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2011年10月26日 (水)

憲法審査会発足と護憲

 改憲手続き上の第一歩として、改憲案の適否を審査する議会内の機関、憲法審査会が始動しはじめた。衆議院の会長には、民主党の大畠章宏氏が選ばれ、参議院は自民党の小坂憲次氏に決定した。

 憲法改正は、まず、案を議会に提出する。それが適当なものかどうかを審査会で審査する。OKとなれば、衆参各院で議員数の3分の2以上の賛成で国民投票にかけることができる。国民投票の決定は投票総数の過半数である。これをみても、議会の動向がいかに重要かがわかる。

 大畠氏は、菅首相追い出しで小鳩連携が画策された際、鳩山グループを離脱した。この前の代表選では、鹿野道彦氏を候補として推挙、決選投票では海江田氏ではなく野田候補に投票し、鹿野グループの存在感を高めた。大畠氏はその会長代行をつとめる。

 本塾は、以前「新内閣と護憲・防衛」を書き、鹿野グループが改憲派の動きを抑制するのではないかと予測した。今回、大畠氏が衆院憲法審査会の会長に就いた意味は大きい。大畠氏は、日立労組、社会党の出身で、改憲に積極的な役割を果たすはずがないからである。

 もうひとつは、社民党から1人割り振られていた審査会メンバーへの名簿提出である。新聞によると、福島瑞穂党首は記者団に対し「提出しなくても審査会が開かれる可能性があり、出席してかかわったほうがいいと判断した」と説明したとされる。

 「ほうがいい……」では駄目だ。本当に現行憲法の精神を守り抜きたいのであれば、進んでそれを補強するような改憲案を持たなければ、改憲勢力との戦いに負ける。改憲派は、「戦後一度も改正したことがない、時代にそぐわない」という論理を先行させるだろう。

 それに対して、「平和憲法を護ります」「9条は変えさせません」では、戦争を知らない世代が圧倒的になった現在、何と弱いことか。国の安全保障、国際情勢、緊急事態への対応、軍事知識など多角的な見識を持たなければ、議論から外されるのがおちだ。

 そしてさらに、戦争に巻き込まれないためにはどうすればいいか、自衛隊の専守防衛体制をどう整えるか、対米集団的自衛権に代わるものは何か、などについて必要に応じた改憲案をぶつけ審査の対象とし国民世論に訴えるのだ。

 戦争のための改憲案を葬るため、民主党はもとより、自民、公明まで巻き込んで新・保守反動の動きを封じなくてはならない。戦後続いてきた反安保、自衛隊への疑問など教条主義的なアレルギー体質や、戦争の悲惨さを伝えるだけでは、もはや国民を納得させることができない。

 以上の骨組みは、これまでも本塾で繰り返し主張してきたことだ。審議会発足を機に更めて護憲のあり方を再検討し、またその立場に立った改憲案にヒントになりそうなことを中心に、これからも「憲法」カテゴリに集中投稿をしてみたい。

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