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2011年10月12日 (水)

品のない国家

♪私は真赤(まっか)な りんごです
  お国は寒い 北の国 ……

 なんでこんな古い童謡の歌詞を持ちだすかというと、「北の国」は、ロシアではないよ、と言いたいからです。「そんなこと当たり前だろ」と言われそうですが、故郷(くに)と、国家(くに)をごっちゃにしている人が案外多いのです。ひとりあげておくと『国家の品格』を書いた藤原正彦さんなどです。

 若い頃には、「お国はどちらですか」と聞かれ「信州です」などと答えたものです。「日本です」と答える人はまさかいない。もうひとつ古い手まり歌を。

♪あんたがた どこさ 肥後さ 肥後どこさ 
  熊本さ 熊本どこさ ……

 肥(火)の国も因幡の国も神代からの「くに」で、近代的な国家ではありません。人類は生きて行くために集団を作ります。その最小の単位が家族です。水田を作ったり、狩や魚を能率的にするためにはもっと大勢の人が協力し合わなければなりません。

 それが、部落となり故郷(くに)となっていくのです。その「くに」が隣の「くに」といさかいになることは当然あります。しかし、それはお互いに傷つくだけなので、そういった争いをさけるためにも仲間の範囲を広げ、今ある国にらしいものができてきます。塾頭はそれを推古天皇の頃だと見ています。

 もともとは、人が生きて行くために必要な小さなくにから始まっているので、世界では、正式国名が連邦とか合衆国だとか共和国という名をつける場合が多いのですが、ここに困ったことが起きました。国家になると、軍隊を持たなければならないということが常識になってしまったのです。

 警察や消防なら、故郷単位に設け、せいぜい横の連絡を密にしておけばいいのですが、国家となると外国からの攻撃に備えたり、場合によれば相手国を占領するため近代的軍隊が必要という考えに至ったのです。
 
 逆に言うと、国家がなければ近代戦も起きないということです。小さなくにでは、核兵器はもとより、大型ミサイル、潜水艦、ステルス戦闘機など作ることができません。人力の及ぶ範囲をこえて広がることはありません。

 日本も明治維新以降「富国強兵」政策をとりました。これはある意味で日露戦争までは正解だったと思います。そのために、日本自身はもとより、アジアからロシア、イギリスなど西欧列強の侵略を後退させたといえましょう。

問題はその後です。第一次大戦でヨーロッパのほとんどは悲惨な戦場になってしまいました。日本も参戦し、ドイツが権益を持つ中国の山東省などを攻撃(中国は当初中立宣言)、楽々と戦勝国になりました。

 戦後、欧米は戦勝国を含め大戦のあまりにも大きな被害に愕然としました。そして、国際連盟設立、不戦条約、軍縮交渉など戦争の反省にたって、帝国主義より平和模索へと大きく舵を切りました。悲惨さを知らない日本は、それをしり目に中国大陸でそれゆけどんどんを続けてしまったのです。そして第2次大戦です。

 藤原さんは、「そんな論理より日本人は情緒だ」とし、欧米流の自由、平等、民主主義を重視するのは、第二次大戦後のGHQの洗脳の結果で、大東亜戦争を始めたのは正しかったのだ、などととんでもないことを言いだします。

 明治維新が自由民権運動に始まり、大正デモクラシーのもと「自由学園」が創設されたのも生粋の日本人の考えです。日本人は、以前から自由を尊重し愛する気風があったのです。すると、「国民は永遠に成熟しない。放っておくと、民主主義すなわち主権在民が戦争を起こす。国を潰し、ことによったら地球まで潰してしまう」(前掲書)などと、めちゃめちゃを言います。

 先ほど来言っているように、本来人が生きるために必要な最小限度の共同生活の場では、愚かな戦争など起きるはずがありません。その危険があればお互いの知恵がそれを解決します。しかし、一旦国家ができ、近代的な軍隊を持つと「抑止力」などといって際限なく軍備が自己増殖していきます。

 そうして、政治にまで影響をもたらし、また政治家はそれを利用しようとします。国民は高い税金を軍備にとられ、その上戦争になって国土や命まで危険にさらすようなことを望むはずがありません。戦争を煽る言動があったのは、国家を仕切っているヒトラーからブッシュまでいくらでも例があり、国民が主犯ではありません。

 しかし2回の大戦、その後の2大強国による冷戦を経て、さすがに近代兵器を総動員した戦争はなくなってきました。核もミサイルも巨砲巨艦も、アメリカの海兵隊でさえ宝の持ち腐れになって来ました。今あるのは、地域紛争などに対する介入かテロとの戦いだけで、活躍するのはせいぜい小型無人機程度です。

 地域紛争のほとんどにアメリカが関与し、「世界の警察官」などと呼ばれてきましたが、知恵ある国民がNOを言い始めたこともあり、その地位は大幅に後退せざるを得なくなっています。極端に言うと、世界の趨勢は「戦争は避けられる」という方向に向かってきたのではないでしょうか。

 戦争放棄の日本国憲法の出番がようやくやってきます。反面、「そうではないんだ」と叫び続ける人たちが依然としていますが、当塾はそういう人たちを新・保守反動と言っています。こういった、品のない国家主義者は、早くなくしたいものです。

 ただひとつお断りしておきますが、まだ、「先軍主義」などといって、怪しい国があることは事実です。そういう国のために、専守防衛の能力向上が必要ならば、その努力を惜しまないことです。その上で日本は非武装中立ではない、世界的な任務を国連を通じて果たすべきだと思います。

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