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2011年11月 3日 (木)

反戦塾乗11/11/3

GHQが洗脳は神話・毎日新聞股裂き状態・原発立地自治体は逃げるな

GHQが洗脳は神話
 今、ほとんどの人が戦後占領期の空気を知らない時代になった。そういった中で、「GHQが過酷な言論統制を行い、東京裁判判決を正しいものとする洗脳を行ったため、それを信じた人たちが自虐史観を蔓延させた」という、根強い歴史誤認があることを知った。

 その時代を知るものとして、この誤解は是正されなくてはならないと思い、前月中旬「GHQ洗脳はウソ」と「続・GHQ洗脳はウソ」を連続して書いた。誤解の源流には、米国文献を精査研究した江藤淳の『閉された言語空間』があり、それをベストセラーズ作家藤原正彦などがさらに歴史修正的色付けをして、普及させたものという想像をした。

 以下は、11月1日の毎日新聞夕刊のコラム「ことばの周辺」に掲載された、原爆と国内報道に関するものであるが、前述記事の公正なデータとして追加引用することにする。

 10月中旬、東京の早稲田大で行われた20世紀メディア研究所(山本武利代表)の公開研究会で、加藤哲郎・同大教授(政治学)の発表を興味深く聴いた。テーマは「占領下日本の『原子力』イメージ--ヒロシマからフクシマへの助走」である。

 加藤さんによると、広島に原爆が投下された1945年8月6日の翌日から、敗戦後、連合国軍総司令部(GHQ)が情報統制に乗り出す9月21日までの「原爆報道」に関する研究はあったが、以後の時期についてはほとんどない。52年の占領終結まで原爆は報道されなかったとよくいわれるが、加藤さんはこれを「神話」だとする。

 今回調べたのは、占領期にGHQの検閲対象となった国内出版物のコレクション「プランゲ文庫」の資料。加藤さんがデータベースで「原子爆弾」「原子力」を検索したところ、それぞれ約1500件がヒットした。

 被爆地の『中国新聞』(本社・広島市)の場合、164件の「原子爆弾」記事があり、うち半数を超える94件が検閲を受けたが、その8割は外電記事だった。他の新聞・雑誌を含め、放射能被害やアメリカ批判を書いたものは厳しく制限されたが、「原爆」記事そのものは検閲制度があった49年までの間、意外に多く掲載されていたという。(以下略)

毎日新聞股裂き状態
 先月27日に「じれったいが論調に変化も」という、毎日新聞の社説が微妙に変化したり、TPP参加全面支持の社説に対しコラム「記者の目」が反対論を展開するなど紙面が股裂き状態にあることを書いた。
 
 それに対抗するように31日付社説で「TPP反対論 米国陰謀説は的外れ」を載せ、それに対しブログ「逝きし日の面影」は、痛烈な批判記事を展開していた。さらに本日(11/3)、今度は同紙文化面で「経済への視点」として、明らかに社説へく反論と読める5段の囲みで、評論家の中野剛志氏がアメリカへの政治的配慮が優先されていることを書いている。

 その記事は、本日朝現在電子版に搭載されていないが、主に毎日新聞で報道されたアメリカ大統領の発言や日本政府の内部文書などを引用して書いたもので、その文末の担当記者による加筆「もっと知る」で、ご丁寧にも前述の「記者の目」のURLを載せ、見ることを推奨しているのだ。

 つまり、アメリカの陰謀ではなく公然とした事実であるという叫び声をあげているように見える。これが論説陣への記者の反乱なのか、社論を方向転換する前兆なのか、あるいは支離滅裂社風なのか、毎日新聞は面白いのでやめられない。

原発立地自治体は逃げるな
 最近、枝野経産大臣が「原発運転再開は最終的には、地元自治体の意思決定による」と言った発言に、自治体首長が「政府が決めてくれなくては困る」などと言っているようだ。これは責任転嫁をしたいということなのだろうが、とんでもない心得違いだ。

 たしかに、自治体には専門家がおらず安全チェックの能力はないだろう。しかし政府が決めるのは全体に通用する基準までで、個々の原発立地や運転を認める認めないは周辺自治体がきめることだ。

 政府が決めたことなら何でも従うというなら、自治体は不要だ。今奇妙に政府のせいにしたがっているが、かねて自治体も「原子力村」の一員であったことを忘れているのではないか。以前、当塾で書いたことがあったが、自治省(現総務省)の役人が自治体消防のプライドが強く、言うことを聞かないとぼやいていた。

 現場を知りつくし、郷土を護るという自負心があってこそである。その心が安全をもたらすのだ。技術的に納得がいかなければとことん説明を求め、勉強もしてくる。自治省にとっては手ごわい相手だったのである。

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コメント

ましまさん

>その時代を知るものとして、

その時代にいたからと言って、その時代がよく分かっているというわけではないでしょう。
ましてや子供だったあなたに。

今と違って情報源も限られていますし、中央でどの様なことが起こっているか、子供が分かるとは到底思えませんが。
特にあなたが地方に住んでいらっしゃったなら。

>東京裁判判決を正しいものとする洗脳を行ったため、それを信じた人たちが自虐史観を蔓延させた」という、根強い歴史誤認

でも、東京裁判を受け入れて、A級戦犯を戦争犯罪人と断定しているのでしょう。
南京大虐殺を信じ、日本軍が南京で何十万人も殺したと信じていらっしゃるのでしょう。
当時の日本を取り巻く国際情勢や、アメリカの思惑や、その時代の価値観などを一切考えず、日本および日本軍は悪かった、と考えていらっしゃるのでしょう。

「私は洗脳されていない」とおっしゃっても、その考えがGHQの思惑通りになっていて、まったく信じられませんが。

洗脳されていないのであれば、東京裁判を受け入れることに違和感を覚えるだろうし、
それを戦勝国の報復と理解した上で、A級戦犯は全員戦争犯罪人、などととても考えられない、と思うのですが。

投稿: makoto | 2011年11月 4日 (金) 00時21分

makoto さま
昔の少年は今のあなたより大人でした。
また、身元の知れないmakoto氏から私的なことをとやかく言われるすじあいはないので、今後このような書き込みは禁止・削除することにします。

投稿: ましま | 2011年11月 4日 (金) 07時19分

あらあら。
失礼しました。

ましまさんは、東京裁判を正しいもの、少なくとも判決を受け入れよう、と思っていらっしゃるんでしょう。
でも、洗脳されていない、とおっしゃるんですね。
大変よく分かりました。


洗脳云々は別としても、私は日本人として、戦勝国の報復劇である東京裁判を受け入れることはまったくできません。

戦争犯罪人と言うよりも、敗戦の責任者はいるでしょう。
しかしそれは、日本人が自ら選ぶべきであって、戦勝国に、「戦犯」などとレッテルを貼られるべきではありませんし、それに同意して彼らを非難することなど、到底できません。

投稿: makoto | 2011年11月 5日 (土) 00時40分

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