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2012年1月28日 (土)

お相撲さんの出身国

 大相撲初場所が終わったばかりでです。優勝は把瑠都。出身はエストニアでバルト海に面した小さな国です。隣接するラトビア、リトアニアと共に、長い間ソ連に統合されていました。たまたま、ソ連崩壊の過程における東欧各国や中国などの動静を書いた本を読んでいたので、外国人力士の出身国が頭に浮かび、調べてみました。

 そこでクイズ。外国人力士の出身国は、モンゴルの28人は別格として、ベストスリーはどこでしょう?。

 2位中国4人、3位ロシアとグルジアがそれぞれ3人です。アメリカはゼロになって久しいのですが韓国がゼロになっているのは知りませんでした。出身国は10か国を数えますが、そのうち西側、いわゆる自由主義国家だったのはブラジル1か国で、あとはすべて旧共産圏の国々です。

 その中でも、チェコスロバギヤが分離独立したチェコ出身の隆の山、力士らしくない痩身での活躍がウリです。ブルガリアは長身の大関・琴欧州、下位ですがハンガリーの力士もいます。以上の各国は、ソ連衛星国といわれていましたが、スターリン死後直ちに民族運動が燃え上がったわけではありません。

 それぞれスターリンお気に入りの幹部が残っており、スターリンのあとを継ぎスターリン批判を断行したフルシチョフに抵抗して粛清されたような人もたくさんいたのです。そのソ連に従順でなく、時により鋭く対立していたのがユーゴスラビア、ルーマニア、中国などでした。

 日本ではほとんど知られていませんが、それぞれ民族の悲劇を背負い、厳しい決断、抵抗、葛藤の積み重ねの中で、現在みられるような道を切り開いてきたのです。これとは別に、つい最近までロシアと戦争状態に発展したグルジアからも、先輩・黒海に次いで栃の心、臥牙丸がきて活躍しており、さらに東へいってカザフスタン出身者もいます。

 こういった旧共産圏の国々がどういった経緯をたどって改革開放され、自由化してきたのか、どういう問題があったのか、せっかくなじみの力士が土俵をにぎわせているこの際、星取表だけではなくそういった国情についても是非紹介してもらいたいものです。

 社会主義政治体制が続いている中国・北朝鮮がこのさきどう変化するのかしないのか、参考になるようなことがたくさんあるはずです。日本のマスコミも「優勝額から日本人が消えた」などと嘆いているだけでなく、こういった国々を取り上げて、そのお国柄や歴史を紹介する、そうすれば、相撲への人気や関心ももっと高まることでしょう。

追補(14/7/31)

 2年半たって見直すと、基本的にはあまり変わりません。横綱3人すべてモンゴル、幕下まで数えると24人ほどで他を圧倒しています。それを除くアジア人は、中国内蒙古出身の蒼国来ひとりになりました。

 珍しく、アフリカはエジプト。イスラム教徒の大砂嵐が幕内に躍り出ました。

 国際色はますます強くなりそうです。 

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コメント

お国柄や歴史を紹介するのも結構ですが、外人勢に頼っていてはいずれ大相撲は滅亡してしまうのではないですか。相撲はスポーツではなく文化・武道・芸能の要素を持ってますからね。しかも興行でもある。生粋の日本人ではない人が、拍手を打つとか奉納相撲とかどうにも違和感があります。これは帰化したところで同じ。生まれてすぐお宮参り、七五三、祭礼で神輿を担ぐとか初詣にいくとかを経験してないとわからない世界だと思います。
要するに神道と不可分の武道、神道が日本人以外に適用できないのと同じで相撲も日本人以外には基本的に無理。まぁ、興行でもあるからひとりふたりいて興を添えるくらいはいいですけど。

投稿: ミスター珍 | 2012年2月12日 (日) 21時19分

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