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2011年12月16日 (金)

朝日・読売の共同切り

 16日の毎日新聞ベタ記事にちょっと気になるニュースがあった。

共同通信社:朝日と読売が配信契約解除
 共同通信社は15日、海外ニュースやスポーツ記録などの配信契約を結んでいる朝日、読売の両新聞社から解除の通告があったことを明らかにした。来年3月末で記事の配信は終了する。解除について両社は「経費的な理由」と説明したという。

 最近のことであるが、某有力政治家が「中央紙はまだいいが、地方紙はかたよった記事が多く困ったものだ」という趣旨のこと言ったとされるニュースを聞いた覚えがある。記録しなかったので正確には再現できない。

 しかし、それが東京新聞をはじめブロック紙・主要県紙をさしていることは確かだろう。塾頭が気になったのは、競争関係にある朝日・読売が同じタイミングで共同歩調を取っていることである。これは対・共同に対し初めてのことではないが、なにか「経済制裁」のような印象を持った。

 地方紙は、中央の有力記者クラブに入れない。その代わりを共同通信がつとめている。したがって取材の上では中央紙各社が競争相手である。また、外国からの情報は通信社の得意とするところで、世界各地に特派員・通信員、その他の情報ネットを有し、地方紙はこれに頼らざるを得ない。
 
 朝・読が揃って「経費的な理由」で共同との縁切りに踏み切ったというが、その代わりに両社の海外支局や特派員を増強すれば、経費はより増大するのではないか。ちなみに、毎日新聞は、このところ共同との連携を深めている。上記記事の隣に取材用のジェット小型機を共同運用することになった、という記事を掲げていた。

 毎日が、激しい拡販競争で後退し、読・朝との差をつけられて苦境に立っていたことはよく知られている。そこで、地方支局などの経費削減を目指すため、取材費節減という身を切る選択をしたのだ。朝・読の理由づけは全くその逆である。

 新聞社の収入は、広告料と購読料である。その中で朝・読など中央紙と地方紙では広告料に圧倒的な差がある。最近は知らないが、中央紙の広告スペースのほとんどを、電通を中心とした大手代理店が独占的に抑えていた。

 したがって、中小代理店は地方紙へのスポンサーを探すしかなく、大手のおこぼれにようやくありついていたという実態だった。一方、共同通信の収入源に広告料はない。情報提供の契約料だけである。だから、スポンサーやそれと利害を共にする権力に気兼ねする必要はない。

 地方紙は地元と密着した記事で読者をひきつけ、購読料を確保するのが命綱である。その地方の隅々までY紙が過大なノベルティーを持って荒らしまわったという、地方紙幹部のの憤激を聞いたことがある。戦前、反軍・反戦の旗を振ったのは一部地方紙だった。もともと、地方は反中央、反権力なのである。

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