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2011年9月14日 (水)

鉢呂発言、毎日が異例の弁明

 本塾では9月 9日 (金)に「表現の自由侵犯」と題して鉢呂前経産大臣の言葉狩りを、ここ数年続く政治とマスコミの異様な関係として記事にした。「死の町」という表現のどこに問題があるのか、という疑問である。

 マスメディア以外には、ネット上でも多くの専門家・同業者などの中に、塾頭と同じ意見があることがわかった。また、その後の更迭さわぎまでに、前後3回の記者との接点があったことがわかった。最初が同氏が福島視察から帰った8日の、議員宿舎ロビーでの非公式取材、この時「放射能をつける」云々の発言が出た。

 次が9日午前の「死の町」発言のあった公式会見である。さらに、最後に辞任後の゛荒れた゛感じの10日夜の会見があった。どうして最後の会見が荒れたかを推測すると、最初の放射能を云々の発言は、5大紙とFNNの報道がすべてバラバラで、どれが正確なのかわからなかったことが指摘されていたからではないか。

 たしかに、そのような不正確な発言内容が原因で一国の大臣の首を取るというのは暴挙である。そこで、一体本人はどう言ったのか、という質問がでる。それに対して「記憶にない」という答えをした。どの社が正解か、ということにもなる。同氏としては、こう逃げるしかなかっただろう。

 そこで、某記者の暴力団まがいの恫喝が始まったというわけだ。これらについては、同席していた人の証言などもある「BLOGOS」の
http://blogos.com/
「鉢呂発言とメディアの責任」にくわしい。

 最初の、防護服をつける真似をして「放射能を云々」と近寄られた記者は、毎日新聞の記者だった。それが、今日になって、毎日新聞に「民主、取材制限の動き」という4段見出しで6段を使った大きな記事が出た。ただし24面[総合]という、なんでもぶち込める一番目立たないページである。

 塾頭が注目したのは文末の大部分を占める《「放射能」発言報道の経緯》という、新聞社としては異例な内幕暴露的な解説である。これが、マスコミ外にある今回の騒動の批判に、非常に抑制的ながら自省の念を込めたもの、と勝手に受け止めている。

 つまり、最初のはおふざけだから問題なし。2度目は、それだけでは弱いが最初のがあるから、という理由である。すなわち、弱い両方をつないで誹謗記事にしたという、糾弾するにはやや根拠薄弱だったと告白しているようなものである。この記事は、9時現在ネット版に無いようだったので、下にその部分を引用しておく。

「放射能」発言報道の経緯
 鉢呂前経産省が、東京・赤坂の衆議院宿舎前で、報道陣に「放射能をつけたぞ」という趣旨の発言をしたのは8日午後11時過ぎだった。福島第1原発周辺の視察を終え、防災服のまま公用車で帰宅した鉢呂氏は宿舎玄関ホールで立ち止まり、集まった記者団の非公式な取材に応じた。

 経済部や政治部など10人程度の記者に囲まれた鉢呂氏は、現地の状況について「ひどいと感じた」「みんなが頑張っている」などと述べた後、「まだ線量が高い地点があり、なんとかしないといけらい」と指摘。近くにいた毎日新聞の男性記者に防災服をすりつける仕草をし、「放射能をつけたぞ」という趣旨の発言をした。その後、鉢呂氏は「放射線量の高い地点は除染しないといけない」などと話を続けた。

            ◇
 毎日新聞は鉢呂氏の言動について、非公式な場での悪ふざけととらえ、翌9日朝刊では報じなかった。しかし、鉢呂氏は9日午前の会見でも、福島第1原発の視察に関し「まさに死の町」と発言。8日の言動と合わせて、閣僚としての資質に疑義を抱かざるを得ず、同紙の身体に発展しかねない重大な問題と判断し、10日朝刊に事実関係を掲載した。

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コメント

こんばんは。
政治家の劣化が激しいと思っていましたが、
新聞記者その他マスコミの劣化も負けず劣らずです。

今までも、こういう人たちが報道を牛耳っていたのに、
大新聞の名前に、ごまかされていたのではないかと思います。

昨今、ばれやすくなったというか、わかりやすく表に出てくるようになったのも、ネット文化が普及したせいでしょうか。

投稿: 金木犀 | 2011年9月14日 (水) 21時54分

金木犀 さま
 終わってしまってからいろいろ出てくるのは問題ですね。政治の方も国民が選んだ政治家を使い捨てにするような最近の姿勢が問題です。

 記者会見で、相手を口汚く罵倒するという風習は昔からありました。それは相手を感情的にさせ、本音を引き出すしいうひとつのテクニックだったようです。

 しかし、TVカメラが入るようになり、この方法はすっかりすたれたものだと思っていたら、程度の低いのがいるもんですね。

 新聞社が読者(収入)を増やすため、戦争賛成の姿勢に転換したのと、現在はよく似ています。しかし、これを監視するネットの力を期待したいと思います。

投稿: ましま | 2011年9月15日 (木) 09時26分

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