« 9条を強くできるか(その2) | トップページ | 9条を強くできるか(その4) »

2011年11月14日 (月)

9条を強くできるか(その3)

 憲法改正が審議会にあがる場合、その素案は政党が作るか、あるいはその支持推薦を受けたものになるだろう。そこに「私は護憲だから改悪には一切反対」だけでは対抗できない。改悪案に対し、改善案を示して「どっちがいいか」と国民に問いかける形にしなければならない。

 立法府には、福島瑞穂先生をはじめ有能な弁護士が大勢いるので文案作成にはこと欠かないだろう。したがって、憲法はもとより、他のあらゆる国内法をはなれ、自衛隊や在日米軍のあり方を塾頭なりに考えてみることにした。

 まず自衛隊である。さきに述べたように、その呼び方だけでは軍隊との区別がつかない。吉田元首相の言葉を借りるまでもなく、戦争のほとんどは自衛という口実で開始される。呼び方をなんとか変えたいものだ。

 ただし、その名称を憲法に載せる必要はない。警察であろうと消防であろうとまた海上保安庁であろうと、憲法にその名は出てこない。禁止すべきことは、すべて「公務員」の名ででてくる。次に服装である。迷彩模様のミリタリールックはやめてほしい。PKO派遣隊なども、むしろ目立つ赤系統などどうだろうか。四川省大地震で消防の援助隊が救助できなかった遺体に敬礼する姿に、中国の対日感情が好転した事実を思い出す。

 次に装備である。福田首相時代、クラスター爆弾を自衛隊が保有することに、米軍との共同作戦など防衛庁がその必要性を訴えたが、国内使用に合理的な説明ができず、首相の決断で禁止条約に参加することを決めた。

 同様なことが、近代設備を満載した大型戦車やステルス戦闘機にもいえそうだ。四面海に囲まれた日本はこの点幸せで、領域の制海権・制空権を万全に確保すれば、敵の上陸を防ぐことができる。

 そのための装備は、レーダー網、地対空ミサイル(必要があれば艦対空・艦)、対潜哨戒機などであろう。金がかかりすぎるきらいはあるが、アメリカのMD(ミサイル防衛システム)計画にのって共同研究をしてもいいのではないか。

 MD計画については、大陸間弾道弾制限条約のバランスを崩すという反論があるが、日本はそれを軍縮の方向に導く姿勢を持ち続けていればいいのだ。同じことが核軍縮についてもいえる。日本は核兵器を持っていないが、世界で最も保有可能に近いところにいる。

 今回の福島原発の事故で、日本が脱原発を鮮明に宣言すれば、核爆弾の洗礼を受けた唯一の国として、確実に核軍縮の先頭に立てる唯一の機会だったのだ。しかし政府は、みすみすその機会を失ってしまった。

 次回予告は在日米軍である。

|

« 9条を強くできるか(その2) | トップページ | 9条を強くできるか(その4) »

憲法」カテゴリの記事

コメント

>四川省大地震で消防の援助隊が救助できなかった遺体に敬礼する姿に、中国の対日感情が好転した事実を思い出す。

そうでしたね…。これですよ…。西側のマスコミは、やたら中国国内の反日抗日デモなどの類いの報道をタレ流ししていますが、わたしは5年間、北京を拠点にして、四川省の成都・上海・深セン・武漢・南京・香港などなど各地を周りましたが、ただの一度もその様な光景を目にはしませんでした。その様な行動にでるのは、日本で言うところの急進的な右翼の極々一握りの輩に過ぎないんですね…。日本では改憲派の論壇などが、やたらと中国脅威論なるものを吹聴していますが、前にコメントしましたが、中国が日本に進攻する事は200%ありません。それは日本国憲法なかんずく、第九条が日本国内の最高法規として君臨しているからです。あと中国の首脳や、名だたる企業の経営陣が日本の世界トップレベルのハイテクノロジーに一目も二目も置いており、日本の企業経営を学び取る努力をしているのです。だから、日本は日本国憲法とハイテクノロジーを持って国際貢献をしてさえいれば、どこの国からも尊敬されることすれ、軍事的進攻される心配は皆無なんですよ…。 中南米のコスタリカを始め、世界には十数ケ国の非武装の国が存在している現実があります。どこの国も軍事進攻を受けていません。核武装なんて愚の骨頂ですね…。 人を殺す軍備・武器は保持しないのが、最強の安全保障であると確信します。

投稿: 青い鳥 | 2011年11月16日 (水) 00時28分

青い鳥さん

>中国が日本に進攻する事は200%ありません。それは日本国憲法なかんずく、第九条が日本国内の最高法規として君臨しているからです。
>日本は日本国憲法とハイテクノロジーを持って国際貢献をしてさえいれば、どこの国からも尊敬されることすれ、軍事的進攻される心配は皆無なんですよ…。

9条があるから、他の国は攻めてこない、などとよくもまあそんな発想ができますね。
いわゆる9条神話ですね。
政府や一部の学者が言っていた「原発は絶対に大丈夫」っていう原発安全神話に似てますね。

ところで、「中国が攻めてこない」というあなたのお考えは分かりましたが、なんで中国の軍事費は毎年20年以上(でしたっけ)、2桁の伸びを続けているんですか。
平和のため?
他の国の虐げられた人民を、共産党の名の下に解放するため?
それと、あの国は、日本には攻めてこなくても、チベットやウイグルを現在進行形で侵略していますが、それも、中国が言うように、人民の解放であり、国内の問題ですかね。

>中南米のコスタリカを始め、世界には十数ケ国の非武装の国が存在している現実があります。どこの国も軍事進攻を受けていません。

出た、コスタリカ。
左寄りの人は、すぐにこの国を非武装の例として挙げますが、コスタリカがどうして非武装を宣言したかご存知ないようですね。
以下に、他のHPから引用しますね。

―以下引用―
コスタリカの非武装化は、48年の非武装宣言と1949年の憲法改正に端を発する。これは、リオ条約と米州機構の存在によって成り立つものである。すなわち、米ソ冷戦期において米州における相互防衛を謳った米州相互援助条約(リオ条約)と、集団的自衛権を認めた集団安全保障機構である米州機構の存在が、コスタリカをして独自の戦力保持を否定させた要因である。そして中就、コスタリカによるこの政策は対米追従政策によって強固に裏打ちされたものであった。親米・反共を掲げ、真珠湾攻撃の際にはアメリカに先駆けて日本に宣戦布告を行うなど、コスタリカは歴史上非常に親米的であった。

 憲法による常備軍の廃止はしかし、自衛権の撤廃を定めたものではなかった。同国憲法には、必要がある場合は軍備を再編成することが可能な旨記されている。ただしこれは一度も発動されたことが無い。なぜなら、軍隊ではないとされた国家警備隊が一定以上の実力を保有していたためである。
 コスタリカは同隊を長年「警察力」と位置づけてきたが、90mmロケット砲や戦闘車輌、レシプロ攻撃機を擁する警察力が軍事力と同等に扱われないのは妙ではある。現に、平時に於いて「警察力」と位置づけられる各国の警察や海上警察は、有事の際には「軍事力」の指揮下に入ることが知られている。軍事費に換算してみても、コスタリカの国家警備隊の経費は中米三位であり、これは中米紛争が激烈さを増していた90年前後においても同等である(『ミリタリーバランス』に拠る)。
―引用終わり―

というわけです。
100歩譲って、コスタリカが非武装だとしても、日本とは国の規模が違いすぎます。
同列には比べられないでしょう。
挙げるなら、日本レベルのGDP、人口を持つ国で、非武装を謳っている国、実際に非武装の国にしてください。

投稿: makoto | 2011年11月16日 (水) 02時04分

国の規模の多寡など全く関係は無いんです。これは個個人の価値観なので押し付ける気はさらさらないのですが、人間にとって何が大切か、わたしは、こう思うのです…。『殺されても、殺さない…。』という覚悟なんですよ…。その覚悟がなければ、人間はいとも簡単に人間の命の尊厳を蹂躙してしまうんですよ…。 これ以上、議論しても平行線を辿りそうですので、この辺で失礼します。お休みなさい…。(∪o∪)。。。

投稿: 青い鳥 | 2011年11月16日 (水) 02時46分

>『殺されても、殺さない…。』という覚悟なんですよ…。

youtubeにそんな座談会が出てましたね。
日本人は、そんな覚悟を持つべきだ、なんて言ってる韓国人たちが。
間違っていたらごめんなさい。
もしかして、あなたもあの中の一人ですか?

あなたが、個人としてそういう覚悟を持つのは一向に構いません。
しかし、それを日本に求めないでください。
中国に行って、中国人にそれを言ってくださいよ。

投稿: makoto | 2011年11月16日 (水) 03時16分

おやすみなさい

投稿: makoto | 2011年11月16日 (水) 03時17分

青い鳥さん

一日考えましたが、あなたの書いた言葉がどうしても納得できません。

>『殺されても、殺さない…。』という覚悟なんですよ…。その覚悟がなければ、人間はいとも簡単に人間の命の尊厳を蹂躙してしまうんですよ…。

たいした覚悟ですが、あなたは、お子さん、またはお孫さんにもそう諭していらっしゃるんでしょうね。
「良いか、うちに強盗が来て、家族が殺されようとしていても、絶対に歯向かっちゃだめだぞ。『殺されても、殺さない。』その覚悟を貫くのだ。じゃないと、人間の命の尊厳を蹂躙することになってしまうのだから。」と。

>中南米のコスタリカを始め、世界には十数ケ国の非武装の国が存在している現実があります。どこの国も軍事進攻を受けていません。

こんなの出てきましたけど。

―以下引用―
 48年12月、コスタリカが非武装を宣言した直後、コスタリカはニカラグアのソモサ政権より侵攻を受けた。当時民兵が招集されたが、ニカラグア軍はアメリカの強い圧力で数週間後に撤退した。
 ニカラグアとの衝突は続く。55年1月、ニカラグアに支援されたゲリラが侵攻し、レシプロ機がサン・ホセを爆撃するなどした。対してコスタリカは10000の市民警察予備兵を召集し対応したが、今回もアメリカの強い圧力でニカラグア側が撤退している。
 その後、コスタリカ政府は親米により一層傾倒し、且つ反ニカラグア政府闘争への関与を深めてゆくこととなるが、73年、83年、85年と相次いでニカラグアからの侵攻を受けている。
―引用終わり―

非武装というのが、いかに脆く危ないか、お分かりになりましたか。
二度と「コスタリカは非武装」だとか、「非武装の国は軍事侵攻を受けていない」などと言わないでいただきたいです。


>中国が日本に進攻する事は200%ありません。それは日本国憲法なかんずく、第九条が日本国内の最高法規として君臨しているからです。

弱小の軍隊しか持っていなかったチベットは、中国に侵略されていますが、「チベットも第9条を持っていたら、侵略されていなかっただろう」とお考えですか。

それとも、「チベットは中国の一部だから侵略とは言えない」とお考えですか。

今日の読売に、こんな記事が出ていましたね。

チベット僧抗議の焼身11人「他に方法がない」
 中国四川省西部のチベット族居住地域で今年3月以来、チベット仏教の僧侶らの焼身自殺が相次ぐ。
 11人が自殺を図り、少なくとも6人が死亡したとされる。中国当局による統制強化に対する命を賭した抗議と見られる。35歳の尼僧が今月3日に街中で自殺した同省かんしチベット族自治州どうふは重苦しい雰囲気が支配していた。
 英国のチベット族支援団体「フリー・チベット」によると、尼僧は自殺直前、信仰の自由とインド亡命中のチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世の帰還を訴えたという。
 記者が10日、同州の州都・康定から車で約4時間の山岳地帯にある道孚に到着すると、約20人の当局者らが待ち構えていた。ホテルに連行され、「尼僧の焼身自殺は事実だが、既に全てが正常化している」との説明を受けた。当局者を説得し、尼僧の葬儀が行われたチベット仏教寺院に当局者の車で行った。この寺は観光名所だが、周囲に人気はほとんどない。寺の門は閉ざされていた。
 相次ぐ焼身自殺は、中国チベット自治区ラサを発端とした2008年3月のチベット暴動3年を機に起きた。同支援団体によると、甘孜チベット族自治州で3人、アバチベット族・チャン族自治州アバで8人が自殺を図った。このうち、死者は少なくとも6人だが、残る5人のうち4人は「行方不明」という。
 チベット族地域のある場所で、寺を訪問した。中年の僧侶は「焼身自殺は当局への抗議。我々には他に抵抗を示す方法がない」と憤りつつ語った。治安当局は、寺院を未明に捜索し、僧侶を多数連行するなど、統制強化に乗り出しているという。
(2011年11月16日15時39分 読売新聞)

この中国が、「日本に侵攻することは200%ない」とどうして断言できるんでしょう。
上に書かれているように、日本が第9条を持っているから?

投稿: makoto | 2011年11月16日 (水) 17時57分

日本人には意思 (will) がない。
意思は未来時制 (future tense) の内容である。
日本語には時制がない。
日本人には意思がない。

英米人の子供には意思がない。
この点で日本人のようなものである。
思春期を迎え、言語能力が発達すると、意思を表すことができるようになる。
英米流の高等教育 (大人の教育) が可能になる。これは、さらなる英語の教育である。
日本語脳の持ち主には、大人の教育の意味は理解できない。
日本人は英米流の大学教育を高く評価もしないし、成功もしない。

子どもには意思がない。
だから、子供には保護者 (chaperon) がついてきて、それを代行する。
日本政府にも、意思決定が難しい。
だから、アメリカ政府が意思決定を助けてくれる。
日本人の誰もが指摘する通り、我が国の政府は、アメリカ政府のポチである。
日本人は、自力でこの道を脱却できるか。

http://www11.ocn.ne.jp/~noga1213/
http://page.cafe.ocn.ne.jp/profile/terasima/diary/200812

投稿: noga | 2011年12月 4日 (日) 02時48分

noga さま

拝見しました。立派な論文ですね。

明治新政府や志あるものは、欧米各国から文明を吸収しようといて大わらわでした。

それと同様なことが終戦後しばらく続きました。一種の哲学ブームのような現象もありました。戦後の空虚さを埋めるものでしたが、文学・芸術の味付け程度で終わり、やがてマルクスにとって代わられたようです。

投稿: ましま | 2011年12月 4日 (日) 10時26分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/468248/43005472

この記事へのトラックバック一覧です: 9条を強くできるか(その3):

» 【TPP】 とか 『NPP』 とか [逝きし世の面影]
『trade(貿易)の意味』 対米従属命の歴代自民党政権とは違う、自主外交志向の『日米安保は第七艦隊だけで十分』の小沢一郎や、『東アジア共同体』『最低でも県外』などと言う鳩山政権などの、今までとは『微妙に違う対米路線』は外務省などが困るので、マスコミ総がか...... [続きを読む]

受信: 2011年11月16日 (水) 09時29分

« 9条を強くできるか(その2) | トップページ | 9条を強くできるか(その4) »