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2011年9月 9日 (金)

前原政調会長の真意は

 民主党・前原政調会長がワシントンで日米安保体制などに関する講演をし、物議をかもしている。その要旨は、

 ①自衛隊の海外派遣はより積極的に行うべきで、武器使用基準の緩和、他国軍の防御、集団的自衛権など法制面の再検討。②武器輸出3原則の見直し、共同研究・開発参画。日米同盟に基づく相互運用緊密化。③普天間移転問題履行努力。④中国の膨張政策や特異性。

 といったことである。これが国内にはねかえり、波紋を呼んでいるわけだが、当塾では、8月末から前回にかけて3回彼の名を出しているので、どうしても触れざるを得ない。特に前回、最後のしめとして、《「毒をもって毒を制する」で、むしろ前原政権の方がよかったかも知れない》などと書いたが、どうやらこれだけは撤回した方がよさそうだ。

 さて、講演内容について彼のの真意は何か、ということになるが、これも次の4つをあげてみた。

①首相訪米を控えて、その地ならし。
②党政調会長として、党内不統一のシンボルともいえる防衛問題を提起、活発な議論への呼び水とする。
③ねじれ国会のもと、自民との急接近をねらう。
④持論の、単なる軽率発言。あるいは受けがいいアメリカに対するリップサービス。

 「文民統制には素人がいい」などの発言があった、一川 保夫防衛相は、小沢グループ出身で前原と相性が悪いのか「そんなのは聞いていないし、方針でもない」とおかんむりのようだ。また、外務省の官僚も、一切聞いていなとしており、閣内からはつれない反応が伝わってくる。

 しかも、平岡法相をはじめ、リベラル・グループは早くも反発を強めている。(「新内閣と護憲・防衛」参照)。野田首相は、限りなくタカ派に近いが、スタート早々ドジョウがタカに変身する離れ業は無理だろう。そうすると、①は思い過ごしということになる。

 ②もうがちすぎのようだが、米要人の強い支持を取り付け、党内反対勢力の口封じをするというのは考えられる。鳩山の「学べば学ぶにつけ」効果ねらいだが、これには、外務・防衛、それに官房長官の連係プレーがなければならず、閣外にいてはどこまで通用するかわからない。田中真紀子も、外交委員長として、目を光らしている。

 ③は、心情的にはあり得る。このたびも自民党の石破政調会長の心をしっかりつかんだようだ。党内融和にはマイナス効果しかないが、いざ大連立さわぎでも起きれば、一里塚として効果を発揮する。これが一番警戒を要する。

 塾頭は、彼が政治家になりたいのは、外交をやってみたいからだという動機があると聞いていた。また、軍事オタクということで国交と切り離せない軍事知識を持っており、普天間基地移転問題解決や、アジアにおける緊張緩和という喫緊な課題につてい、米国の厚い信頼があるということから、外務大臣として活躍の場があると思ったが、わずか3か月余で退任してしまった。

 それはどうも買いかぶりで、どうやら「紳助と誠司と唐突」で書いた④あたりではないか、という方に引っ張られている。

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