« 天皇と憲法 | トップページ | 反戦塾乗11/11/3 »

2011年11月 2日 (水)

天皇と憲法(その2)

 前回、天皇の戦争責任について述べるといったが、実は、この議論は既に終わったと見ている。過去記事に「君が代は起立口パクで」というのがあるが、左右両極の方からのお叱りがあるかと思ったのに何もなかった。そのことから書き進めよう。

 戦時経験のある塾頭なので、日の丸・君が代にはたしかに引っかかるものがある。そして、教員への強制、処罰は大いに問題があると思っている。ことに、君が代のピアノ演奏強制は、憲法上「苦役からの自由」や「思想及び良心の自由」の侵犯ではないかとも書いていた。

 天皇の戦争責任については、過去いろいろな日記などを含む刊行物や研究書をあさってみた。その中で、開戦が昭和天皇の意に反す結果であったとしても、法的に大元帥として軍を動かす立場にあったことは動かしがたく、法的・道義的に戦争責任があったと断じざるを得ない。

 これを最も痛感していたのは、昭和天皇自身であって、何度も退位を考えたものの、「国民のため」をいう為政者や側近に押しとどめられたのだろう。しかし戦争末期、あの段階でポツダム宣言受諾の決定を自らの言葉で決定した功績は、やや遅きに失したとはいえ比較の対象がないほど大きいものだった。

 あれがなければ、日本は米ソなどの侵攻で分断占領され、事実上現在のような国も国民もなくなっていたかも知れないし、人口が半減したとしてもおかしくない。その昭和天皇が死去してからすでに24年、戦前の天皇を持ち出して現憲法の復古を考える土壌は、既に無くなっていることを知るべきだ。

 日の丸・君が代に話を戻そう。これを戦争と結びつけるから話がややこしくなる。日の丸の起源ははっきりしないが相当古くからあり、「平和の象徴」として見ても一向に差し支えない。戦争に関係あるのは陸軍の聯隊旗や軍艦旗の方で、日の丸では飽き足らなかったのか後光を四方八方に書き入れ、いかにも拡張主義を表しているように見えた。

 君が代、これをなにも昭和天皇や明治天皇に結び付けることはない。世界に例をみないような間延びしたメ雅楽風メロディー、歌詞も同様、和歌の朗詠そのものだ。他国のような行進曲、革命歌風とはまるで違う。むしろ、日本の文化として平和を願望するう歌という解釈で全く支障ないのではないか。

 憲法第一章天皇を見ていく場合も、そういった立ち位置があっていい。それは次回。

|

« 天皇と憲法 | トップページ | 反戦塾乗11/11/3 »

憲法」カテゴリの記事

コメント

>教員への強制、処罰は大いに問題があると思っている。ことに、君が代のピアノ演奏強制は、憲法上「苦役からの自由」や「思想及び良心の自由」の侵犯ではないかとも書いていた。

よくもまあ、こんな解釈ができますね。
嫌なのに強制されたら、憲法違反?
仕事なんだから、しょうがないでしょう。
だったら、最初から、教師にならなきゃいい。

石原慎太郎のエントリときもそうだったけど、都合のいいときにだけ、「これは憲法違反だ」みたいに言うのやめたらどうですか。

投稿: makoto | 2011年11月 3日 (木) 15時36分

第十三条[個人の尊重]すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

第二十二条[住居・移転・職業選択の自由、外国移住・国籍離脱の自由]《本文略》

石原慎太郎の立場で憲法をみません。基本的人権については「最大の尊重」が必要という立場でみます。

投稿: ましま | 2011年11月 3日 (木) 16時18分

ましまさん

だから、誰もその仕事にいることを束縛していませんよ。

ただ、自分から希望してその仕事についているのなら、自分が嫌でもやらなきゃいけないこともあるのです。

どうしても嫌なら、辞めればいい。
それだけです。


>石原慎太郎の立場で憲法をみません。

あなたは、8月6日のエントリーで、こう書いた。
>「憲法違反でも首にならない都知事」
>そういう主張を公式の席でするというのは、憲法遵守義務違反です。

つまり、
公式の場で、憲法に反することを発言したら、憲法尊守義務違反で、首にすべきだ。
ということでしょう。

質問に答えてくれていませんので、もう一度、質問させてください。

例えば公立学校の先生が、公の場で「天皇制反対」と言ったら、その人は首にすべきだとお思いですか?
ここで言う、公式の場とは、例えば、記者会見場はそうでしょう。
教室はどうですか。

いかがでしょう。

投稿: makoto | 2011年11月 3日 (木) 17時11分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/468248/42809422

この記事へのトラックバック一覧です: 天皇と憲法(その2):

» 『ベストセラー作家だけど質問があるよ?』 [逝きし世の面影]
『もしドラ』の岩崎夏海氏が、『なぜ ぼくのことをスティーブ・ジョブズのような人間だと思わないの?』とネットで発信して大炎上中なんだそうである。 ハックルベリーに会いに行く 2011-10-19『ベストセラー作家だけど質問があるよ?』 こんにちは。 ・ベストセラー作...... [続きを読む]

受信: 2011年11月 3日 (木) 09時21分

« 天皇と憲法 | トップページ | 反戦塾乗11/11/3 »