普通は埋め立てで、これの方が経費がかからないらしい。
そもそも原発の使用済み核燃料の再処理では、何もしないでそのまま管理するほうが経費的には何倍も安上がりであるらしい。
この瓦礫の処理問題は放射能の除染と同じで、新たな利権の可能性が高い。
NHKでの放送では学校のプールの水のセシウムの除染費用が1千数百万円。
しかも除染した後の高濃度の放射能の汚泥がドラム缶で十数本も溜るがこの処理方法がどこにも無い状態。
除染ですが、これは永久に終わらない新たな利権、金の卵を産むガチョウですね。

投稿: 宗純 | 2012年2月18日 (土) 10時27分

宗純 さま
全体について反論するつもりはありませんので要点だけ。

政府はがれき搬出前、到着時、焼却後それぞれ放射能を計測するといっていますが、ご承知の通り大量のがれきのどこをどうやって計測するのか、技術的方法が確立していません。特定の場所の土壌やすりつぶした食品などならKgあたり何ベクレルという数値がでますが、がれきではそうはいきません。それが解決しなければ基準の出しようがありまん。

多分、対象とするがれきはどのような方法をとっても100ベクレル以上にならないと踏んでいるのでしょう。

2番目は、がれきの現地埋め立てなど被災地に場所がない等の理由から強い反対があり、復興を進めるうえで最も実現しやすい方法として要望されていたもので、放射能の問題などなかったはずです。(福島県の避難地域から持ってくるとはいっていません)

当局の丁寧な説明は必要で、時間をかけて法整備する必要もあるでしょうが、しかし緊急に今何が必要かを最優先で考えるべきでしょう。

投稿: ましま | 2012年2月18日 (土) 11時30分

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