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2011年11月23日 (水)

NGO・赤十字、頑張れ!

 以下は11/23日、毎日新聞朝刊トップである。他の各紙に見当たらないので、特ダネなのかも知れない。地味ではあるが、トップの価値十分である。

【ジュネーブ伊藤智永】国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC、加盟187カ国・地域、会長・近衞忠煇<ただてる>=日本赤十字社長)は23日からジュネーブで始まる総会で、世界の原子力災害・事故で、被災者の救援や健康管理に先導的な役割を果たすため、一定時間に放射線を浴びる許容量や避難が必要な範囲の設定基準など「被災者救済の視点」に立った初の国際的なガイドライン作りに乗り出すことを決議する。日本赤十字の提言を受けたもので、日赤は総会で、日本で来春に原発保有国(31カ国、導入予定約10カ国)の赤十字を集めて基準作りを討議する国際会議の開催も提案する。

 近衞会長が当地で毎日新聞の取材に明らかにした。ガイドラインは約2年かけて策定。将来的には国際法として条約化を目指し、非戦闘員の保護など「戦争のルール」を定めたジュネーブ条約と同様、各国政府共通の基準にしたい構想だ。

 近衞氏によると、日赤は広島・長崎原爆の被爆者医療で実績があり、東日本大震災直後から放射線被害診療などを開始した。しかし、自治体、国、外国など国際社会いずれも避難範囲はばらばらで、現在も統一されておらず、国際原子力機関(IAEA)などの放射線の許容量を示す国際基準も被災者本位になっていないなど現状に危機感を強くしたという。

 まだこれからのことであるが、塾頭は久々に「やった!!」という気分になった。実は、一昨年の7月、福島原発事故など夢にも思わなかった時に、国連のIAEA事務局長に天野之弥氏が選ばれたことに対し、歓迎の記事を書いた。

 国連職員だから日本人を代表して仕事をするわけではないが、唯一の被曝国で、非核3原則を持つ国の出身者として、核平和利用、核拡散防止、ひいては核軍縮に力量を発揮してもらいたいと思ったからだ。

 ところが最近では、イランにおける核兵器用の高性能起爆装置の実験施設の存在指摘に関連し、イラン・アフマディネジャド大統領は天野事務局長に対する不信を募らせており、「米国の主張を繰り返しているだけ」などと批判を受けている(11/19読売)。

 国連組織が強い政治性に左右され、純粋な中立的立場を取り得ないことはわかるが、最小限度「国連イコールアメリカではないよ」という最小限度の信頼を維持できなかったことに、落胆させられたばかりである。

 当塾は、このところ脱原発を指向して、持てる核技術・経験等の蓄積を生かした国際貢献の道をさぐり、将来的には核廃絶を先導する日本になってほしい、と訴え続けてきた。しかし、政府はもとより国民世論でも鮮明な形にはなっていない。

 そう、NGO(非政府組織)の出番なのだ。これまでも、国家や政府ではなしえない国際基準づくりをNGOが先導して築き上げてきた。原子力施設からの安全保持、事故や廃棄物を含む放射能被害への許容基準、国境を超えた共通認識の育成など、できあがれば原子力安全神話に対するアンチテーゼになりうる。

 上述のような計画は、当然これまであってしかるべきだったのだ。それができなかったのは、「核」の持つ特殊性・排他性が阻んできたからだろう。これを打ち破ったのが福島の事故であり、被災者の力であると思う。

 近衛会長をはじめ、日本赤十字社には、国にできないことで最大限の力量を発揮してほしい。必ずできるだろうし、実現する日を国民のひとりとして楽しみにしている。

付録 (赤新月社)イスラム圏では、赤十字マークを使わない。ご想像の通り、キリスト教の十字架や十字軍を連想させるからだ。何故、赤い新月か。日本ならなにか不吉な暗いイメージがあるのだが、砂漠の民にとっては、日の丸は灼熱の太陽、飢餓をイメージする。月の見えない暗黒から、か細い新月の現れるのが希望のシンボルなのだ。

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