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2011年9月 8日 (木)

安保体制60年

 敗戦から6年続いた連合軍(実質的には米軍)の占領が、60年前の今日(8日)終わり、日本は再び独立国になった。その頃塾頭は、すでにサラリーマンになっていたが、サンフランシスコで吉田首相が講和条約に調印し、同時に「日米安保条約」が締結されたという歴史的転換に、あまり鮮やかな記憶や感興が残っていない。

 講和条約には48か国が調印したが、ソ連圏の3か国は調印せず、インド、ビルマ、ユーゴスラビアは出席しなかった。また中国は、内戦で共産軍がすでに台湾以外を支配していたが、どちらに代表する権利を認めるかが決定できず、招請されていなかった。

 国内に、共産圏を含む全面講和か、米英中心の単独講和かで大論争が巻き起こったことは知っているが、(若者言葉でいうと)塾頭的には、講和後、警察予備隊とか保安隊とか自衛隊とか、名前は何であれ、徴兵制度が復活されることを一番心配した。

 「まさか」と思う人がいるだろうが、北九州に空襲の警報が出たほどの朝鮮戦争かようやく休戦状態に達したばかりである。日米安保の同時締結で、米占領軍はそのまま基地に居座り続けるわけだし、議会や諸制度はすでに正常に機能しているので、半独立状態に変化はない、という感覚だった。

 これを打破する唯一の機会が60年安保闘争の盛り上がりだったわけだが、地位協定は手つかずで継承され、オキュパイド・ジャパン体制が半世紀を超えても維持され続けているという、世界遺産に登録されてもいいような状況が続いている。

 田中真紀子元外相が、外務省を「伏魔殿」と評したが、日本の外交は安逸をむさぼる官僚に支配され、外交能力としても、明治この方最低のレベルに止め置かれている。民主党政権の発足で僅かでも改善の方向に向かうのか、という期待をした時もあったが、野田、玄葉コンビでは、官僚をリードする図がまず見えてこない。

 毎日新聞(9/8)によると、野田総理は、雑誌「Voice」10月号掲載の「わが政治哲学」で、民主党のマニフェストに掲げられた「東アジア共同体」のビジョンを棚上げし、「いまなすべきは、領土領海に絡む重大事件が発生した場合に日本がいかなる姿勢を打ち出すべきか、あらためてシュミレーションしておくこと」という姿勢を明らかにした。

 「哲学」と銘打った論文には全くそぐわない。そんなことは、海上保安庁か自衛隊の日常業務として行うことある。そういった事態が起きないようにするための外交理念を示せないようなら、外務官僚のサボタージュに甘んじているとしか思えない。

 国をどっちの方向にもっていこうとするのか示せないような首相、それだけで宰相の資格がない。アメリカの大統領なら、就任時に決してそんな「哲学」を披露ししたりはしないだろう。こんなことなら、「毒をもって毒を制する」で、むしろ前原政権の方がまだましだったかも知れない。

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